2010年5月20日木曜日

ハングルの誕生

野間秀樹『ハングルの誕生―音から文字を創る』(平凡社新書、2010年5月)

全9章(序章・1~8章・終章)構成で、
前4章がハングル前史・ハングルの構造、
後4章がハングル(正音)の誕生から現在までの歴史を扱っている。
「はじめに」で、言語・文字自体について考えることを避けたい人は、
序章・第1章から第4章に飛んでも構わない、
と述べているが、その読み方はものすごくもったいない。

第2章で、漢字の構造、訓読の構造などを語った後、
第3章で、20世紀言語学を先取りしているハングル(正音)の仕組みについて、
詳細に論じ、「〈正音〉は音韻論、音節構造論、形態音韻論の三層構造である」
と述べている。この第3章こそが本書の核で、一番熱入っていて面白い。
言語学の知識がないため、ついていけないかな、と最初は思ったのですが、
全くそんなことはなく、十分楽しめました。

第4章のハングル(正音)の誕生は、ちょっとあっさりしているけど、
第5章では、ハングル(正音)は近代以前あまり使われていなかった、
というイメージを見事に打ち破ってくれます。

新書としては、368頁(本文319頁・索引・年表などが48頁)と
ちょっと大部ですが、読みごたえあります。

第14回六朝学術学会大会

第14回六朝学術学会大会
日時:2010年6月13日(日)12時40分~17時40分
会場:斯文会館講堂(湯島聖堂内)
大会参加費:1,000円、写真代:1,000円(希望者のみ)
懇親会費:6,000円(希望者のみ)

研究発表 12:50~15:45(各発表20分、質疑10分)
三田辰彦「東晋の「皇太妃」号議論とその展開」
北島大悟「沈約の隠逸観と文学」
佐野誠子「初唐期九月九日詩における陶淵明の影響」 
小林聡「唐朝六大服飾体系の成立過程─六朝隋唐における礼制の変容と他文化受容─」
福山泰男「徐淑小考―文学テクスト上の性差をめぐって─」

記念講演 16:00~17:00
堀池信夫「<可道>と<常道>-『老子』第一章の読みをめぐって」

第26回学習院大学史学会大会

第26回学習院大学史学会大会
日程:2010年6月12日(土) 
会場:学習院大学百周年記念会館

研究発表  *中国史関係のみあげます
第一会場:3階第1会議室           
14:10~15:10 矢沢忠之「前漢における保塞蛮夷と辺境防衛」
第二会場:3階第3会議室
13:00~14:00 村松弘一「碑林から博物館へ―近代西安における文物保護事業の展開」

講演:小講堂 
15:30~16:30 鐘江宏之「 「日本の7世紀史」再考―遣隋使から大宝律令まで―」
16:45~17:45 石見清裕 「唐の貢献制と国信物―遣唐使への回賜品―」