2012年8月29日水曜日

幕府のふみくら

長澤孝三『幕府のふみくら―内閣文庫のはなし』(吉川弘文館、2012年9月)

現在は国立公文書館内の機構改革によって、名称がなくなってしまった内閣文庫の歴史と仕事について、最後の内閣文庫長(2001年1月~3月)であった長澤孝三氏が紹介。

紅葉山文庫を筆頭に、現在までの内閣文庫の歴史をふりかえり、内閣文庫が持っているえりすぐりの国書・漢籍などを解説し、内閣文庫の日々の仕事を紹介している。随所に挿入される[余録]と題した思い出話も興味深い。

以前、とある内閣文庫本を調査したことがある。
すぐに原本閲覧ができて、とてもうれしかった。
今では個人撮影も認められているそうだ。
気になる漢籍がいくつかあるので、
時間をつくって、また見に行きたい。

なお、現在では、情報公開促進の流れによって、
「原本による閲覧」が大前提となり、
年齢制限の撤廃や個人撮影の許可がなされているが、
資料保存の観点から、長澤氏は若干の憂慮を示している。