2013年10月24日木曜日

交響する古代Ⅳ

国際学術研究会:交響する古代Ⅳ
日程:2013年10月31日(木)〜11月2日(土)
場所:明治大学 グローバルフロント 1F 「グローバルホール」

10月31日・テーマ:東アジアの史的環境と列島
11:00~ 基調講演:吉村武彦「列島の文明化と日本古代学」
13:00~ 
徐建新「集安高句麗碑について」
黄暁芬「漢代辺境における郡県都市の探求」
小笠原好彦「古墳時代の形象埴輪の出現と中国の明器・俑」
朴天秀「最近韓国発見新資料が提起する諸問題」
石川日出志「弥生時代文化の時空的変異」

11月1日・テーマ:列島の文明化と律令制国家
神野志隆光「語られた「古代」−『日本書紀』とその意義」
黄正建「『天聖令』中の宋令と『養老令』の唐令への改訂の比較」
金在弘「新羅銘文土器の分布と変化」
ファム・レ・フィ「安南都護府城郭の研究−阿倍仲麻呂の任所をさぐって−」
R. Wittkamp「万葉集における文字遊び−風景と記憶」
湯淺幸代「湯浅兼道筆『源氏物語聞録』について」

11月2日・テーマ:貴族社会と文芸
山口直美「本牟智和気御子説話の考察−「鵠の声を聞く」表現を中心に−」
坂口彩夏「称制の一考察−天皇空位時にみえる詔勅と持統天皇の称制−」
五十嵐基善「律令制下における弩師の設置意義について」
宋好彬「漢文学研究初期における韓国(朝鮮)式変格漢文の認識について」
Aldo Tollini「古代日本における中国文化の受容:『万葉集』の表記を中心にして」
鄭雨峰「『丙子日記』と『蜻蛉日記』の比較文学的考察」
沈慶昊「新羅崔致遠の四山碑銘に関する一考察」
李相雨「ファシズム時代の歴史演劇」
牧野淳司「古代における歴史語りと物語」
加藤友康「平安貴族社会における漢籍の受容−摂関期における漢籍の所蔵と流通・利用を中心に−」

道教と東アジア交流史研究の新展開

道教と東アジア交流史研究の新展開
日時:2013年10月27日(日)13:00~18:00
場所:中央大学駿河台記念館570室(5階)

プログラム
〔講演1〕 13:00-14:00
土屋昌明「中国の洞天信仰と日本の山岳信仰の初歩的比較」
〔講演2〕 14:00-15:50
雷聞「宮廷と山林のあいだ-中晩唐道教史上の劉玄靖-(宮廷与山林之間:中晚唐道教史上的劉玄靖)」
休息 15:50-16:10
〔講演3〕 16:10-18:00
拜根興「入唐高麗移民墓誌とその史料価値(入唐高麗移民墓誌及其史料価値)」

2013年10月6日日曜日

2013年度内陸アジア史学会大会

2013年度 内陸アジア史学会大会
日程:2013年11月2日(土)
場所:龍谷大学大宮校舎清和館3階大ホール

13:00~17:10
公開講演(13:00~15:05)
大澤孝「ンゴル高原における新たな突厥碑文の発見とその意義について―近年におけるモンゴル・日本共同調査プロジェクトの最新成果を中心に―」
承志「マンジュ語「吉林九河図」と国境碑」

研究発表(15:15~17:10)
山本明志「モンゴル時代の中央チベットにおける軍隊と俗官」
塩谷哲史「ハン、企業家、帝国―ラウザーン運河をめぐるロシア=ヒヴァ・ハン国関係の変遷 一八七三‐一九一七年――」 
 

                                                    

2013年10月3日木曜日

日本中国学会第2回次世代シンポジウム

日本中国学会第2回次世代シンポジウム
日時:2013年10月14日(月・祝)9時~12時
会場: 秋田大学教育文化学部2階、3-255教室

テーマ「中国学におけるテキストの諸問題」
谷口洋「高唐台の雲と夢―古代文学にとってテキストとは何か」
末永高康「戦国・秦・漢期の新出土資料から」
朱琳「近代日本知識人にとっての「支那語」の多重的意味―雑誌『中国文学月報』(『中国文学』)を中心に―」
佐々木聡「術数文献をめぐるテキスト問題―天文五行占書を中心に」
上原究一「商業出版に関わるテキストの問題―章回小説を例に」
竹越孝「中国語史研究におけるテキストの問題」

若手研究者問題を考える

九州歴史科学研究会2013年10月例会
日時:2013年10月12日(土)14時~17時30分ごろ
会場:西南学院大学学術研究所第3会議室 テーマ :若手研究者問題を考える

Ⅰ.報告
藤田祐「西洋史若手研究者問題をめぐる論点??ワーキンググループの活動から」
崎山直樹「西洋史は衰退するのか? ―アンケート調査と2013年度科研費実績を中心に―」
Ⅱ.討論テーブル
古城真由美「九州の西洋史・女性研究者の立場から」
戸川貴行「東洋史の立場から」
石畑匡基「日本史の立場から」
Ⅲ.全体討論

2013年10月1日火曜日

日本漢籍集散の文化史的研究

日本漢籍集散の文化史的研究合同成果報告会
日時:2013年12月7日(土) 13:30-17:00
 会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室


プログラム
[第1部 講演]
小森正明「宮内庁書陵部図書寮文庫と漢籍の伝来」
 [第2部 調査報告]
佐藤道生「金澤文庫本『春秋経伝集解』、奥書の再検討」
髙橋智「種徳堂本『春秋経伝集解』について」
大木康「漢籍の「巻」と「冊」再考:宋刊本『通典』をめぐって」
上原究一「宋刊本『東都事略』現存諸本の関係について」
島田翔太「 『誠斎集』巻132の錯丁について」
[第3部 事業報告]
デジタルアーカイブ「宮内庁書陵部収蔵漢籍集覧」の構築
システム担当:NPOデジタルヘリテージデザイン
岡嶋隆佑

2013年9月30日月曜日

2013年度東北史学会大会

2013年度東北史学会大会
日時:2013年10月12日・13日
場所:仙台市博物館ホール(12日)・東北大学大学院文学研究科(13日)

10月12日 公開講演 13:30~
岡洋樹「清代外藩考―北アジア遊牧民史におけるその歴史的文脈」
榎森進「日露和親条約がカラフト島を雑居地としたとする説は正しいか?」

10月13日 研究発表 東洋史部会337教室
渡邉英幸「里耶秦簡「更名扁書」試釈」
中本圭亮「後漢順帝期再考」
川合安「南朝の士庶区別について」
水盛涼一「清朝後期の君臣関係―吏部尚書徐桐の皇帝謁見記載を中心に」


2013年度佛教史学会学術大会

2013年度佛教史学会学術大会
日時:2013年11月16日(土) 午前10:00より
会場:龍谷大学大宮学舎

研究発表
【日本部会】
10:00~10:40 大艸啓「造東大寺司における官人社会-「阿弥陀悔過知識交名」に見る-」
10:40~11:20 伊藤茂樹「中世浄土教と東アジア-法然・重源から-」
11:20~12:00 辻岡健志「廃仏毀釈と真宗をめぐる政治史」

【東洋部会】
10:00~10:40 岡田英作「『大乗荘厳経論』における種姓説 -『瑜伽師地論』における種姓説の受容をめぐって-」
10:40~11:20 宮嶋純子「隋唐期の佛教学者によるインド・西域地理認識の再構築-道宣『釈迦方志』を中心に-」
11:20~12:00 大西磨希子「奈良国立博物館所蔵刺繍釈迦如来説法図の主題について」

【合同部会】
13:00~13:40 森新之介「法然房源空の道心論とその位置付け」
13:40~14:20 齋藤智寛「『楞伽師資記』に見える実践と思想」
14:20~15:00 宇治和貴「親鸞の仏教史観」

【特別講演】(15:10〜16:40/清和館3階ホール)
宮治昭「仏像を読み解く-ガンダーラから中国へ-」

第64回日本道教学会大会

第64回日本道教学会大会
日時:2013年11月9日(土)
場所:早稲田大学小野記念講堂

午前の部10:00~11:45
研究発表
冨田絵美「後漢から劉宋における「黄老」概念の展開」
室山留美子「北魏における上谷寇氏の氏族的位置について」
志賀市子「近代嶺南地域の地方道教空間―拡大するネットワークと新しい道教コミュニティの生成」

午後の部13:00~15:45
講演
劉迅「清初から民国初期(1600年代~1940年代)における南陽の全真教と地域社会」
研究発表
高橋文治「宋金元墓の墓内に見る伎楽と祭祀」
山田俊「北宋に於ける『陰符経』の受容について」

2013年9月9日月曜日

日中韓女性史国際シンポジウム

日中韓女性史国際シンポジウム―女性史・ジェンダー史からみる東アジアの歴史像―
日時:2013年11月16日(土)・17日(日)
会場:青山学院大学・青山キャンパス17号館  
3F 17301(特別プログラム)、4F 17411(シンポジウム)
参加費2000円(学生・修士1500円)
同時通訳および翻訳原稿集(日・中・韓・英)あり。
会場の都合により申込制。
お申し込み・お問い合わせは総合女性史学会まで。

≪スケジュール≫
11月16日(土)
11:00~12:00 特別プログラム3F 17301
キャサリン・宇野「南アジア・東南アジアの女性史と東アジア女性史の比較」

 シンポジウム 4F 17411(会議場)
13:00~13:15 主催者あいさつ
13:15~13:45 記念講演:宋連玉
13:45~17:15 セッション1(5~9世紀)女帝・女王・女性権力者の存在形態と国家
姜英卿 カン ヨンギョン「善徳女王(632-647)の即位背景と統治性格」
李貞徳 リー ジェンドー 「女主の世界 ― 6世紀・比丘尼の生涯から」
義江明子「日本古代の女帝と社会 ― 転換期としての8世紀を中心に」
・18:00~ レセプション・パーティー(参加費3500円)

11月17日(日)
9:00~12:30 セッション2(10~18世紀)家と婚姻、相続
五味知子 「中国「近世」の女性と家」
豊島悠果 「高麗・朝鮮時代の婚姻と相続 ― 朝鮮後期の変化を中心に」
久留島典子 「日本中世後期の婚姻と家」
12:30~13:30 昼食  ※昼食時に映像上映あり(「東アジアを”移動”する原節子」)
13:30~17:00 セッション3(19~20世紀)移動と労働
池川玲子 「『満洲』農業移民におけるジェンダー ―政策・実態・メデイア」
奇桂亨 キ ゲヒョン 「ジェンダーからみた中央アジアへのコリアン移住―行為者としての女性の経験と歴史的記憶」               
金一虹 ジン イーホン 「南洋の移民―中華民国期東南アジアへの中国女性移住労働者」
・17:00~17:10 閉会の辞

2013年9月2日月曜日

関羽シンポジウム

三国志学会シンポジウム
日時:2013年9月21日(土)
場所:二松学舎大学 九段校舎1号館地下 中洲記念講堂
 
関羽シンポジウム―思想・宗教と文学(13:00~17:30)
仙石知子「毛宗崗本『三国志演義』における「関公秉燭達旦」について」
伊藤晋太郎「「関帝聖蹟図」と『三国志演義』」
二階堂善弘「元帥神としての関羽」
小島毅「関羽と春秋学」

北魏石造仏教彫刻の展開

特別展 北魏石造仏教彫刻の展開
会期:9月7日(土)~10月20日(日)
*休館日:9月9日(月)、17日(火)、24(火)、30(月)、10月7日(月)、15日(火)
開館時間:09:30-17:00(入館は16:30まで)
会場:大阪市立美術館
 料金:一般 1,300/高大生 1,100円/中学生以下 無料 *20名以上団体割引あり
 
[関連イベント]
特別講演会 「中国古代寺院に迫る」

日時:9月21日(土) 13:30-15:00
朱岩石「河北鄴城彭城仏寺と北呉荘仏像埋蔵坑の発掘」

李裕群「山西童子寺遺址の発掘」
常一民「太原市西山龍泉寺唐代仏塔基址・地宮の発掘と出土舎利荘厳具」
定員:150名(先着順。当日13時より整理券を配布)
参加費:無料(特別展の観覧券が必要)


講演会
日時:10月5日(土) 13:30-15:00
八木春生「北魏仏教造像概論-雲岡石窟を中心に-」
定員:150名(先着順。当日13時より整理券を配布)
参加費:無料(特別展の観覧券が必要)

講演会
日時:10月12日(土) 13:30-15:00
齋藤龍一 「北魏石造彫刻の地方性」
定員:150名(先着順。当日13時より整理券を配布)
参加費:無料(特別展の観覧券が必要)


この展覧会は、是非行きたい。

国際シンポジウム「歴史のなかの都城の作用」

魏晋南北朝史国際シンポジウム「歴史のなかの都城の作用」
日時:2013年9月15日(日) 10時~16時30分
場所:東京大学本郷キャンパス 法文2号館一番大教室

プログラム
10:00~10:30 大会趣旨説明 中村圭爾「魏晋南北朝都城研究の可能性」
10:30~11:40 胡阿祥「南京城市的特質与南京歴史地図集的編纂」
11:40~12:50 魏斌 「鍾山与建康東郊―一个中古都城郊外的発展」
12:50~13:40 休憩
13:40~14:50 小尾孝夫 「建康「都城圏」社会の形成と流民」
14:50~15:30 質疑応答・自由討論
15:30~16:20 総括 安田二郎

魏晋南北朝史研究会13回大会

魏晋南北朝史研究会 第13回大会       
日時:2013年9月14日(土)13時~
会場:日本女子大学目白キャンパス 新泉山館大会議室

プログラム
13:00 開会挨拶 葭森健介
13:05~13:15 趣旨説明 町田隆吉
13:15~14:30 榎本あゆち「劉孝標をめぐる人々―南朝政治史上の平原劉氏―」
コメンテーター 佐川英治
14:30~14:45 休憩
14:45~16:00 小林聡「魏晋南北朝時代における礼制研究のあり方―儀礼・輿服・官爵体系、及び民族融合を主たる題材として―」
コメンテーター 金子修一
16:00~16:10 休憩
16:10~16:35 学会報告など
      
16:35~16:45 休憩
16:45~17:30 総会

2013年7月24日水曜日

第8回三国志学会

第8回三国志学会大会
日時:2013年9月14日(土)
会場:龍谷大学 大宮学舎東コウ103教室
参加費:500円(会員無料)

プログラム
報告 (10:10~15:45)
川手翔生「士燮像の形成過程―ベトナムにおける「士王」評価をめぐって―」
後藤裕也「「搶古城」故事について」
渡邉将智「後漢における「内朝官」の解体と九卿の再編」
渡邉義浩「鄭玄の経学と西高穴一号墓」

講演 (16:00~17:30)
池田秀三「王肅の学問」

2013年7月17日水曜日

シンポジウム“対敵と仏法”

シンポジウム“対敵と仏法”
日時:2013年9月28日(土)13:00~17:30
場所:早稲田大学 小野記念講堂

プログラム
13:00~13:10  趣旨説明 新川 登亀男
13:10~13:50 大島 幸代「退敵の毘沙門天像と土地の霊験説話―唐後半期における像への眼差しの変遷―」
13:50~14:30 三上 喜孝「古代の境界世界における対敵と仏法」
14:30~15:10 長坂 一郎「羽黒権現・軍荼利明王の成立について―行者守護から異敵調伏へ―」
15:20~16:00 黒田 智「勝軍地蔵の八〇〇年」
16:00~16:40 長岡 龍作「「対敵」の精神と仏像の役割―古代日本の事例に着目して―」
16:50~17:30  総合討論  司会 肥田 路美

2013年7月10日水曜日

術数学と宗教文化

術数学国際ワークショップ「術数学と宗教文化」
日程:2013年7月20日(土)・21日(日)
場所:京都大学人文科学研究所分館大会議室

プログラム
20 日(土)10:00~18:00
<午後の部> 14:00~18:00 術数学ワークショップ
前原あやの「中国における星座分類の変遷」
田中良明「敦煌文書と『乙巳占』 」
大野裕司「術数の歴史的変遷に関する考察―新出土資料・敦煌遺書・伝世文献を用いて―」
武田時昌「京氏易の数理とその展開」

21 日(日) 10:00~17:30
<午前の部> 10:00~12:00 術数学ワークショップ
佐々木聡「祥瑞災異思想の中世以降の展開について」
清水洋子「清末民初の「心理学」における夢と占夢初探 」

<午後の部> 14:00~18:00 術数学国際シンポジウム2013
 テーマ「科学史、思想史から見た東アジアの宗教文化」
基調報告:武田時昌
招待講演
土屋昌明「洞天福地の現状と思想史的考察」
三浦國雄「宗教と科学―姜生・湯偉侠主編『中国道教科学技術史』に寄せて―」
姜生「科学と道教文化」(仮)

2013年7月9日火曜日

「忍者」からみた日本と中国

「忍者」からみた日本と中国―交流の歴史と未来
日程:2013年9月6日(金)・7日(土)
会場:ハイトピア伊賀3階 上野商工会議所コミュニティー情報プラザホール

プログラム
9月6日(金) 13:00-17:00
session1 忍者の原像と変容―日本・中国との影響関係
崔世广「『忍者』を通してみた日中文化交流」
片倉望「『孫子』と『万川集海』とを比較して」
川上仁一「中国の『間諜』と日本の『忍者』」

session2 「忍者」像の形成と現代文化
関立丹「忍者文学と中国」
秦剛「中国の娯楽・メディアの中の『忍者』」
唐永亮「現代中国における『忍者』文化の伝播と受容」

9月7日(土)10:00-15:00
session3 「忍者」像の展開と交流の可能性―クロスカルチュラルの若者文化
忍者について、上野高校生と三重大学留学生が語り合う
上野高校生×三重大学留学生  司会 藤本久司(三重大学人文学部准教授)
上野高校ギターマンドリン部による演奏

[特別企画] 忍者体験講座―忍者の技を知る
会場:ハイトピア伊賀5階多目的大研修室

2013年7月7日日曜日

内藤湖南とアジア認識

山田智・黒川みどり共編『内藤湖南とアジア認識―日本近代思想史からみる』(勉誠出版、2013年5月)

これまで主に中国史研究者によって行われてきた内藤湖南批判と反批判の限界を指摘し、日本近代思想史の文脈から、内藤湖南を読み解こうとする試み。

目次は以下の通り。
第一部 内藤史学の形成
黒川みどり「文明中心移動説の形成」
田澤晴子「内藤湖南における二つの「近代」と「政治」」
小嶋茂稔「近代日本における「東洋史」の形成と湖南の中国史」
山田智「内藤湖南の朝鮮観と「東洋史」―アジア認識の構造化のため」

第二部 内藤神話への問い
與那覇潤「史学の黙示録―『新支那論』ノート」
小嶋茂稔「戦前期東洋史学における湖南学説の受容をめぐって」
姜海守「朝鮮をぬきにして「支那(学)」は語れるか―内藤湖南の「日本文化史」叙述にみられる朝鮮認識をめぐって」

松本三之介「国家と社会をめぐる思想史的素描」


読みごたえある論稿が並んでいる。
増淵龍夫・フォーゲル・子安宣邦に続く内藤湖南研究の必読書。
従来から悪評高い「文明中心移動説」以外にも、
内藤湖南の時代区分論(宋代以降近世説)についても鋭いメスを入れている。
また、全集未収録文章をもとに、これまで等閑視されてきた
内藤湖南の朝鮮観についても論じている。

なかでも最もおもしろかったのが、
「戦前期東洋史学における湖南学説の受容をめぐって」。
内藤湖南の学説の受容状況を分析し、
戦前期東洋史学界における内藤湖南の位置を浮き彫りにする試み。
戦前の東洋史研究者(特に東京の若手研究者)に
内藤湖南の学説がさして影響を与えておらず、
戦後の講義録の出版と、戦後中国史学の諸論争の中で、
権威性を持つにいたったとする。ぜひ続編を書いてほしい。

シンポジウム『遊仙窟』の注釈と受容

第9回「若手研究者支援プログラム 注釈と受容―『遊仙窟』を中心として―」
日程:2013年8月24日(土)~8月26日(月)
会場:24日:奈良県立万葉文化館
   25~26日:奈良女子大学(文学系北棟202教室)

第1部日中比較文学研究フォーラム 公開講演会
8月24日(土)14時~16時(於奈良県立万葉文化館受付13時~)(無料)
 金程宇「中国に於ける『遊仙窟』研究の回顧と展望」(日本語) 

シンポジウム『遊仙窟』の注釈と受容(無料)
8月25日(日)10時~17時(於奈良女子大学北棟202教室)
 衣川賢次 中国文学―遊仙窟注 
 尾山慎 国語学―訓点語 
 奥村和美 上代文学―萬葉集 
 新間一美 中古文学―源氏物語 
 森田貴之 中世文学―太平記 
 青木稔弥 近世・近代文学―幸田露伴 
 コメンテーター 金程宇
 コーディネーター 奥村和美

第2部
若手比較文学研究発表会若手研究者による比較文学研究の発表(無料)
 8月26日(月)10時~16時(於奈良女子大学北棟202教室)
〈午前〉
 崔静仁「『今昔物語集』巻十二と『三国遺事』「塔像」の造塔譚をめぐって」
王秀梅「和語「けぶり」の表現について―漢詩文の「煙」との関わりに着目して―」
 〈午後〉
 白渓「酒呑童子説話の成立について―大陸要素の取り入れを中心に―」
梅田千佳「源氏物語古注釈における遊仙窟」
 的場美帆「近世期における『遊仙窟』の利用―『南総里見八犬伝』を中心に―」

第7回中国中古史青年学者国際会議

第7回中国中古史青年学者国際会議
日時:2013年8月24日(土)・25日(日) 
場所:中央大学多摩キャンパス3115教室
8月24日(土)
10:00~10:20 開会式
10:20~12:00 個別報告(漢晋) 司会:阿部幸信
胡川安「漢代墓葬的画像資料与地方認同:以四川為中心的討論」
コメント:津田資久・薛夢瀟
飯田祥子「王莽の戦争」
コメント:古怡青・陳侃理

13:30~15:10 個別報告(史学史) 司会:顧江龍
徐沖「〈続漢書・百官志〉復原研究」
コメント:阿部幸信・林佩瑩
聶溦萌「書目分類法発展視野下的“正史”的形成」
コメント:安部聡一郎・林欣儀

15:30~18:00 個別報告(南朝) 司会:趙立新
小尾孝夫「劉裕の義煕土断―『宋書』『南斉書』に散見する「軍郡」の検討から―」
コメント:趙立新・孫正軍
蔡宗憲「5-10世紀的摂山与仏教」
コメント:鄭在均・陳昊
梁鎮誠「対南朝“詔”的考察」
コメント:朱溢・三田辰彦


8月25日(日)
10:00~12:30 個別報告(北朝) 司会:蔡宗憲
常彧「〈隴上為陳安歌〉与十六国北朝的騎士:中古時期的戦争技術与軍人審美」
コメント:戸川貴行・蔡長廷
曾名郁「北周、北斉粟特人的発展異化与治粟模式的分歧」
コメント:前島佳孝・張栄強
山下将司「北朝末唐初間のソグド人軍府と軍団――ソグド人漢文墓誌より」
コメント:林静薇・凌文超

13:40~15:20 個別報告(唐宋) 司会:張栄強
游自勇「唐代墓田争議――従李蠙〈請贖廃善権寺重建奏状〉談起」
コメント:海野洋平・裴允暻
許凱翔「試論唐宋時期成都大聖慈寺的蠶市与薬市」
コメント:岩本篤志・崔宰栄

15:40~17:40 総合討論「政治史の可能性」 司会:佐川英治
○基調報告1:孟彦弘
○基調報告2:陳識仁
○基調報告3:松下憲一
コメント:蘇鉉淑

17:40~18:00 閉会式

参加費:1,000円(2日分)
当日の議事進行・報告・コメントは中国語。質疑・討論は通訳あり。

2013年6月1日土曜日

歴史学のアクチュアリティ

歴史学研究会編『歴史学のアクチュアリティ』(東京大学出版会、2013年5月)

昨年12月15日に開催された歴史学研究会創立80周年シンポジウムの書籍化。「アクチュアリティ」は、辞書的には「現実(性)・実在、事実・写実性」といった意味だが、帯に「現代の課題にいかに応えるか」とあるように、本書中では「現在的問題へのコミットメントの問題」といった感じでとらえられている。

目次は以下の通り。
第Ⅰ部:歴史学のアクチュアリティ―創立八〇年シンポジウムから
岸本美緒「中国史研究におけるアクチュアリティとリアリティ」
長谷川貴彦「現代歴史学の挑戦―イギリスの経験」
安田常雄「方法としての同時代史」
村井章介「<境界>を考える」
栗田禎子「現代史とは何か」
浅田進史「歴史学のアクチュアリティと向き合う」
藤野裕子「歴史学をめぐる承認―隔離―忘却―ジェンダー史を事例として」
松沢裕作「歴史学のアクチュアリティに関する一つの暫定的立場」

第Ⅱ部:討議 歴史学のアクチュアリティ
討議1「社会史研究と現代歴史学」
討議2「社会主義圏の崩壊・ポスト冷戦と現代歴史学」
討議3「新自由主義時代と歴史学の将来」


シンポジウムには行けなかったけど、本になったら購入しようとおもっていた企画。期待にたがわず面白かった。若手研究者問題(浅田論文)・ジェンダー史(藤野論文)も取り上げられている。
まえがきと松沢論文で指摘されているように、「アクチュアリティ」のとらえ方をめぐって、岸本論文と栗田論文では大きく異なっている。どの立場をとるかは、人それぞれだろうが、僕自身は岸本論文・松沢論文に共感した。

歴史学のアクチュアリティを考えるためには、60年代の学生運動、安保闘争、1950年代の国民的歴史学運動、戦前の平泉澄、「満蒙史研究」などなど、様々な立場で「現在的問題」に正面から取り組んでき過去の歴史学・歴史家との比較が欠かせないように思えた。

2013年5月28日火曜日

2013年春期東洋学講座

2013年春期東洋学講座―「東洋文庫と本の世界Ⅲ」―
会場:東洋文庫 2階講演室

6月17日(月)16:00~18:00
坪井祐司「ラッフルズと海の東南アジアの"近代"」
6月28日(金)16:00~18:00
清水信行「軒瓦文様の伝播―唐から東へ―」
7月4日(木)16:00~18:00
吉田光男「最近の韓流歴史ドラマと韓国の歴史認識 ―史料と史実のあいだ―」

2013年5月13日月曜日

西洋史若手研究者問題アンケート調査報告会

西洋史若手研究者問題アンケート調査報告会
日時:2013年5月12日(日) 17:30~18:45
会場:京都大学文学部 新館第7講義室

気づいたのは今日。
このような報告会があったとは知らなかった・・・・・・。
https://sites.google.com/site/futurehistoriansjp2012/information
アンケート調査の中間報告については、
https://sites.google.com/site/futurehistoriansjp2012/
で公開されている。

2013年5月7日火曜日

第62回東北中国学会大会

第62回東北中国学会大会
日程:2013年5月25日(土)・26日(日)
場所:25日会場 岩手大学総合教育研究棟2階北桐ホール
 26日会場 ホテル森の風鶯宿

5月25日 13:00~16:30
研究発表会
三浦秀一「人法兼任の微意―明代中期後半の科挙と督学、および思想史」
深沢秀男「変法運動と楊深秀」
公開講演
王中忱「二十世紀初期中国の『文学革命』と『美術革命』における視覚モデルの変容」

5月26日 9:00~正午頃
第一分科会
高戸聰「出土文献「日書」に見える巫について」
高田哲太郎「呂氏春秋の人―統一理念の展開」
菅原尚樹「『漢書抄』「帝紀」における全相平話『前漢書続集』の抄写について―語句の削除、変更、改訂、増補を中心に」
尾崎順一郎「袁枚の学問観について」

第二分科会
劉海宇「西周金文「執駒」新釈」
中本圭亮「後漢桓・霊・献帝期の政治問題」
三田辰彦「東晋中期の祭礼問題―鴻祀に関する議論をてがかりに」
高遠拓児「清初則例編纂考―会典前夜の清朝の例」
水盛涼一「清末鴉片事情考略―光緒年間におけるアヘン嗜好とその取り締まりの実態をめぐって」

2013年4月18日木曜日

大ベトナム展

大ベトナム展

展示期間:2013年4月16日~6月9日 
開場時間 9:30~17:00
会場:九州国立博物館  休館日:月曜日

四部構成でベトナムの歴史・美術を満喫できるラインナップ。
第二章では江戸時代の日越関係をクローズアップ。今回、初公開の安南国書簡や、海を渡った美術品、沈没船から出たものも展示。
「日本初」をうたっているように、なかなかみれないものばかり。
行きたいなぁ。

序章:どこから来たのか、夢のはじまり
第1章:天空に竜の舞う 千年の都 ハノイ
第2章:愛と冒険の航海
第3章:ベトナミーズ ビューティー

2013年3月12日火曜日

史滴34

『史滴』34(早稲田大学東洋史懇話会、2012年12月)

特集が組まれているわけではないけれど、
かなり面白い一冊となっている。

論説は以下の通り。
小倉聖「『淮南子』天文訓「二十歳刑徳」の「刑」・「徳」運行について」
川手翔生「嶺南士氏交易考」
王博「献俘礼から見た唐・宋軍礼の変容」
高井康典行「唐後半期から遼北宋初期の幽州の「文士」」
尤東進「北宋禁軍における「異族兵」について」
高橋誠「永楽仁孝皇后夢感功徳経の研究」
孫暁瑩「清代内務府商人に対する監督と処分について―損失補償と任免を中心にして」

川手論文は、嶺南における士燮の勢力形成を扱った前稿に続く論稿。史書にみえる物産に着目し、南海交易よりも西南シルクロードとの交易が重要だったのではないかとする。
高井論文は、意外に研究の少なかった唐代後半の幽州藩鎮を取り上げ、どのような人々が上級幕職官に就任したかを追跡し、五代・北宋初期・遼との関係を考察している。
尤論文は、数こそ少ないものの北宋禁軍中に「異族兵」が存在することを指摘。


そのほか翻訳・訳注は以下の通り
王明珂著、柿沼陽平訳「中国漢代の羌―生態学的辺境と民族的境界(五)」
ソグド人墓誌研究ゼミナール「ソグド人漢文墓誌訳注(9)西安出土「安伽墓誌」(北周・大象元年)」
古代東アジア史ゼミナール「祢軍墓誌訳注」

「中国漢代の羌」は、ブックレットみたいな形で是非まとめてほしい。

第47回中央アジア学フォーラム

第47回中央アジア学フォーラム
日時:2013年3月30日(土)13:30~17:30頃
場所:大阪大学・豊中キャンパス 文法経本館 中庭会議室

報告
新見まどか「唐後半期における平盧節度使と海商・山地狩猟民の活動」
齊藤茂雄「敦煌出土「駅程記断簡」(羽032)よりみる陰山山脈周辺の状況」
西村陽子「グリュンウェーデル高昌故城図の位相的解釈:各国探険隊成果の同定」

2013年3月10日日曜日

シンポジウム第1回飲食文化研究会

シンポジウム第1回 飲食文化研究会
日時:2013年3月23日(土)13:30~17:00
場所:国際基督教大学 ダイアログハウス2階 国際会議室
資料代:500円

プログラム
13:40 戸川芳郎「青木正兒の『華国風味』―名物学とは何か」
14:20 大形徹「仙人になるための飲食」
15:30 肥爪淳子「風邪の飲食養生法―17世紀イギリス」
16:10 総合討論  司会:小島康敬
17:00 閉会

2013年3月7日木曜日

古代における歴史語り―何をどのように語るのか―

公開研究会『古代における歴史語り―何をどのように語るのか―』
日時:2013年3月9日(土)13:30~17:00
場所:明治大学駿河台校舎 リバティータワー6階1065教室
【基調講演】
深澤徹「歴史語りにおける言語論的転回―『愚管抄』の場合」
 
【報告】
山本大介「「自土の奇事」と「末法」―『日本霊異記』を中心に―」
袴田光康「『扶桑略記』と『三国遺事』―歴史叙述と国家観をめぐって―」
牧野淳司「「密通の語り方―伊勢物語・古事談・平家物語―」

2013年3月6日水曜日

第2回 “中国中世(中古)社会諸形態”国際大学院生若手研究者学術交流論壇

第2回 “中国中世(中古)社会諸形態”国際大学院生若手研究者学術交流論壇
日時:2013年3月8日(金)・9日(土)
場所:明治大学駿河台校舎リバティタワー8階1084教室

3月8日 プログラム
第1部 10:00~12:00
落合悠紀「貴族制社会の形成過程をめぐる研究の現状と課題」
大原信正「西晋武帝期の側近政治」
峰雪幸人「前燕の遷都より見た胡族国家の性格」
王安泰「「新羅居漢楽浪地」説的分析」

第2部 13:00~15:30
会田大輔「北周武帝親政期・宣帝期における側近官の人的構成」
石野智大「隋代郷里制下の里長に関する覚書 ―「秘丹墓誌」を手がかりに―」
林宗閲「褚遂良與許敬宗―試析唐初政局中之南朝士人―」
速水大「論開元二二年唐朝対契丹的統治 ―以李小龍氏発見張九齢『曲江集』佚文勅書二首為中心―」
郭珮君「唐代中期護国仏教的実践」
 
第3部 16:00~18:00
佐藤裕亮「中国南北朝時代における修道の一形態 ―慧彌の事績に注目して―」
李志鴻「中国隋代仏教王権与仏教政治」
黄海静「武則天政権と仏教との関係に関する研究の動向」
廖靖靖「唐代安国寺小考」

3月9日 プログラム
第4部 09:30~11:30
徳泉さち「石碑の意匠「穿」の変遷 ―漢碑から唐碑を中心にして―」
李瑞華「唐伝奇与唐代社会観念変遷 ―以異類女性為中心―」
曾堯民「中古時期法華道場・法華台・法華堂・法華院的設置及其関係」
郭雪妮「「吉備大臣入唐絵巻」中所虚構的長安景観」

第5部 12:30~14:30
大知聖子「官当制度とその淵源 ―除名・免官との比較を中心に―」
黄庭碩「唐代後期江南士人的挙業与仕宦」
鈴木裕之「日中衛府制比較試論 ―衛府制の成立と展開を中心として―」
裴璇「唐代長安住宅研究」」

第6部 14:45~16:15
万晋「唐安史之乱後洛陽与周辺藩鎮之関係」
竹内洋介「牛李党争における『李派』再考 ―文宗大和末年の人事動向を手がかりとして―」
森本創「南宋建国期の軍馬交易と宣撫使 ―紹興4~9(1134~39)年の川陝地方を中心として―」

16:20~17:30 各部司会・研究者・教員からの感想・コメント、質疑応答

2013年2月27日水曜日

DSR国際シンポジウム2013

DSR国際シンポジウム2013「データが語るシルクロード史:DSR国際シンポジウム2013」
日時:2013年2月28日(木)・3月1日(金)
場所:東洋文庫・国立情報学研究所
参加費: 無料

プログラム
2月28日(木) 会場:東洋文庫2階講演室
13:00-13:30 オープニング
小野 欽司 Overview of Digital Silk Road Project
斯波 義信 Toyo Bunko and Silk Road
13:30-14:40 データベース
北本 朝展 Impact of Historical Databases on Silk Road Studies
西村陽子 「高昌故城を事例とした遺跡照合とデータ集積」
14:40-15:40 招待講演1
于志勇「新疆文物普査新成果:価値与展望(仮題) 」
16:00-17:00 招待講演2
高田時雄「西域記と中央アジア地図」
17:00-18:00 招待講演3
栄新江「従吐魯番出土文書看古代高昌的地理信息」
3月1日(金) 会場:国立情報学研究所 20階セミナー室
10:00-12:00 オープンディスカッション
データベースは歴史研究をどう変えるか? 講演者を中心に参加者も交えて討論

申込方法:
2月28日:予約不要。
3月1日:2月28日の開催会場にて事前申し込み。
研究者対象

若手アジア史論壇

若手アジア史論壇 アジア世界における古代国家論再考
日時:2013年 3月 9日(土) 12:30~18:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 36 号館 681 教室

プログラム 司会:吉永匡史
12:30~13:00 主旨説明  楯身智志「古代国家権力論再考」
13:00~14:00 福永善隆 「漢代における内朝の構造と展開―漢代官僚機構の特質と関連して―」
コメント:谷口建速・齊藤 茂雄
14:10~15:10  齊藤 茂雄「啓民可汗の生き残り戦略― 隋・突厥君臣関係再考―」
コメント:林美希・武井紀子
15:20~16:20 武井紀子「日本 古代 地方支配における“官”と私」
コメント:吉岡 直人・福永善隆
16:40~18:00 総合討論

2013年2月17日日曜日

六朝学術学会第26回例会

六朝学術学会第26回例会
日時:2013年3月16日(土)午後1時半~5時
場所:県立広島大学 広島キャンパス・121212会議室
会場費500円

発表
佐藤礼子「白道猷をめぐる聖賢伝承―天台山を初めて開いた人物について―」
大平幸代「晋宋の志怪と地方の伝承」
佐藤大志「都市の荒廃を描く文学―鮑照「蕪城賦」をめぐって―」

 

中央大学人文科学研究所公開講演会

中央大学人文科学研究所公開講演会
日時:3月4日(月)15時~18時
場所:中央大学駿河台記念館600号室

報告
栄新江 「新出碑志与唐長安里坊研究」

2013年2月11日月曜日

東アジア科学史国際ワークショップ2013

東アジア科學史國際ワークショップ2013
日時:3月10日(日) 9:00~18:00
場所:京都大學人文科學研究所4F大会議室

プログラム
9:00~12:00 人文科學研究所所藏科學史關係資料調査
  昼食
一般講演
13:50~14:20 前原あやの「張衡佚文にみる星座の記述について」
14:25~14:55 川和田晶子「江戸期仙台藩の天文暦學-戸板保佑と名取春仲-」
15:00~15:30 尾鍋智子「近代日本の科學と洋學」
  休憩
合同シンポジウム:テーマ「東アジア世界の科學文化を考える」
16:00~16:25 基調報告:武田時昌「東アジア傳統科學研究の思想史的アプローチ」
16:30~17:20 特別講演:江曉原「科學史研究領域的新探索:對科幻作品的科學史研究」
17:20~18:00 總括討論會


特別講演で取り上げられる科幻作品とは中国におけるSFのこと。
科学史としてみるSFというのも面白そう。

2013年2月8日金曜日

帝国日本と〈満鮮史〉

井上直樹『帝国日本と〈満鮮史〉―大陸政策と朝鮮・満州認識』(塙書房、2013年1月)

中韓で繰り広げられた高句麗史帰属論争を導入として、
従来から指摘されていた「満鮮史」研究と
日本の大陸政策の関連について、
日露戦争前後から時代を追って詳細に検討。
一国史観にとらわれず、戦前の「満鮮史」とも異なる、
新たな東北アジア史的視座の必要性を説いている。

目次は以下の通り。
Ⅰ高句麗史帰属問題と満鮮史
Ⅱ近代日本の朝鮮・満州認識と日露戦争
Ⅲ日露戦争後の朝鮮・満州支配と満鮮史研究
Ⅳ日本の大陸政策と満鮮史
Ⅴ満州国と満鮮史
Ⅵ満鮮史と高句麗史研究

2013年2月4日月曜日

歴史家の同時代史的考察について

増淵龍夫『歴史家の同時代史的考察について』(岩波書店、2012年11月)

1983年に出たあの名著がついに復刊!
と思ったら、オンデマンド出版。
体裁はB6判・288頁で、値段は 5,250円。

1983年版を持っているので、当然購入せず。
解説付けて岩波現代文庫に入れるべきじゃないのかなぁ。
内藤湖南批判が現代文庫入りを妨げているのではなかろうか。
と邪推してみたり。たぶん、邪推のはずです。

東方学125

『東方学』125(東方学会、2013年1月)
目次は以下の通り。

[論文]
藤井省三「魯迅恋愛小説における空白の意匠 ―「愛と死(原題:傷逝)」と森鷗外「舞姫」との比較研究―」
島田悠「西晋における礼・法と政局の関係」
武井紀子「古代日本における贓贖物の特徴」
彭浩「18世紀日清貿易における中国商人の組織化 ―額商の成立と貿易独占を中心に―」
田中智行「 『金瓶梅』張竹坡批評の態度―金聖歎の継承と展開―」
喬玉鈺「清代女性詩人の非業の死に見る才女の内面世界と社会背景 ―上海の李媞を中心に―」
川島優子「江戸時代における「資料」としての『金瓶梅』 ―高階正巽の読みを通して―」

[翻訳]
牛来穎著、江川式部訳「唐宋の贓贖銭物と国家地方財政―『天聖令』を中心に―」

[内外東方学界消息]
東野治之「日本国号の研究動向と課題」
丸山裕美子「2011年北京、三つの研究会レポート―天聖令・古文書・大唐西市墓誌―」
小川英世「第15回国際サンスクリット学会報告」
妹尾達彦「ケンブリッジ中国学の昨今」

平成24年度第31回東方学会賞発表
平成24年度秋季学術大会講演・研究発表要旨

[座談会]
「先学を語る―島田虔司先生―」 〔出席〕小野和子、狭間直樹 (司会)、三浦國雄、森紀子、吉川忠夫

[追悼文]
藪司郎「恩師西田龍雄先生を偲ぶ―先生のチベット=ビルマ語研究―」
庄垣内正弘「哀惜 西田龍雄先生」


盛りだくさんの内容。珍しく『金瓶梅』関係の論文が二つもある。
武井論文は、牛論文のもとになった報告に基づいていて、相互に参照することができる。
東野論文は、日本国号について、一時期話題になった「禰軍墓誌」に言及。墓誌の読解に関しては、いくつか疑問もあるが、墓誌中の「日本」が「日本国号」ではない、という結論は定着しそうな印象。

シンポジウム「古代中国音楽と平安文学」

物語研究会3月例会
シンポジウム「古代中国音楽と平安文学」
日時: 3月16日(土)13:30~17:00
会場: 日本大学文理学部 3304教室

13:35~14:00 正道寺康子「古代日本文学と中国の琴曲・音楽説話」
14:00~14:25 笹生美貴子「平安期物語文学における―和漢比較の立場から」
14:25~14:50 佐藤信一「『菅家文草』の「琴」―『琴操』「白駒」との影響関係を中心に
14:50~15:05 休憩
15:05~16:05 王維坤「中国出土の古代楽器と音楽文化」
16:05~16:20 休憩
16:20~17:00 討論
パネラー:王維坤、佐藤信一、正道寺康子、笹生美貴子

2013年1月30日水曜日

遼金西夏史研究会第13回大会

遼金西夏史研究会第13回大会
日程:2013年3月23日(土)・24日(日)
場所:大谷大学

3月23日(土) 特別企画 疑似漢字研究の現状と新展開
荒川慎太郎「故西田龍雄先生と西夏文字研究 −近年のご論考から」
聶鴻音「The Kitan and Jurchen in Tangut literatures, An Introduction on the Aurousseau and His Manuscript on the Chinese-Jurchen Vocabulary.(西夏語文献にみられる契丹語と女真語:オルソー(著)「『女真館訳語』手稿」への導論)」
吉池孝一「『慶陵』(1953年刊)の契丹語研究 ―その先駆的な部分について―」
武内康則「漢字音写された契丹語に関する諸問題」

3月24日(日)
黒田有誌「(仮題) 清代に於ける漢籍翻訳事業について」
佐藤貴保「西夏の官印に関する資料について ―日本・中国・ロシア所蔵のものを中心に―」
于磊「元代後期における江南知識人の動向について −余闕とその周辺の知識人を中心に−」
町田吉隆「契丹国(遼朝)時代の城郭都市と窯業生産の関係について」
岡本優紀「則天武后・玄宗期における奚・契丹の動向に関する一考察」

2月末により詳細な情報が遼金西夏史研究会のHPで出るそうです。

2013年1月29日火曜日

海から見た歴史

羽田正編・小島毅監修『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』(東京大学出版会、2013年1月)

共同研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成(にんぷろ)」のなかの「東アジア海域史研究会」が母体となって書かれた「東アジア海域」の概説書。分担執筆ではなく、真の意味での共著の形式をとっている。

目次は以下の通り。
プロローグ 海から見た歴史へのいざない
第I部 ひらかれた海 一二五〇―一三五〇年
一 時代の構図
二 海域交流の舞台背景と担い手たち
三 海商がおしひろげる海域交流――開放性の拡大
四 モンゴルの衝撃がもたらしたもの――開放のなかの閉鎖性
五 モノと技術の往来――すそ野の拡大と双方向性
第II部 せめぎあう海 一五〇〇―一六〇〇年
一 時代の構図
二 大倭寇時代――東アジア貿易秩序の変動
三 海商たちの時代
四 多様で混沌とした文化の展開
第III部 すみわける海 一七〇〇―一八〇〇年
一 時代の構図
二 海商たちと「近世国家」の“すみわけ”
三 交流と居留の圧縮と集中
四 海をまたぐモノと情報

それぞれの内容の衝撃度はそれほど大きくないけど、全体でみるととても新鮮。なんといっても読みやすい。『新しい世界史へ』の著者羽田氏が編者であることもあってか、同時代の別の地域(中国・朝鮮半島・日本列島・琉球諸島・東南アジアなど)が自然な形で並列的に扱われている。第Ⅰ部~第Ⅲ部の時代ごとの変化と、横の地域ごとの違いや共通点がすんなり入ってくる。

似た試みをユーラシア大陸(中国・チベット高原・モンゴル高原・中央アジアなど)でもできたら面白いのになぁ。

2013年1月18日金曜日

表紙裏の書誌学

渡辺守邦『表紙裏の書誌学』(笠間書院、2012年12月)

この題名を見たとき、すぐに連想したのが、戦後になって再発見された北村透谷の「楚囚の詩」(明治時代の書物の材料として使われていた)。確か紀田順一郎の小説で、その話を知った気がする。

本書は、近世初期の板本(1640~50年代頃まで)の表紙の補強材として使われた反故紙に、古活字本などが使用されていることに着目し、ワークショップや調査を通じて、表紙裏反故紙の活用を提唱している。

次々に貴重な反故紙が登場し、宝探しのような気分になる。綿密な調査で反故紙の書誌情報を特定していて、参考図版も鮮明。ただし、近世初期の板本自体が、すでに貴重書であることから、文物破壊との指摘があることも忘れてはいない。原状復帰を原則としているが、第三章で論じているように、原状復帰とも反故紙の別置とも異なる新しい保存法も模索している。


目次は以下の通り。
第一章 表紙裏反古の諸問題  *材料は『闕疑抄』
第二章 ワークショップ報告「表紙裏から反古が出た」
 *材料は『黒谷上人語燈録』・観世流の卯月本・『全九集』・『清水物語』
第三章 表紙裏反古の保存法について―国立公文書館蔵の嵯峨本『史記』を中心に
第四章 表紙裏反古の諸問題・続考 東京大学附属図書館蔵『鴉鷺物語』の場合
追録 小山正文「寛永二十年版『黒谷上人語燈録』の表紙裏より抽出された宗存版」

古活字本の漢籍・和書・仏教書が次々に出てきて飽きない。第一章で取り上げられた表紙屋の大福帳は、当時、出回っていた書籍の一端を示してくれて面白い。

読んでてついつい笑ってしまったのが、第二章の『全九集』。幸運にも本を解体することなく、反故紙の由来を明らかにでき、多大な成果が得られたにもかかわらず、実際の解体作業をせずに、解決してしまったので、会場の雰囲気がいま一つ盛り上がらなかったこと。
そして、その場の雰囲気を予想して準備した『清水物語』を、初参加の二人の女性に解体してもらったところ、「作業テーブルを囲んで輪ができ、周囲からアドバイスが飛び交ってその場の陽気なこと」。このワークショップの参加者は、研究者が多かったようなのだが、やはり宝探し的なわくわく感が、どこかにあったに違いない。

2013年1月16日水曜日

術数学国際シンポジウム2013

術数学国際シンポジウム2013
日時:2013年2月13日(水)13:30より
場所:人文科学研究所本館セミナー室1

プログラム
<研究発表>(13:30-15:00)
総合テーマ「易学研究の日本的展開」
14:00~14:40 近藤浩之「桃源『百衲襖』の魅力―『易学啓蒙通釈』『翼伝』の解釈と実践―」
14:50~15:30 水上雅晴「蘇東坡詩抄物に見る五山僧侶の経学―易説を中心に―」

休憩(15:30-15:50)

<シンポジウム>(15:50-18:00)
総合テーマ「近世社会の日中文化交流」
16:00~16:20 武田時昌「易占の数理構造とその問題圏―易占の日本的受容を中心に―」
16:20~17:10 呉偉明「中国から見た江戸期の学術文化」
17:20~18:00 総括討論会

第8回 TOKYO 漢籍 SEMINAR

第8回 TOKYO 漢籍 SEMINAR
日時:2013年3月19日(火)10時30分~16時
場所:学術総合センター 一橋講堂

清華の三巨頭―新しい中国学の始まり―
10:45~12:00 井波陵一「王国維-過去に希望の火花をかきたてる」
13:10~14:25 古勝隆一「陳寅恪-“教授の教授”その生き方」
14:40~15:55 池田巧「趙元任-見えざることばを描き出す」

参加定員:500名。要申込み。
申し込み先については、セミナーのHP参照。

時間があればぜひ聞きに行きたい。

2013年1月11日金曜日

契丹[遼]と10~12世紀の東ユーラシア

荒川慎太郎・澤本光弘・高井康典行・渡辺健哉編『契丹[遼]と10~12世紀の東ユーラシア』(勉誠出版、2013年1月)

勉誠出版のアジア遊学160。契丹研究の最前線が凝縮されていて魅力満載。契丹の多様な国際関係にはじまり、契丹の出版文化・仏教・官制・都城、契丹文字、考古成果、契丹滅亡後の契丹人とその記憶、などなどテーマは幅広く、さまざまな角度から契丹を知ることができる。

荒川論文が紹介しているロシアで見つかった契丹大字写本は、15000字前後と目されており、内容も仏典や漢語古典ではなく、契丹の史的事実に言及している可能性があるらしい。解読が進めば、契丹文字・契丹語・契丹史の研究が飛躍的に進むことは間違いない。さらにカラキタイ領域の遺跡から出土した可能性が高いことから、これまで空白だったカラキタイ(西遼)の研究が進展するかもしれない。

目次は以下の通り。
一:契丹[遼]とその国際関係
古松崇志「十~十二世紀における契丹の興亡とユーラシア東方の国際情勢」 
高井康典行「世界史の中で契丹[遼]史をいかに位置づけるか―いくつかの可能性」 
山崎覚士「五代十国史と契丹」 
毛利英介「澶淵の盟について―盟約から見る契丹と北宋の関係」
松井太「契丹とウイグルの関係」
【コラム】赤羽目匡由「契丹と渤海との関係」

二:契丹[遼]の社会・文化
磯部彰「遼帝国の出版文化と東アジア」
藤原崇人「草海の仏教王国―石刻・仏塔文物に見る契丹の仏教」
澤本光弘「『神宗皇帝即位使遼語録』の概要と成立過程」
武田和哉「契丹国(遼朝)の北面官制とその歴史的変質」
高橋学而「遼中京大定府の成立―管轄下の州県城から」
【コラム】弓場紀知「日本に伝わる契丹の陶磁器―契丹陶磁器の研究史的観点を中心にして」
【コラム】阿南ヴァージニア史代・渡辺健哉「遼南京の仏教文化雑記」 

三:契丹研究の新展開―近年の新出資料から
武内康則「最新の研究からわかる契丹文字の姿」
呉英喆「中国新出の契丹文字資料」 
荒川慎太郎「ロシア所蔵契丹大字写本冊子について」
【コラム】松川節「契丹文字の新資料」
白石典之「ゴビ砂漠における契丹系文化の遺跡」
臼杵勲「チントルゴイ城址と周辺遺跡」
董新林「遼祖陵陵園遺跡の考古学的新発見と研究」
【展覧会記録】市元塁「契丹の遺宝は何を伝えるか―草原の王朝契丹展の現場から」

四:その後の契丹[遼]
飯山知保「遼の〝漢人〟遺民のその後」 
松浦智子「明代小説にみえる契丹―楊家将演義から」 
水盛涼一「清人のみた契丹」 
【博物館紹介】石尾和仁「徳島県立鳥居龍蔵記念博物館」
【コラム】河内春人「フランス・シノロジーと契丹」 

六朝隋唐時代をめぐる仏教社会基層構造

科学研究費補助金成果報告シンポジウム「六朝隋唐時代をめぐる仏教社会基層構造」
日時:2013年1月13日(日)10時~17時
場所:明治大学駿河台キャンパス研究棟4階第1会議

第1部 10時~12時 華北各地の仏教と石刻文物の調査報告
江川式部:河北・山西の仏教遺跡と石刻文物の調査報告  
手島一真:河南・浙江の仏教石刻調査報告
櫻井智美:中国における蒙元時代(モンゴル時代)石刻研究の最前線

12時~13時 昼食休憩

第2部 13時~15時 研究報告
高瀬奈津子:唐代における潞州の位置―長治県梵境寺舎利銘をめぐって― 
肥田路美:四川地域唐代石窟摩崖の銘文について
松浦典弘:山西省の唐代の寺碑――山西現地調査の報告を兼ねて
15時~15時15分 休憩

第3部 15時15分~17時 研究報告・自由討論
高橋継男:「中国石刻関係図書目録」その後の最新資料状況
氣賀澤保規:「大般若経」刻経から見た房山石経事業の展開

新年

2013年も始まって、はや10日がすぎました。
去年はバタバタしていて更新も滞りがちでした。
見に行った展覧会も少なかったように思います。

と思って確認したら、意外にも39か所いってました。
ふりかえれば、
北京故宮博物院200選(清明上河図)
三井記念美術館の「茶会への招待」(初公開の白氏文集)、
契丹 草原の王朝展、
特別展 中国王朝の至宝
金沢文庫の「鎌倉興隆―金沢文庫とその時代」
などなど中国関係だけでも結構見ごたえありました。

そのほかの展覧会では、
根津美術館「ZESHIN 柴田是真の漆工・漆絵・漆画」、
松濤美術館「古道具、その行き先 坂田和實の40年」、
太田記念美術館「浮世絵猫百景」、
ワタリウム美術館「ひっくりかえる展」
などが印象に残ってます。

今年は何かと環境が変化する年になりそうなので、
無理せず、健康第一で、ぼちぼちやっていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。