2011年3月22日火曜日

時代の奔流と向かい合って生きた歴史家たち

『歴史評論』No.732(校倉書房、2011年4月)

特集は「時代の奔流と向かい合って生きた歴史家たち」
目次は以下の通り。
竹内光浩「久米邦武事件」
佐藤雄基「朝河貫一と比較封建制論 序説」
今井修「西岡虎之助と『新日本史叢書』」
久野修義「清水三男の学問」
高橋昌明「石母田正の一九五〇年代」
盛本昌広「網野善彦の転換」

取り上げられている人物に新味はないし、日本史研究者しかいないけれど、ちょうど永原慶二・鹿野政直編著『日本の歴史家』(日本評論社、1976年5月)を読んでいたので購入。佐藤氏が「文学者・文化人に比べたとき、歴史研究者の草稿・書簡などが保管・整理される環境が必ずしも整備されていない」というとおり、個人資料を用いた史学史研究というのは難しいが、それだけに面白そうな気もします。

今後は著名な研究者だけでなく、ちょっとマイナーな研究者も取り上げてほしいです。自分でやれと言われそうですが、例えば東洋史でいえば、小嶋茂稔「戦前期東洋史学史のための初歩的ノート―志田不動麿論のための前提」(『史海』54、2007年5月)みたいなのが必要な気がします。