
東京国立博物館で開催中の「誕生! 中国文明」展に行ってきました。
中国・河南省で出土した文物を展示しているこの展覧会、
ポスターのひよこはさておき、なかなか見応えあります。
第一部は「王朝の誕生」
「夏」王朝から漢代までの文物を展示。
図版などによく登場する「夏」の動物紋飾板が最初の展示物。
その他、周の玉覆面やら、春秋・鄭の九鼎やら、前漢の金縷玉衣やら、
権力に関するもの(威信財の類)が多数展示してある。
第二部は「技の誕生」
「暮らし」・「飲食の器」・「アクセサリー」の三つのテーマ。
時代の変化の説明がないので、ちょっとわかりにくいかも。
第二部で一番面白かったのが、後漢の明器。
七層楼閣(番犬・荷物を運ぶ人付き)や水鳥・魚の遊ぶ池、
蝉のバーベキュー、動物の解体シーン(骨をしゃぶる犬付き)など、
当時の豪族の生活が浮かびあがる明器がずらり。
蝉なんかじゃなくて、もっといいもの明器にすればいいのに、
と思ったけれど、やっぱり再生の象徴たる蝉がよかったのだろうか。
それとも墓主が蝉好きだったのかな。
「アクセサリー」では、戦国時代のトンボ玉やら、
北朝時代の貴石金製指輪が興味深かった。
第三部は「美の誕生」
テーマは「神仙の世界」・「仏の世界」・「人と動物」・「書画の源流」の四つ。
後漢の青銅製(金メッキ)動物は、一角の麒麟が丸みがあっていい感じ。
後漢の胡人俑は猪木もびっくりのアゴ。
唐代になるとずいぶんリアルな感じで、造形がかなり異なる。
技術的な問題だけでなく、胡人の浸透具合が違ったからだろうなぁ。
「書画の源流」は、正直そんなにぱっとしないけど、
西晋の「徐義墓誌」、唐の「楊国忠進鋌」(銀板)あたりはじっくり拝見。
南北朝時代の彩色画像磚や、唐代の山水図瓶なんかは初めて見た。
今回の展覧会は、一級品ばかりがきている、
というわけではないのだけど、面白いものが結構きてます。
図録もなかなかいい感じ。
9月5日(日)まで東京国立博物館平成館で開催。