2009年12月28日月曜日

中世の書物と学問

小川剛生『中世の書物と学問』(山川出版社、2009年12月)

山川出版社の日本史リブレット78。
書写・校勘、読書、蒐書、引用・利用、註釈書などのテーマから、
中世の日本の人々が、どのように書物を利用していたか、
当時の学問とはどのようなものかを平易にまとめている。

日本中世における中国の書物・学問の受容については、
「「東アジア世界」という見取り図を持ち出して」終わりとするのではなく、
「受容した側が何をどのように消化した結果、
いかなる果実が稔ったかを具体的に追跡するべきである」と述べている。
以前読んだ水口幹記『日本古代漢籍受容の史的研究』(2005年9月)の序章と
ある意味共通の問題意識を感じた。