2010年8月14日土曜日

誕生! 中国文明



東京国立博物館で開催中の「誕生! 中国文明」展に行ってきました。
中国・河南省で出土した文物を展示しているこの展覧会、
ポスターのひよこはさておき、なかなか見応えあります。


第一部は「王朝の誕生」
「夏」王朝から漢代までの文物を展示。
図版などによく登場する「夏」の動物紋飾板が最初の展示物。
その他、周の玉覆面やら、春秋・鄭の九鼎やら、前漢の金縷玉衣やら、
権力に関するもの(威信財の類)が多数展示してある。


第二部は「技の誕生」
「暮らし」・「飲食の器」・「アクセサリー」の三つのテーマ。
時代の変化の説明がないので、ちょっとわかりにくいかも。

第二部で一番面白かったのが、後漢の明器。
七層楼閣(番犬・荷物を運ぶ人付き)や水鳥・魚の遊ぶ池、
蝉のバーベキュー、動物の解体シーン(骨をしゃぶる犬付き)など、
当時の豪族の生活が浮かびあがる明器がずらり。

蝉なんかじゃなくて、もっといいもの明器にすればいいのに、
と思ったけれど、やっぱり再生の象徴たる蝉がよかったのだろうか。
それとも墓主が蝉好きだったのかな。

「アクセサリー」では、戦国時代のトンボ玉やら、
北朝時代の貴石金製指輪が興味深かった。


第三部は「美の誕生」
テーマは「神仙の世界」・「仏の世界」・「人と動物」・「書画の源流」の四つ。
後漢の青銅製(金メッキ)動物は、一角の麒麟が丸みがあっていい感じ。
後漢の胡人俑は猪木もびっくりのアゴ。
唐代になるとずいぶんリアルな感じで、造形がかなり異なる。
技術的な問題だけでなく、胡人の浸透具合が違ったからだろうなぁ。

「書画の源流」は、正直そんなにぱっとしないけど、
西晋の「徐義墓誌」、唐の「楊国忠進鋌」(銀板)あたりはじっくり拝見。
南北朝時代の彩色画像磚や、唐代の山水図瓶なんかは初めて見た。


今回の展覧会は、一級品ばかりがきている、
というわけではないのだけど、面白いものが結構きてます。
図録もなかなかいい感じ。

9月5日(日)まで東京国立博物館平成館で開催。