2011年4月2日土曜日

三国志関連書籍

渡邊義浩『三国志―演義から正史、そして史実へ―』(中公新書、2011年3月)
愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センター編『曹操高陵の発見とその意義―三国志 魏の世界―』(汲古書院、2011年3月)


『三国志―演義から正史、そして史実へ』は、
各章で演義と正史を比較し、そのイメージの違いを確認。
さらに正史のフィルターを払って、史実に迫るとしている。
これまでの著者の研究のエッセンスを凝縮している。


『曹操高陵の発見とその意義』は、2010年11月27日・28日に愛媛大学で開催されたシンポジウム「三国志 魏の世界―曹操高陵の発見とその意義」の講演録。目次は以下の通り。
村上恭通「『三国志 魏の世界』開催にあたって―経緯と趣旨―」
白雲翔「漢末・三国時代考古およびその新展開―北方曹魏を中心に―」
潘偉斌「曹操高陵の発見と発掘および初歩研究」
郝本性「曹操高陵出土文物の研究―安陽高陵出土石牌刻銘にみる曹操のすがた―」
張志清「漢代陵墓考古と曹操高陵」
討論会
付録一 河南省文物考古研究所・安陽県文化局「河南安陽市西高穴曹操高陵」
付録二 曹操高陵に関する中国人研究者の見解について
付録三 曹操高陵発見前後の経緯

曹操高陵の発掘経緯・発掘状況・出土物などについて紹介。漢代(前漢・後漢)陵墓との比較もある。付録一は、『考古』2010-8に掲載された発掘報告の翻訳。付録二は、『中国文物報』(2010年10月1日)に掲載された「曹操高陵考古発現専家座談会発言適要」をもとに、各研究者の見解の要点をまとめたもの。付録三は、『曹操墓真相』(科学出版社、2010年)掲載の発見経緯年表に加筆したもの。