2009年10月16日金曜日

九州史学会大会東洋史部会

平成21年度九州史学会東洋史部会 
日程:12月13日(日)
場所:九州大学箱崎キャンパス法文系講義棟204番教室

9:00-11:30 
植松慎悟「漢帝国の統治構造と統治思想の展開―刺史・州牧の検討を中心として―」
小野裕子「博多周辺出土の墨書陶磁器について」
奥野新太郎「劉辰翁の評点と科挙」
白井康太「明末東南沿海の海商と海寇―泉州・漳州・潮州地域を中心に―」
福田愛子「南京国民政府期における言論の自由に関する一考察」

12:40-14:40 
安藤太郎「秦漢時代における郷里社会の変質と地方統治制度の推移―地方行政史上における武帝・昭帝期の再検討―」
佐藤賢「鮮卑拓跋氏の南下伝説と神獣」
箕浦永子「清代における宗族制度下の土地建物所有―蘇州洞庭東山王氏を中心として―」
土居智典「清末予備立憲時期における地方財政機関の改編」

15:00-16:30 
滝野正二郎「清代後期、四川省南部県における場市の設立と県衙門―『南部県档案』を材料として―」
益尾知佐子「中国「改革開放」の国際的契機」
川本芳昭「稲荷山古墳鉄剣銘文と漢・北魏・元の「内朝」」

史学会大会東洋史部会

史学会第107回大会東洋史部会
日時:2009年11月8日(日)午前9時~12時・午後1時~5時
会場:東京大学本郷キャンパス,法文1号館113番教室

水盛涼一「光緒年間初葉の税制改革」
小林亮介「清末の領域国家形成と「西康省」」
森川裕貴「五四前後における高一涵の思想形成」
渋谷由紀「「極東の真珠」の解体と戦後移民」
辻明日香「一四世紀エジプトにおけるコプト大迫害再考」
阿部尚史「一九世紀後半イラン西北地方有力者の二通の遺産目録」
【昼休】
石川博樹「北部エチオピアにおけるエンセーテ利用についての史的考察」
荒木圭子「第一次世界大戦後におけるアフリカ正教会の活動」
渡邉将智「政治空間よりみた後漢政治制度」
照内崇仁「後漢の私塾についての若干の考察」
北村一仁「仇池地区と仇池諸政権」
向 正樹「変貌する大食商人」
五味知子「明末清初の「姦通誣告」と江南社会」
角谷祐一「康煕朝後半期の「内務府商人」と中央行政」

東洋史研究会

東洋史研究会2009年度大会
日時:2009年11月3日(火),午前9時~
会場:京都大学文学部新館第3会議室(2階)
参加費:500円(資料・要旨代を含む)


[午前の部]
保科季子「秦漢時代における名数の移転」
橘  誠「一九一三年の露中宣言とモンゴルの政治的地位」
川合安「南朝の新興貴族」
岡村秀典「前漢鏡とその銘文」

[午後の部]
仁子寿晴「初期イスラーム哲学における二つの形而上学―哲学構築と発出論の論理構成―」
春田晴郎「アルシャク朝パルティア政治史上の諸問題」
小泉順子「シャム近代化論の再考―チャクリー改革期における対外関係史の視点から―」
臼井佐知子「中国清代社会における各構成体機能の地域比較―訴訟関係文書を資料として―」
小林善文「現代中国における陶行知教育思想の継承と展開」
森安孝夫「中央アジア出土古ウイグル手紙文書の書式研究・序説」

永青文庫に行く

神田川沿いで猫たちが日向ぼっこをしている中、
永青文庫の秋季展「黄庭堅・伏波神祠詩巻」に行ってきた。
ひとけもなく、ひっそりとした永青文庫。ゆっくり参観できた。
黄庭堅の伏波神祠詩巻がメイン。書道はよくわからないが、
のびやかで自由な書風は確かに面白い。高村光太郎の批評がまたいい。
所有印を見ると、明代のコレクター項元汴が20か所ほど印を押している。
それは押しすぎじゃないかなぁ。 

敦煌本『文選注』も展示していたので、じっくり観察。
他には三体石経の尚書部分の拓本や、
元・趙孟頫筆「漢汲黯伝」(『史記』巻120・汲黯伝)、
明・清の書、袁世凱の白玉印なども展示してあった。

図録はないが、『季刊 永青文庫』No.68が、特集号となっている。
見本を眺めていたら、堀江敏幸のエッセイ(「坂を見上げて」)が掲載されていた。
まさか永青文庫で堀江敏幸の文章に出会えるとは。速買い決定。他の記事もなかなかおもしろい。

ベトナム黎鄭政権の官僚機構

上田新也「ベトナム黎鄭政権の官僚機構―18世紀の鄭王府と差遣―」(『東洋学報』91-2、2009年9月)

18世紀のベトナム黎朝における権力二重構造(黎朝皇帝と鄭王)について分析。
黎朝前期の官僚体系を維持しつつ、鄭王府系組織が政治の実権を掌握。
黎朝系組織の形骸化が進行したのにともない、
黎朝の官職を帯びつつ、鄭王府へ差遣されるようになり、
黎朝の官職は散官化しつつあった。
しかし、王朝の正統性はあくまで黎朝に求められたため、
黎朝系官職は廃止されず、 差遣が活用され続けた。
「おわりに」では、黎鄭政権を日本の幕藩体制と比較する視座を提供している。
権力の二重構造は時代・地域が異なっても存在する問題であり、
とても興味深く、おおいに参考になった。

唐代詔勅文中の則天武后の評価について

金子修一「唐代詔勅文中の則天武后の評価について」(『東洋史研究』68-2、2009年9月)

唐代の詔勅中の歴代唐朝皇帝や則天武后の記述について検討。
中宗・睿宗朝までは、則天武后に対する皇帝の称号がなくなるものの、
武后に言及して、皇帝クラスとして扱い続けたが、
玄宗朝以降、武后に言及する詔勅は見られず、
則天武后の存在を否定する方向が明瞭となった。
儀礼・皇帝祭祀の実施に関わる詔勅・大赦文などを分析し、
唐朝の歴史意識や政治状況の解明に迫った論文。とても興味深く、参考になる。
官僚層の則天武后観にも変化はあったのだろうか。

三燕文化

飛鳥資料館では、今日10月16日より、
平成21年度秋期特別展「北方騎馬民族のかがやき 三燕文化の考古新発見」を開催。
日時:10月16日(金)~11月29日(日)*期間中無休
場所:飛鳥資料館 特別展示室時間:午前9時~午後4時半(入館は4時まで)
主催:奈良文化財研究所飛鳥資料館 遼寧省文物局後援:朝日新聞社
料金:一般260円(170円) 大学生130円(60円) 高校生以下無料 ( )は20名以上の団体

展示品:遼寧省出土三燕文化考古資料84点4C初頭から5C中葉まで
中国遼寧省西部を中心に勢力を誇った騎馬民族国家の3つの「燕」国の文化について、
日中共同研究の成果を紹介。
三燕文化考古資料やその影響を受けた日本の出土品もあわせて展示。

域外漢籍シンポジウム

文科省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」企画特別シンポジウム    
東アジア漢籍交流シンポジウム in 京都―「域外漢籍」の研究価値を考える― 
主 催:文部科学省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」文化交流部門調整班&「日本における中国古典文学の伝播とその展開に関する研究」班

日時:2009年11月14日(土曜日) 9:30開場 参加費無料
場所:同志社女子大学「寒梅館」6階大会議室

〈第1部 「域外漢籍研究」の定義とその成果〉
10:00~10:20 張伯偉(南京大学〔域外漢籍研究所長〕):「作為方法的漢文化圏」
10:20~10:40 金 程宇(南京大学):「海印寺雑板本『唐賢詩範』初探」

〈第2部 日本から見た域外漢籍研究〉
11:00~11:20 蔡 毅(南山大学):「補遺輯佚、索隠鈎沈―東亜漢籍研究的「互補」意義」
11:20~11:30 陳 チュウ[羽中](九州大学専門研究員):「『集注文選』の成立過程について」
13:00~13:20 副島 一郎(同志社大学):「中国文章論の受容と和文規範意識の形成」
13:20~13:40 陳捷(国文学研究資料館):「羅振玉所介紹的日本漢籍与其研究」

〈第3部 中国古代文学研究と域外漢籍〉
14:00~14:20 張健(香港中山大学):「日本詩文評類漢籍与中国文学批評研究」
14:20~14:40 胡 可先(浙江大学):「新出土唐代詩人墓誌研究」
14:40~15:00 王 水照(復旦大学):「中国宋代文学研究的現状与展望」

〈第4部 総合討論〉15:20~17:00 
司会 静永 健(九州大学)
報告言語:漢語、または日本語。
参加申し込み:10月31日(土)までに、下記の事務局に葉書でご連絡下さい。 
※閉会後、懇親会も予定しています(有料)
シンポジウム準備局(参加申し込み先)
〒812-8581 九州大学文学部中国文学研究室「域外漢籍シンポジウム」事務局宛

古典籍展観大入札会

平成21年度古典籍展観大入札会。
一般展観は、11月13日(金)10:00~18:00、11月14日(土)10:00~16:30。
会場は東京古書会館。

出品目録抄より漢籍・経典などを抜き出すと以下の通り。
●論語義疏十巻 梁・皇侃疏 室町末期写…五冊
●光明皇后御願経 中阿含経巻第十一 天平十二年五月一日記…一巻
●二月堂焼経 天平時代写…一幅
●絵因果経切 平安初期 報恩院本系 経文八行 彩色画入…一紙
●薬師寺魚養経 大般若波羅密多経巻第五百七十四 奈良時代写…一巻
●大般若波羅密多経巻第四百三 足利尊氏願経…一帖
●胎蔵界金剛界 灌頂作法次第 平安時代頼豪、安元二年明雲筆…二冊一巻
●奈良絵巻二十四孝 江戸前期写 金泥彩色…二巻
●武仙 中国歴代名将画巻 三十六名将図 極彩色絵巻…一巻
●韻府群玉 南北朝頃刊 五山版 三井家旧蔵…十冊
●直江版 文選 慶長十二年刊 古活字版 高木文庫・安田文庫旧蔵…三一冊
●百万塔並自心院陀羅尼 天平神護 景雲頃製…一基一巻
●二十四孝関係コレクション 寛永頃版二十四孝、対類二十四孝等約三十種…一括
●宝篋印陀羅尼経 宋太祖開宝八年刊 重要美術品認定…一巻
●広韻第一巻 元版 零巻…一冊
●宣和書画譜 嘉靖十九年序刊 宝玲文庫旧蔵…八冊
●山海経釈義 万暦四十七年跋刊 図七十五葉…八冊
●鄭道昭全碑 銀山荘旧蔵…六帖

杏雨書屋展示会

杏雨書屋では、来月より第53回特別展示会
「和漢の本草書―中世以前の写本と刊本―」を開催。
会期は、2009年11月9日(月)~11月13日(金)の午前10時~午後4時
11月14日(土)は午前10時~午後5時。
会場は、武田科学振興財団 杏雨書屋,2階展示室。

主な展示品は以下の通り。
龍谷大学図書館所蔵敦煌本『本草集注』
杏雨書屋所蔵敦煌秘笈『新修本草』
弘治本『本草品彙精要』など。


関係講演会:杏雨書屋第24回研究講演会
日時:2009年11月14日(土),午後1時~3時
会場:大阪リーガロイヤルホテル,2階「山楽の間」

岩本篤志(新潟大学)「敦煌と『新修本草』―なぜそこにあったのか―」
上山大峻(龍谷大学名誉教授)「敦煌本『本草集注』について」

申込み:電話,ファックス,葉書,Eメールなどで,以下に(11月12日まで)
電話:06-6300-6815 ファックス:06-6300-6034
葉書:532-8686大阪市淀川区十三本町2-17-85,武田科学振興財団 杏雨書屋