『内陸アジア言語の研究』26(中央ユーラシア学研究会、2011年8月)
齊藤茂雄「突厥「阿史那感徳墓誌」訳注考―唐羈縻支配下における突厥集団の性格」
岩尾一史「古代チベット帝国支配下の敦煌における穀物倉会計―S.10647+Pelliot tibetain1111の検討を中心に」
西田祐子「『新唐書』回鶻伝の再検討―唐前半期の鉄勒研究に向けて」
松井大「古ウイグル語文献にみえる「寧戎」とベゼクリク」
趙振華著、中田裕子訳「唐代少府監鄭巖とそのソグド人祖先」
今号は唐代に関する論文が殆ど。いずれも大変興味深い。
齊藤論文は、墓誌を詳細に読み解いたうえで、
唐朝支配下の突厥遺民の様相について明らかにしている。
西田論文は、『新唐書』回鶻伝前半部(8世紀半ばまで)と先行記事とを詳細に比較し、回鶻伝前半部の編纂方針(先行記事の切り貼り)を明らかにし、編者に「鉄勒=ウイグル」という前提が存在したことを確認。『新唐書』回鶻伝前半部は、「歴史学的考察の根拠として用いることができない」とする。
趙論文は、墓誌を用いて、ソグド人でありながら、
漢姓(鄭)を名乗った鄭氏の存在を明らかにした。
2011年9月18日日曜日
2011年度史学会大会東洋史部会
2011年度史学会大会東洋史部会 日時:2011年11月6日(日)
場所:東京大学法文1号館113番教室
研究発表 午前の部 9:30~12:00
山下真吾「在イスタンブル写本コレクションにおける歴史書の位置づけ」
佐々木紳「1870年代オスマン帝国の憲政論議―『統一』(イッティハード)紙上の議論を中心に―」
片倉鎮郎「19世紀前半の英領インドにおけるブー・サイード朝代理人」
秋山徹「混成村落の創設にみる20世紀初頭のクルグズーロシア関係」
植田暁「1916年反乱におけるクルグズ―地域間比較の試み―」
研究発表 午後の部12:30~17:30
植松慎悟「王倚新と光武帝期の正統観について」
三田辰彦「東晋中葉の尊号問題―皇太妃号の議論を中心に―」
角山典幸「北魏洛陽城再考―金墉城の機能を中心として―」
江川式部「唐代の家廟―とくに唐後半期における立廟とその意義について―」
王博「唐・宋「軍礼」の構造とその変容」
小二田章「茶樹を抜いてはいけないか?―北宋期地方統治と治績記述の形成をめぐって―」
伊藤一馬「南宋成立直後の陝西地域と中央政府」
陳永福「明末復社における人的結合とその活動」
豊岡康史「珠江河口の海賊問題と“ヨーロッパ人”(1780-1820)」
北村祐子「南京政府時期における南京市の土地登記事業」
場所:東京大学法文1号館113番教室
研究発表 午前の部 9:30~12:00
山下真吾「在イスタンブル写本コレクションにおける歴史書の位置づけ」
佐々木紳「1870年代オスマン帝国の憲政論議―『統一』(イッティハード)紙上の議論を中心に―」
片倉鎮郎「19世紀前半の英領インドにおけるブー・サイード朝代理人」
秋山徹「混成村落の創設にみる20世紀初頭のクルグズーロシア関係」
植田暁「1916年反乱におけるクルグズ―地域間比較の試み―」
研究発表 午後の部12:30~17:30
植松慎悟「王倚新と光武帝期の正統観について」
三田辰彦「東晋中葉の尊号問題―皇太妃号の議論を中心に―」
角山典幸「北魏洛陽城再考―金墉城の機能を中心として―」
江川式部「唐代の家廟―とくに唐後半期における立廟とその意義について―」
王博「唐・宋「軍礼」の構造とその変容」
小二田章「茶樹を抜いてはいけないか?―北宋期地方統治と治績記述の形成をめぐって―」
伊藤一馬「南宋成立直後の陝西地域と中央政府」
陳永福「明末復社における人的結合とその活動」
豊岡康史「珠江河口の海賊問題と“ヨーロッパ人”(1780-1820)」
北村祐子「南京政府時期における南京市の土地登記事業」
2011年9月7日水曜日
日本中国学会第63回大会
日本中国学会第63回大会
日時:2011年10月8日(土)・ 9日(日)
場所:九州大学箱崎キャンパス旧工学部本館
諸会費
大会参加費 2,000円
昼食弁当代 1,000円/一食
写真代 1,000円
報告 ※報告多数のため、一部にとどめます。
【哲学思想部会】(3階10番講義室)
10月8日(土)
10時~10時30分:荒木 雪葉「磬から考察する「子撃磬於衛」章」
10時35分~11時5分:吉永慎二郎「春秋経(左氏経)の作経メカニズムとその成立の構図について」
11時10分~11時40分:重信 あゆみ「古代中国の神の造形とベス」
13時30分~14時:前原あやの「張衡『霊憲』の科学思想」
14時5分~14時35分:梁音「二十四孝の成立における『晋書』の位置づけ」
14時40分~15時10分:佐々木聡「中国近世以降における『開元占經』の流傳と受容について」
15時15分~15時45分:野村英登「佐藤一斎の静坐説とその思想史的考察」
10月9日(日)略
【文学語学Ⅰ部会】
10月8日・9日略
【文学語学Ⅱ部会】(大講義室 旧工学部本館1階)
10月8日(土)
10時~10時30分:石川三佐男「古代楚王國の國策から見た楚辭文學の發生と展開」
10時35分~11時5分:田中郁也「李登・呂静の用いた五音について―五姓法からのアプローチ―」
11時10分~11時40分:中村友香「六朝志怪「再生譚」に見られる死の「境界性」」
13時30分~14時:種村由季子「則天武后の洛陽駐輦と駱賓王「帝京篇」」
14時5分~14時35分:陳翀「旧鈔本「長恨歌序」の真偽」
14時40分~15時10分:陳文佳「韓偓『香奩集』の版本について」
15時15分~15時45分:東英寿「歐陽脩の書簡九十六篇の発見について」
10月9日(日)略
【漢文教育部会】
10月8日・9日略
【特別講演】:1階中央 大講義室
10月8日(土) 16時〜17時
町田三郎「九州の漢学者たち」
10月9日(日) 11時10分〜12時10分
金文京「韓国の中国学研究の現状紹介」
プログラムの詳細は
日本中国学会のHP参照。
日時:2011年10月8日(土)・ 9日(日)
場所:九州大学箱崎キャンパス旧工学部本館
諸会費
大会参加費 2,000円
昼食弁当代 1,000円/一食
写真代 1,000円
報告 ※報告多数のため、一部にとどめます。
【哲学思想部会】(3階10番講義室)
10月8日(土)
10時~10時30分:荒木 雪葉「磬から考察する「子撃磬於衛」章」
10時35分~11時5分:吉永慎二郎「春秋経(左氏経)の作経メカニズムとその成立の構図について」
11時10分~11時40分:重信 あゆみ「古代中国の神の造形とベス」
13時30分~14時:前原あやの「張衡『霊憲』の科学思想」
14時5分~14時35分:梁音「二十四孝の成立における『晋書』の位置づけ」
14時40分~15時10分:佐々木聡「中国近世以降における『開元占經』の流傳と受容について」
15時15分~15時45分:野村英登「佐藤一斎の静坐説とその思想史的考察」
10月9日(日)略
【文学語学Ⅰ部会】
10月8日・9日略
【文学語学Ⅱ部会】(大講義室 旧工学部本館1階)
10月8日(土)
10時~10時30分:石川三佐男「古代楚王國の國策から見た楚辭文學の發生と展開」
10時35分~11時5分:田中郁也「李登・呂静の用いた五音について―五姓法からのアプローチ―」
11時10分~11時40分:中村友香「六朝志怪「再生譚」に見られる死の「境界性」」
13時30分~14時:種村由季子「則天武后の洛陽駐輦と駱賓王「帝京篇」」
14時5分~14時35分:陳翀「旧鈔本「長恨歌序」の真偽」
14時40分~15時10分:陳文佳「韓偓『香奩集』の版本について」
15時15分~15時45分:東英寿「歐陽脩の書簡九十六篇の発見について」
10月9日(日)略
【漢文教育部会】
10月8日・9日略
【特別講演】:1階中央 大講義室
10月8日(土) 16時〜17時
町田三郎「九州の漢学者たち」
10月9日(日) 11時10分〜12時10分
金文京「韓国の中国学研究の現状紹介」
プログラムの詳細は
日本中国学会のHP参照。
2011年8月21日日曜日
東京古典会創立100周年記念 貴重書展
東京古典会創立100周年記念
貴重書展 -和本の世界-
日時:2011年10月2日(日)12:00~18:00
10月3日(月)11:00~16:30
場所:東京古書会館地下
斯道文庫蔵和漢古典籍集覧
江戸川乱歩と東京古典会-購入記録にみる和本蒐集の軌跡
※慶應義塾大学附属研究所斯道文庫の蔵書より、和本と漢籍の優品40点を展示。
展示品解説 (※10月2日のみ開催)
13:30~/16:10~ 2 回実施(各回30 分程度)
和書の部解説:佐々木 孝浩
漢籍の部解説:高橋 智
貴重書展 -和本の世界-
日時:2011年10月2日(日)12:00~18:00
10月3日(月)11:00~16:30
場所:東京古書会館地下
斯道文庫蔵和漢古典籍集覧
江戸川乱歩と東京古典会-購入記録にみる和本蒐集の軌跡
※慶應義塾大学附属研究所斯道文庫の蔵書より、和本と漢籍の優品40点を展示。
展示品解説 (※10月2日のみ開催)
13:30~/16:10~ 2 回実施(各回30 分程度)
和書の部解説:佐々木 孝浩
漢籍の部解説:高橋 智
2011年8月20日土曜日
唐代史研究会夏期シンポジウム
2011年唐代史研究会夏期シンポジウム
日程:2011年8月22日(月)・23日(火)
場所:文部科学省共済組合箱根宿泊所 四季の湯強羅静雲荘
シンポジウム「「隋唐帝国」論―形成・影響・本質」
8月22日(月)
14:00~15:30 川合安「南朝史からみた隋唐帝国の形成」
15:30~17:00 前島佳孝「西魏・北周・隋初時期における領域統治体制について」
8月23日(火)
10:00~12:00 堀井裕之「唐朝政権の形成と太宗の氏族政策」
13:30~15:00 赤羽目匡由「新羅真徳王五(651)年中央官制改革の意義(仮)」
15:00~16:30 榎本淳一「隋唐朝の朝貢体制の構造と展開(仮)」
日程:2011年8月22日(月)・23日(火)
場所:文部科学省共済組合箱根宿泊所 四季の湯強羅静雲荘
シンポジウム「「隋唐帝国」論―形成・影響・本質」
8月22日(月)
14:00~15:30 川合安「南朝史からみた隋唐帝国の形成」
15:30~17:00 前島佳孝「西魏・北周・隋初時期における領域統治体制について」
8月23日(火)
10:00~12:00 堀井裕之「唐朝政権の形成と太宗の氏族政策」
13:30~15:00 赤羽目匡由「新羅真徳王五(651)年中央官制改革の意義(仮)」
15:00~16:30 榎本淳一「隋唐朝の朝貢体制の構造と展開(仮)」
居酒屋の世界史
やっと涼しくなり、調子ももどりそう。
遅れた分をなんとか取り戻したい……。
けど、ここで無理するとよくないという気もする。
まぁ、ぼちぼちやっていきます。
下田淳『居酒屋の世界史』(講談社現代新書、2011年8月)
西欧を中心としながらも、非西欧圏(イスラム・中国・日本)の居酒屋も取り上げ、居酒屋を通じた比較文化論を展開。西欧中世~近現代の居酒屋については、「居酒屋の多機能性」(銀行・裁判・集会所・演芸場・売春など)が徐々に専業化していく過程(「棲み分け」)が描かれていて参考になった。
しかし、中国の居酒屋を述べた際に、農村部には居酒屋が存在せず、その原因を「中国農村が現物経済から貨幣経済に移行しはじめたのは、一九世紀になってからであった」とするのは理解できなかった。同様の記述は、イスラム圏や日本の箇所でもみられる。
遅れた分をなんとか取り戻したい……。
けど、ここで無理するとよくないという気もする。
まぁ、ぼちぼちやっていきます。
下田淳『居酒屋の世界史』(講談社現代新書、2011年8月)
西欧を中心としながらも、非西欧圏(イスラム・中国・日本)の居酒屋も取り上げ、居酒屋を通じた比較文化論を展開。西欧中世~近現代の居酒屋については、「居酒屋の多機能性」(銀行・裁判・集会所・演芸場・売春など)が徐々に専業化していく過程(「棲み分け」)が描かれていて参考になった。
しかし、中国の居酒屋を述べた際に、農村部には居酒屋が存在せず、その原因を「中国農村が現物経済から貨幣経済に移行しはじめたのは、一九世紀になってからであった」とするのは理解できなかった。同様の記述は、イスラム圏や日本の箇所でもみられる。
2011年8月13日土曜日
2011年度魏晋南北朝史研究会大会
2011年度魏晋南北朝史研究会大会
日時:2011年9月17日(土)午後1時~
会場:日本女子大学目白キャンパス,新泉山館大会議室
会場:日本女子大学目白キャンパス,新泉山館大会議室
プログラム
友田真理「墓誌の誕生前夜―漢末魏晋期における葬俗の転換と薄葬令」
友田真理「墓誌の誕生前夜―漢末魏晋期における葬俗の転換と薄葬令」
コメンテーター 安部聡一郎
松下憲一「北魏墓誌の研究」
松下憲一「北魏墓誌の研究」
コメンテーター 東賢司
阿部幸信「学会報告 「第5届中国中古史青年学者聯誼会」参加報告」
阿部幸信「学会報告 「第5届中国中古史青年学者聯誼会」参加報告」
2011年8月1日月曜日
ふたつの故宮博物院
野嶋剛『ふたつの故宮博物院』(新潮選書、2011年6月)
北京と台北に存在するふたつの故宮。
清末の文物流失、抗日戦争による文物移動、
そして国共内戦を経て、二つの故宮が成立し、
現在に至る過程を描く。
前近代中国史に関する凡ミス(例:曹操を宦官の息子とする)がけっこうあるし、第2章~第4章(故宮の歴史的経緯)が先行書籍をまとめただけで、物足りなかったけれど、現代の故宮をめぐる諸問題を扱った第1章・第6章・第7章はかなりおもしろかった。
一番よみごたえがあったのは、
陳水扁期の故宮改革とその挫折を述べた第1章。
院長などへのインタビューを通じて、
生々しく故宮改革の様子について描いている。
北京と台北に存在するふたつの故宮。
清末の文物流失、抗日戦争による文物移動、
そして国共内戦を経て、二つの故宮が成立し、
現在に至る過程を描く。
前近代中国史に関する凡ミス(例:曹操を宦官の息子とする)がけっこうあるし、第2章~第4章(故宮の歴史的経緯)が先行書籍をまとめただけで、物足りなかったけれど、現代の故宮をめぐる諸問題を扱った第1章・第6章・第7章はかなりおもしろかった。
一番よみごたえがあったのは、
陳水扁期の故宮改革とその挫折を述べた第1章。
院長などへのインタビューを通じて、
生々しく故宮改革の様子について描いている。
2011年7月31日日曜日
外邦図
小林茂『外邦図―帝国日本のアジア地図』(中公新書、2011年7月)
第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作成した「外邦図」の歴史についてまとめたもの。陸軍が中心となって、戦争・植民地支配のために、朝鮮・台湾・中国・東南アジアで作成されていく様子がえかがれている。
外邦図は、未だ積極的に活用されているとはいえないそうだが、環境史にとって意義ある資料であるとする。確かに口絵にのっている中国安徽省の空中写真をみると、ずいぶん景観が変化していることがわかる。また、広開土王碑との関係で有名な酒匂景信の手描き地図(洞溝周辺)にも言及している。前近代の遺構・遺跡を研究する際にも活用できそう。
第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作成した「外邦図」の歴史についてまとめたもの。陸軍が中心となって、戦争・植民地支配のために、朝鮮・台湾・中国・東南アジアで作成されていく様子がえかがれている。
外邦図は、未だ積極的に活用されているとはいえないそうだが、環境史にとって意義ある資料であるとする。確かに口絵にのっている中国安徽省の空中写真をみると、ずいぶん景観が変化していることがわかる。また、広開土王碑との関係で有名な酒匂景信の手描き地図(洞溝周辺)にも言及している。前近代の遺構・遺跡を研究する際にも活用できそう。
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