2009年11月22日日曜日

四国東洋学研究者会議

2009年度四国東洋学研究者会議 
日程:2009年11月28日・29日
場所:愛媛大学

第1日 11月28日(土)14:00~17:00
会場:愛媛大学法文学部中会議室(法学部本館2階)
邢東風「フィールドワークと中国仏教史の研究について」
張子侠「《呉書》作者辨」
徐国利「徽州文書的理論研究与整理方法」
胡中生「宋明以来民間修譜面臨的血縁困境及其解決―以徽州為中心的探討」
 
第2日 11月29日(日)9:00~12:00
会場:愛媛大学 職員会館 小会議室
片岡一忠「清朝外交史と新疆問題」
牧野修二「チンギス汗の金国侵入時の軍事編制について」
 

「伝えゆく典籍の至宝」参観

五島美術館で11月29日まで開催されている
「伝えゆく典籍の至宝」を見に行ってきました。

漢籍以外、あまり興味ないので、すぐに見終わるかなぁ、
なんて思って行ったのだけど、想定外の面白さでした。
さすが五島美術館。

まず興味をひかれたのが、「金光明最勝王経」。
奈良時代の写本なのだけど、
平安時代のヲコト点(多分、博士家系統)がつけられている。
写本の作成年代と読まれた時期が違っているのが興味深い。

また、平安時代後期に作られた類書(『幼学指南鈔』)や、
『伊呂波字類抄』・『和妙類聚抄』などの古辞書の写本も面白かった。

もちろん、金沢文庫本『白氏文集』・『論語集解』・駿河版『群書治要』・
秀頼版『帝鑑図札』などなど、漢籍も非常に充実してました。
なかでも古典籍展観大入札会で手に取った直江版『文選』が、
ケースの中で鎮座しているのを見た時は妙に嬉しかったです。


でも、一番印象的だったのは、
藤原頼長の手跋のある『因明論疏』。
頼長は、政治家として、そして保元の乱の
中心人物として有名だけど、
ものすごい読書家としても名高い。
でも、彼の字はマジックペンで書いた
みたいで、お世辞にも名筆とはいえない。
なんだか親近感を覚えた。
解説には、悪筆をむしろ顕示していた、とある。
ますます、いいなぁ。


と、そんなこんなであっというまに時間が過ぎてしまい、
庭園を散歩する時間はおろか、
江戸期の写本・刊本をゆっくりみる時間もなくなってしまいました……。残念。 写真は、行く途中で見かけた日向ぼっこする猫。
満足そうにぬくそうな顔をしている。