2011年6月6日月曜日

モンゴル帝国の覇権と朝鮮半島

森平雅彦『モンゴル帝国の覇権と朝鮮半島』(山川出版社、2011年5月)

抵抗か服従か、といった二分法でとらえられがちな、
モンゴル帝国時期の朝鮮半島(高麗)について、
対モンゴル関係の変化や、
モンゴル帝国内の駙馬高麗国王としての側面、
モンゴルとの密接な関係がもたらした国内政治の変容など、
複雑で多様な朝鮮半島(高麗)の状況を述べている。

日中国交正常化

服部龍二『日中国交正常化―田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦―』(中公新書、2011年5月)

1972年の日中国交正常化について、
外交記録・インタビュー・日記などを用いて、
田中角栄・大平正芳・外務官僚の動きをひもとき、
国交正常化にいたる過程(主に日本側)を解き明かしている。

田中角栄には金権政治のイメージばかりが
先行していたけれど、日中国交正常化に関しては、
アメリカ・台湾・中国、そして日本の政治家の思惑が交錯する中で、
上手に官僚を操縦し、成果を上げていたことがわかる。