2011年1月5日水曜日

新アジア仏教史06 中国Ⅰ 南北朝

沖本克己編集委員・菅野博史編集協力『新アジア仏教史06 中国Ⅰ 南北朝―仏教の東伝と受容―』(佼成出版社、2010年12月)

表紙は根津美術館所蔵「釈迦多宝二仏並坐像」(北魏・重文)。
ボケにツッコミ入れてるように見えるのは、僕だけでしょうか。

目次は以下の通り。
第一章「中国の仏教」木村清孝
第二章「仏教伝来」釆澤晃
第三章「東晋・南北朝の仏教の思想と実践―仏教受容初期の具体像―」菅野博史
第四章「三教の衝突と融合」河野訓
第五章「仏典漢訳史要略」船山徹
第六章「経録と疑経」沖本克己
第七章「王法と仏法」横井克信

中国シリーズの第一弾ということで、
魏晋南北朝時代に限定しているのは第二章と第三章だけで、
その他は中国仏教全体(とはいえ宋代ぐらいまで)の概説的要素が強いです。

個人的には、第五章と第六章が面白かったです。
第五章では、時代ごとの仏典漢訳の違いや
漢訳の方法などがまとめられていて興味深かったです。
第六章では、特に疑経の利用姿勢に関する記述が参考になりました。