2009年12月30日水曜日

曹操墓発見か

年末になって曹操墓(魏武王高陵)発見というニュースが飛び込んできましたね。
毎日新聞では小さいながらも一面にあげていました。
河南省文物局のホームページで詳細が紹介されています。
http://www.haww.gov.cn/html/20091227/153670.html

第一報を聞いて「本当かな?」と思った人は多いはずです。
かくいう私もそう思いました。
ただ、河南省文物局の情報によると、墓道と前室・後室と四つの側室があり、
墓道と墓室の合計の長さが60m近くもある相当大型の墓だそうです。
石牌には一抹の不安を感じますが、これだけの規模の墓となれば、
まぁ、間違いないような気がします。
ま、正式な報告書が出るまで、確実なことは言えませんが。

台湾の趙立新氏のブログ「 南國島夷:古代東亞與中國中古研究」では、
各種報道機関(中国・香港・日本・韓国・欧米)の記事とリンクしています。
さらに「高陵剖視圖」も掲載されています。

多分、万一、石牌が出なかったとしても、河南省文物局は、
曹操墓の可能性が高いとしたんじゃないですかね。
河北省磁県湾北朝墓が、文字資料がないにも関わらず、
規模や副葬品・文献の記載から北斉の文宣帝墓と
推定されている前例もありますし。
どっちに転ぶにせよ、報告書が楽しみです。

大阪大学歴史教育研究会39回例会

大阪大学歴史教育研究会・第39回例会
日時:2010年1月16日(土) 午後1時30分~5時30分
会場:大阪大学豊中キャンパス文法経本館2階大会議室

大阪大学歴史教育研究会・中央ユーラシア史部会報告
「中央ユーラシア史上の分水嶺―世界史教材のための時代区分と類型化の試み」

第1部 中央ユーラシア史の経糸と緯糸
向正樹「中央ユーラシアという世界―空間的考察・用語―」
伊藤一馬「中央ユーラシアにおける国家の形成と展開」

第2部 中央ユーラシアにおける国家の諸相
入野恵理子「4~6世紀 北魏」
旗手瞳「7~9世紀 吐蕃」
赤木崇敏「9~10世紀 敦煌王国」

『日本歴史』740号

『日本歴史』第740号(吉川弘文館、2010年1月)は、
「日本史研究とデータベース」という新年特集号。

分野別現況には、
小口雅史「日本古代史研究のためのオンラインデータベース」
田良島哲「中世研究資源としてのウェブデータベース」
江川式部「中国・台湾史に関するデータベース」
長森美信「朝鮮前近代史に関するデータベース」
荒木浩「ぞんざいな検索、丁寧な検索」
岡本真「日本史研究におけるインターネットの学術利用」などがある。
そのほかに「提供者の立場から」、「利用者の立場から」の項目もあり、
全体合計で、47人が各種データベースを紹介している。

工具書としてとても便利。
いつもならそんなにすぐには売れないはずなのに、
今回はあっという間に店頭からなくなってしまっていた。