2009年10月31日土曜日

東アジア世界史研究センターシンポジウム

平成21年度 東アジア世界史研究センターシンポジウム
全体テーマ:古代東アジアの交流と留学生
日時:11月21日(土)10:00~17:00 、11月22日(日)10:00~17:30
場所:専修大学神田校舎1号館3階 302教室
募集人員:各日200名(申込者多数の場合は抽選とさせていただきます)

講演
11月21日
10:00~10:20 荒木敏夫「趣旨説明」
10:20~11:20 鈴木靖民「遣唐使研究と東アジア論」
11:30~12:30 濱田耕策「新羅の遣唐使と留学生」
13:30~14:30 酒寄雅志「渤海の遣唐使」
14:40~15:40 森公章「遣隋・遣唐留学者とその役割」
16:00~17:00 討論
司会・進行 荒木敏夫・飯尾秀幸
 
11月22日
10:00~10:20 矢野建一「趣旨説明」
10:20~11:20 王維坤「7・8世紀の長安の考古学」
11:30~12:30 李浩「新出土文献から見た唐代の中外文化交流」
13:30~14:30 土屋昌明「唐の道教をめぐる朝鮮と遣唐使」
14:40~15:40 田島公「遣隋使・遣唐使のもたらしたもの―様々な知識体系の将来―」
16:00~17:30 討論・総括討論
司会・進行 松原朗・土生田純之
 
往復はがきか電子メールで、
専修大学社会知性開発研究センター事務課に申し込み。
11月12日(木)必着

秋の猫


ノラなのにずいぶんふくよか。
リラックスしてるようです。

2009年10月29日木曜日

静嘉堂文庫 筆墨の美―水墨画展

静嘉堂文庫 筆墨の美―水墨画展 〔第2部〕山水・人物・花鳥
10月24日(土)~12月20日(日) 
前期展示:10月24日(土)~11月23日(月・祝) 
後期展示:11月26日(木)~12月20日(日) 
休館日 毎週月曜日(11月23日は開館)、11月24日(火)・25日(水) 
開館時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料 一般800円 大高生500円(一般・大高生は20名以上団体割引)

シンポジウム「筆墨―水墨画の本質に迫る―」
12月6日(日)午後1時30分~ (講堂にて 先着150名)
基調発表・コメンテーター 
小林忠「水墨画と墨絵」
発表・パネラー 
板倉聖哲「南宋院体山水画における筆と墨」
竹浪遠「明代水墨山水画の写実性と写意性」
小林優子「牧谿筆羅漢図と蜀山図」 
杉本欣久「渡辺崋山の技―筆と墨―」

列品解説 
10月31日(土)・11月28日(土) 午前11時~ 
11月19日(木)・12月17日(木) 午後2時~

講演会:はじめての漢籍

講演会:はじめての漢籍
日時:11月11日(水)
場所:東京大学総合図書館3階・大会議室

10:30 羽田正「開会挨拶」
10:45~11:45 大木康「漢籍とは?」
13:15~14:25 橋本秀美「初心者向け四部分類概説」
14:35~15:35 石川洋「東京大学文学部漢籍コーナーの漢籍について」
15:45~16:45 小寺敦「東京大学東洋文化研究所の漢籍について」

参加申し込み
参加を希望される方は下記の事項を明記し、メール(またはFAX、はがき)で申し込み。
・「はじめての漢籍申し込み」・氏名・所属・連絡先(メールアドレス、FAX番号、住所等)
定員(90名)に達し次第、受付終了。
<申し込み・問い合わせ先>東京大学東洋文化研究所図書室

2009年10月25日日曜日

うとうとのつもりが

うとうとするつもりで横になったら、
いつのまにか2時間も熟睡してしまった……。
寒い日の布団は抜け出すのが大変だ。

日本道教学会60周年記念大会

日本道教学会60周年記念大会

11月6日(金)60周年記念行事13:00~14:30
会場:東京大学本郷キャンパス・山上会館大会議室
公開座談会「日本道教学会の60年」
語り手:秋月觀暎・神楽岡昌俊・坂出祥伸・野口鐡郎・福井文雅・山田利明
司会:砂山稔・増尾伸一郎

11月7日(土)研究発表会
会場:東京大学本郷キャンパス・法文1号館25番教室

午前の部 10:00~11:50
小武海櫻子「同善社系知識人と慈善事業―教育を中心に―」
井ノ口哲也「後漢時代における『老子』思想の展開」
石井公成「聖徳太子伝承中のいわゆる「道教的」要素」

午後の部 13:00~15:30
水口拓寿「術数学の地位と術数文献の価値―四庫全書の子部術数類をめぐって―」
奈良行博「聖地の構造―洞天・道観・道壇から―」
小南一郎「帝から天へ―天の観念の形成―」
鄭正浩「華人社会における祭祀儀礼の形態とその象徴的意義―台湾とシンガポールの中元普度儀礼を事例として―」

総会 15:40~17:00
懇親会 17:30~19:30

中国古典社會における佛教の諸相

西脇常記『中国古典社會における佛教の諸相』(知泉書館、2009年10月)

第一部:佛教史書について
第二部:佛教徒・佛教信者
第三部:中央アジア出土の漢語文献

現在、第一部読了。
一「宗鑑『釈門正統』以前―天台宗史とその成立(一)」
二「宗鑑『釈門正統』について―天台宗史とその成立(二)」
三「読『佛祖統紀』」
四「『佛祖統紀』の作者、志磐の考え」
五「『佛祖統紀』テキストの変遷」
六「宋代における佛教史書」

天台宗史、『佛祖統紀』を中心に宋代の仏教史書について論じている。
『佛祖統紀』以前の『釈門正統』などが、天台宗史に留まっているのに対し、
『佛祖統紀』には、天台宗史であると同時に、中国宗教史としての側面も見られるとする。
また、『佛祖統紀』の執筆・刊行には、宋朝の現実政治と結びつくことで、
仏教の拡大を図る意思表示が込められていたとする。
宋代の仏教史書については、これまであまり気にしてこなかったので、
大変興味深かった。

第二部は「佛教徒の遺言」と仏教信者である楊億について論じている。
第三部は世界各地のトルファン文書について論じている。
近いうちに全部読み終えたい。

2009年10月24日土曜日

正倉院ガラスは何を語るか

由水常雄『正倉院ガラスは何を語るか―白琉璃碗に古代世界が見える―』(中公新書、2009年10月)

現在、正倉院に収蔵されている六つのガラス器の由来、製造法を探求。
六つのうち、東大寺大仏開眼のさいに奉献されたものは、わずかに一つのみで、
江戸、さらには明治期に収められたものもあることを指摘。
また、ガラス器の再現を通じ、製造法を明らかにし、
考古学の成果と合わせ、器の制作年代・制作場所を特定している。
正倉院への収蔵過程が結局よくわからないことが残念。
あと、伝天皇陵を天皇陵と断定し、論を展開している点は疑問が残る。

2009年10月22日木曜日

日韓訓読シンポジウム

日韓訓読シンポジウム
日時:2009年11月21日(土)13:00~18:00
会場:麗澤大学 廣池千九郎記念講堂 2階
参加費:無料
定員:100名 (先着順)

【プログラム】
開会挨拶:杉浦滋子 ・梅田博之
趣旨説明:藤本幸夫
基調講演:小林芳規「日本の訓点・訓読の源と古代韓国語との関係」

講演
月本雅幸「日本における仏典の訓点の実態と特質」
小助川貞次「東アジア学術交流史から見た漢籍訓読の問題」
佐藤進「江戸時代の訓読について」
李承宰「角筆口訣の解読方法と実際」
呉美寧「韓国口訣資料及び口訣研究の現況について」
司会:千葉庄寿
総合討論 (司会:藤本幸夫,千葉庄寿)

【申込方法】
FAXまたはE-mailで申込
「日・韓訓読シンポジウム参加希望」・氏名・連絡先住所・電話番号を記入の上,
下記までお申込みください。お電話での申込受付はしておりません。
なお,参加の可否については参加証の発送をもってご連絡させていただきます。

【申込・問い合わせ先】
麗澤大学 プラザ事務課 研究支援担当 TEL:04-7173-3761
FAX:04-7173-3767
E-mail:RR-Center@reitaku-u.ac.jp

東方学会第59回全国会員総会・シンポジウムⅡ

(財)東方学会第59回全国会員総会・シンポジウムⅡ
日時:11月6日(金)
会場:日本教育会館8階会議室

シンポジウムⅡ「六朝・隋唐文学に見るアジア―芸能・思想・物語の交錯」
1:30~1:40 責任者挨拶:戸倉英美
1:40~2:10 福田素子「中国鬼話・討債鬼故事の起源と伝播―漢訳仏典から日韓昔話まで―」
2:10~2:40 岡田充博「六朝唐代の小説に見える西域起源の説話について」
2:40~3:20 葛暁音「従日本呉楽“師子”和唐楽“蘇莫者”看西域楽的東渡和演変」
3:20~3:40 休憩
3:40~4:10 戸倉英美「『青海波』―李白と源氏が愛した舞曲―」
4:10~4:30 コメント:岩本篤志
4:30~4:50 コメント:礪波護
4:50~5:10 討論

黄正建氏特別公開講義

黄正建氏特別公開講義
日時:2009年10月24日(土),午後2時~5時
会場:明治大学駿河台校舎,リバティータワー3階1032教室

プログラム:
吉村武彦「はじめに―日本における律令研究―」
黄正建「唐宋史における天聖令」
服部一隆「日本における天聖令研究の現状」

主催:平成20年度文部科学省採択【組織的な大学院教育改革推進プログラム】「複眼的日本古代学研究の人材育成プログラム」(明治大学)

唐代史研究会秋期シンポジウム

唐代史研究会2009年度秋期シンポジウム
日時:2009年11月4日(水),午後1時より
会場:京大会館211号室

報告:
王小甫「中国中古的族群凝聚―以唐代為中心」
氣賀澤保規「中日学者中国古代史論壇(北京)」
金子修一「中国唐史学会第十届年会第二次会議曁唐史国際学術研討会(重慶)」
江川式部「第九届唐代文化国際学術研討会(台北)」

2009年10月20日火曜日

テンション

家に帰ったら、テンションあがる出来事が待っていた。
久しぶりに気合いが入った。
明日から、またがんばろう。
……とはいえ、これほどテンションがあがったわけではない。

宋代史談話会

第127回 宋代史談話会
日時:11月14日(土)午後2時~5時
場所:大阪市立大学法学部棟11F711C演習室

報告者
松本保宣(立命館大学文学部教授)仮題「唐代の上奏過程と『中書門下体制』」
安田真穂(関西外国語大學国際言語学部准教授)「中国文言小説にあらわれる嫉妬~その怪異性と愛情表現~」
※なお同日同所にて法制史料講読会(『名公書判清明集』講読会)も10:30amより開催。

2009年10月18日日曜日

あれよあれよという間に


今日は久しぶりに雑務を片付ける気になり、
午前中、あれこれ処理し、ついでに読みかけの史料も読みはじめた。
ところが、昼食を食べ終えたとたん、やるきがどこかに去ってしまった。
ちゃんと戻ってきてくれるのだろうか。どうも期待薄な気がする。

朝鮮史研究会46回大会

遅くなってしまったけれど、面白そうなので一応書き込みます。

朝鮮史研究会46回大会 創立50周年記念大会
統一テーマ「戦後日本の朝鮮史学を振り返る」

日時:2009年10月17日(土)・18日(日)
会場:東京経済大学・国分寺キャンパス・6号館3階F308教室
参加費 一般1,500円 学生1,000円(2日間)

【第1日】 10月17日(土)
講演 13:00~
吉野誠「戦後日本における朝鮮史研究と研究会の創設」
宮田節子「朝鮮史研究会のあゆみ -創初から1970年まで」
総会 16:00~ (会員のみ)
懇親会 18:00~ 於・6号館7階中会議室3  懇親会費一般4,000円 学生3,000円

【第2日】 10月18日(日)
報告 10:00~15:30
井上直樹「戦後日本の朝鮮古代史研究と末松保和・旗田巍」
長森美信「戦後日本における朝鮮中近世史研究」
洪宗郁「朝鮮近代史研究における「アジア的特質」の問題-梶村・安秉〓〔王+台〕論争を中心に」
小林知子「在日朝鮮人と同時代史としての朝鮮「現代史」研究-解放・分断下における「新しい朝鮮史への要求」を辿りながら」  
総合討論  15:30~17:30

内陸アジア史学会

内陸アジア史学会2009年度大会

日程:2009年11月14日(土)
会場:関西大学千里山キャンパス第1学舎1号館3階A301教室

研究発表(午後1時~2時40分):
赤木崇敏「十世紀敦煌の王統問題」
野田仁「対清外交文書に見えるカザフの爵位」

公開講演(午後3時~5時):
村岡倫「日本モンゴル共同調査ビチェース・プロジェクトの十五年」
川口琢司「ティムールの季節移動と首都建設」

2009年10月17日土曜日

オホーツクの古代史

菊池俊彦『オホーツクの古代史』(平凡社新書、2009年10月)

貞観14(640)年、北の彼方から長安に入貢した流鬼国、
そしてさらにその北に存在したとされる夜叉国。
二国の所在地はどこなのか。彼らは一体どのような人々なのか。
オホーツク海の古代文化に焦点を当てた初の概説書(多分)。
前提知識がなかったが、研究史・考古学の成果が
わかりやすく解説してあり、面白かった。
セイウチの牙を通じて環オホーツク海交易の姿が浮かび上がってくる。


なお、今週の「天体戦士サンレッド」(ヤングガンガン連載)に
オホーツク海出身のセイウチ型怪人が登場していたが、
これは単なる偶然だろう。

2009年10月16日金曜日

九州史学会大会東洋史部会

平成21年度九州史学会東洋史部会 
日程:12月13日(日)
場所:九州大学箱崎キャンパス法文系講義棟204番教室

9:00-11:30 
植松慎悟「漢帝国の統治構造と統治思想の展開―刺史・州牧の検討を中心として―」
小野裕子「博多周辺出土の墨書陶磁器について」
奥野新太郎「劉辰翁の評点と科挙」
白井康太「明末東南沿海の海商と海寇―泉州・漳州・潮州地域を中心に―」
福田愛子「南京国民政府期における言論の自由に関する一考察」

12:40-14:40 
安藤太郎「秦漢時代における郷里社会の変質と地方統治制度の推移―地方行政史上における武帝・昭帝期の再検討―」
佐藤賢「鮮卑拓跋氏の南下伝説と神獣」
箕浦永子「清代における宗族制度下の土地建物所有―蘇州洞庭東山王氏を中心として―」
土居智典「清末予備立憲時期における地方財政機関の改編」

15:00-16:30 
滝野正二郎「清代後期、四川省南部県における場市の設立と県衙門―『南部県档案』を材料として―」
益尾知佐子「中国「改革開放」の国際的契機」
川本芳昭「稲荷山古墳鉄剣銘文と漢・北魏・元の「内朝」」

史学会大会東洋史部会

史学会第107回大会東洋史部会
日時:2009年11月8日(日)午前9時~12時・午後1時~5時
会場:東京大学本郷キャンパス,法文1号館113番教室

水盛涼一「光緒年間初葉の税制改革」
小林亮介「清末の領域国家形成と「西康省」」
森川裕貴「五四前後における高一涵の思想形成」
渋谷由紀「「極東の真珠」の解体と戦後移民」
辻明日香「一四世紀エジプトにおけるコプト大迫害再考」
阿部尚史「一九世紀後半イラン西北地方有力者の二通の遺産目録」
【昼休】
石川博樹「北部エチオピアにおけるエンセーテ利用についての史的考察」
荒木圭子「第一次世界大戦後におけるアフリカ正教会の活動」
渡邉将智「政治空間よりみた後漢政治制度」
照内崇仁「後漢の私塾についての若干の考察」
北村一仁「仇池地区と仇池諸政権」
向 正樹「変貌する大食商人」
五味知子「明末清初の「姦通誣告」と江南社会」
角谷祐一「康煕朝後半期の「内務府商人」と中央行政」

東洋史研究会

東洋史研究会2009年度大会
日時:2009年11月3日(火),午前9時~
会場:京都大学文学部新館第3会議室(2階)
参加費:500円(資料・要旨代を含む)


[午前の部]
保科季子「秦漢時代における名数の移転」
橘  誠「一九一三年の露中宣言とモンゴルの政治的地位」
川合安「南朝の新興貴族」
岡村秀典「前漢鏡とその銘文」

[午後の部]
仁子寿晴「初期イスラーム哲学における二つの形而上学―哲学構築と発出論の論理構成―」
春田晴郎「アルシャク朝パルティア政治史上の諸問題」
小泉順子「シャム近代化論の再考―チャクリー改革期における対外関係史の視点から―」
臼井佐知子「中国清代社会における各構成体機能の地域比較―訴訟関係文書を資料として―」
小林善文「現代中国における陶行知教育思想の継承と展開」
森安孝夫「中央アジア出土古ウイグル手紙文書の書式研究・序説」

永青文庫に行く

神田川沿いで猫たちが日向ぼっこをしている中、
永青文庫の秋季展「黄庭堅・伏波神祠詩巻」に行ってきた。
ひとけもなく、ひっそりとした永青文庫。ゆっくり参観できた。
黄庭堅の伏波神祠詩巻がメイン。書道はよくわからないが、
のびやかで自由な書風は確かに面白い。高村光太郎の批評がまたいい。
所有印を見ると、明代のコレクター項元汴が20か所ほど印を押している。
それは押しすぎじゃないかなぁ。 

敦煌本『文選注』も展示していたので、じっくり観察。
他には三体石経の尚書部分の拓本や、
元・趙孟頫筆「漢汲黯伝」(『史記』巻120・汲黯伝)、
明・清の書、袁世凱の白玉印なども展示してあった。

図録はないが、『季刊 永青文庫』No.68が、特集号となっている。
見本を眺めていたら、堀江敏幸のエッセイ(「坂を見上げて」)が掲載されていた。
まさか永青文庫で堀江敏幸の文章に出会えるとは。速買い決定。他の記事もなかなかおもしろい。

ベトナム黎鄭政権の官僚機構

上田新也「ベトナム黎鄭政権の官僚機構―18世紀の鄭王府と差遣―」(『東洋学報』91-2、2009年9月)

18世紀のベトナム黎朝における権力二重構造(黎朝皇帝と鄭王)について分析。
黎朝前期の官僚体系を維持しつつ、鄭王府系組織が政治の実権を掌握。
黎朝系組織の形骸化が進行したのにともない、
黎朝の官職を帯びつつ、鄭王府へ差遣されるようになり、
黎朝の官職は散官化しつつあった。
しかし、王朝の正統性はあくまで黎朝に求められたため、
黎朝系官職は廃止されず、 差遣が活用され続けた。
「おわりに」では、黎鄭政権を日本の幕藩体制と比較する視座を提供している。
権力の二重構造は時代・地域が異なっても存在する問題であり、
とても興味深く、おおいに参考になった。

唐代詔勅文中の則天武后の評価について

金子修一「唐代詔勅文中の則天武后の評価について」(『東洋史研究』68-2、2009年9月)

唐代の詔勅中の歴代唐朝皇帝や則天武后の記述について検討。
中宗・睿宗朝までは、則天武后に対する皇帝の称号がなくなるものの、
武后に言及して、皇帝クラスとして扱い続けたが、
玄宗朝以降、武后に言及する詔勅は見られず、
則天武后の存在を否定する方向が明瞭となった。
儀礼・皇帝祭祀の実施に関わる詔勅・大赦文などを分析し、
唐朝の歴史意識や政治状況の解明に迫った論文。とても興味深く、参考になる。
官僚層の則天武后観にも変化はあったのだろうか。

三燕文化

飛鳥資料館では、今日10月16日より、
平成21年度秋期特別展「北方騎馬民族のかがやき 三燕文化の考古新発見」を開催。
日時:10月16日(金)~11月29日(日)*期間中無休
場所:飛鳥資料館 特別展示室時間:午前9時~午後4時半(入館は4時まで)
主催:奈良文化財研究所飛鳥資料館 遼寧省文物局後援:朝日新聞社
料金:一般260円(170円) 大学生130円(60円) 高校生以下無料 ( )は20名以上の団体

展示品:遼寧省出土三燕文化考古資料84点4C初頭から5C中葉まで
中国遼寧省西部を中心に勢力を誇った騎馬民族国家の3つの「燕」国の文化について、
日中共同研究の成果を紹介。
三燕文化考古資料やその影響を受けた日本の出土品もあわせて展示。

域外漢籍シンポジウム

文科省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」企画特別シンポジウム    
東アジア漢籍交流シンポジウム in 京都―「域外漢籍」の研究価値を考える― 
主 催:文部科学省特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成」文化交流部門調整班&「日本における中国古典文学の伝播とその展開に関する研究」班

日時:2009年11月14日(土曜日) 9:30開場 参加費無料
場所:同志社女子大学「寒梅館」6階大会議室

〈第1部 「域外漢籍研究」の定義とその成果〉
10:00~10:20 張伯偉(南京大学〔域外漢籍研究所長〕):「作為方法的漢文化圏」
10:20~10:40 金 程宇(南京大学):「海印寺雑板本『唐賢詩範』初探」

〈第2部 日本から見た域外漢籍研究〉
11:00~11:20 蔡 毅(南山大学):「補遺輯佚、索隠鈎沈―東亜漢籍研究的「互補」意義」
11:20~11:30 陳 チュウ[羽中](九州大学専門研究員):「『集注文選』の成立過程について」
13:00~13:20 副島 一郎(同志社大学):「中国文章論の受容と和文規範意識の形成」
13:20~13:40 陳捷(国文学研究資料館):「羅振玉所介紹的日本漢籍与其研究」

〈第3部 中国古代文学研究と域外漢籍〉
14:00~14:20 張健(香港中山大学):「日本詩文評類漢籍与中国文学批評研究」
14:20~14:40 胡 可先(浙江大学):「新出土唐代詩人墓誌研究」
14:40~15:00 王 水照(復旦大学):「中国宋代文学研究的現状与展望」

〈第4部 総合討論〉15:20~17:00 
司会 静永 健(九州大学)
報告言語:漢語、または日本語。
参加申し込み:10月31日(土)までに、下記の事務局に葉書でご連絡下さい。 
※閉会後、懇親会も予定しています(有料)
シンポジウム準備局(参加申し込み先)
〒812-8581 九州大学文学部中国文学研究室「域外漢籍シンポジウム」事務局宛

古典籍展観大入札会

平成21年度古典籍展観大入札会。
一般展観は、11月13日(金)10:00~18:00、11月14日(土)10:00~16:30。
会場は東京古書会館。

出品目録抄より漢籍・経典などを抜き出すと以下の通り。
●論語義疏十巻 梁・皇侃疏 室町末期写…五冊
●光明皇后御願経 中阿含経巻第十一 天平十二年五月一日記…一巻
●二月堂焼経 天平時代写…一幅
●絵因果経切 平安初期 報恩院本系 経文八行 彩色画入…一紙
●薬師寺魚養経 大般若波羅密多経巻第五百七十四 奈良時代写…一巻
●大般若波羅密多経巻第四百三 足利尊氏願経…一帖
●胎蔵界金剛界 灌頂作法次第 平安時代頼豪、安元二年明雲筆…二冊一巻
●奈良絵巻二十四孝 江戸前期写 金泥彩色…二巻
●武仙 中国歴代名将画巻 三十六名将図 極彩色絵巻…一巻
●韻府群玉 南北朝頃刊 五山版 三井家旧蔵…十冊
●直江版 文選 慶長十二年刊 古活字版 高木文庫・安田文庫旧蔵…三一冊
●百万塔並自心院陀羅尼 天平神護 景雲頃製…一基一巻
●二十四孝関係コレクション 寛永頃版二十四孝、対類二十四孝等約三十種…一括
●宝篋印陀羅尼経 宋太祖開宝八年刊 重要美術品認定…一巻
●広韻第一巻 元版 零巻…一冊
●宣和書画譜 嘉靖十九年序刊 宝玲文庫旧蔵…八冊
●山海経釈義 万暦四十七年跋刊 図七十五葉…八冊
●鄭道昭全碑 銀山荘旧蔵…六帖

杏雨書屋展示会

杏雨書屋では、来月より第53回特別展示会
「和漢の本草書―中世以前の写本と刊本―」を開催。
会期は、2009年11月9日(月)~11月13日(金)の午前10時~午後4時
11月14日(土)は午前10時~午後5時。
会場は、武田科学振興財団 杏雨書屋,2階展示室。

主な展示品は以下の通り。
龍谷大学図書館所蔵敦煌本『本草集注』
杏雨書屋所蔵敦煌秘笈『新修本草』
弘治本『本草品彙精要』など。


関係講演会:杏雨書屋第24回研究講演会
日時:2009年11月14日(土),午後1時~3時
会場:大阪リーガロイヤルホテル,2階「山楽の間」

岩本篤志(新潟大学)「敦煌と『新修本草』―なぜそこにあったのか―」
上山大峻(龍谷大学名誉教授)「敦煌本『本草集注』について」

申込み:電話,ファックス,葉書,Eメールなどで,以下に(11月12日まで)
電話:06-6300-6815 ファックス:06-6300-6034
葉書:532-8686大阪市淀川区十三本町2-17-85,武田科学振興財団 杏雨書屋

2009年10月15日木曜日

心象風景

やる気が湧いてきません……。

2009年10月14日水曜日

書道博物館の展覧会

書道博物館では、10月6日(火)から12月23日(水)まで、
中村不折コレクション 「顔真卿特集」を開催中。
30点ほどの顔真卿の書を展示している。

永青文庫の秋期展

永青文庫では、現在秋季展示の
「黄庭堅・伏波神祠詩巻~中国大書家の気に触れる~」を開催中。
期間は9月19日(土)~12月27日(日)。

主な展示品は以下の通り。
重要文化財 黄庭堅筆「伏波神祠詩巻」北宋時代・建中靖国元年(1101)
黄庭堅書「幽蘭賦 拓本」北宋時代(11~12世紀)
「敦煌本文選注」唐時代(7~8世紀)など。

五島美術館の次回展覧会

五島美術館では、10月24日(土曜)から11月29日(日曜)まで
「大東急記念文庫創立60周年記念特別展―伝えゆく典籍の至宝―」を開催。

奈良~江戸時代にかけての国宝・重要文化財30余点を
含む書物や絵画の名品約150点を展覧。
漢籍には、『史記』孝景本紀第十一(1073年写・国宝)や
『白氏文集』(鎌倉時代写・重要文化財)などがあるらしい。

講演会は以下の通り
10月31日(土)「文庫で出会った巨星たち」 岡崎久司氏(早稲田大学客員教授)
11月3日(祝)「書肆丹波屋理兵衛の生涯 出陳書『遊子方言』に因んで」 
中野三敏氏(九州大学名誉教授)
11月22日(日)「延慶本平家物語の世界」 佐伯真一氏(青山学院大学教授)

各日午後2時より(開場・受付は午後1時)於五島美術館別館講堂 
当日入館者聴講無料。椅子席100名先着順。午後1時より聴講整理券を発行。

幽霊と星空

先週はずっと、古本屋で購入した、
澤田瑞穂『修訂 中国の呪法』(平河出版社、1990年)
澤田瑞穂『修訂 鬼趣談義』(平河出版社、1990年)
澤田瑞穂『修訂 地獄変』(平河出版社、1991年)
を読んでいた。

中国の幽霊や地獄は、とっても人間臭い。
なんとなく乾いている感じ。
京都にいったばかりの友人が、
昨日、偶然にも子育て飴と小野篁の話をした。
日本が舞台になると、なんだかしっとりしていて薄気味悪い。


今日は、
福島久雄『孔子の見た星空―古典詩文の星を読む』(大修館書店、1997年)
を読み終えた。
歳差や暦などの関係で、現在の星空と中国史上の人物が見た星空が
異なることに注意し、 天体関係の漢詩文を再解釈している。
「北辰」が「北極星」ではないという指摘に目から鱗が落ちた。
天体関係の文章を解釈する際には注意していかないとなぁ。

2009年10月7日水曜日

橋と異人

相田洋『橋と異人―境界の中国中世史―』(研文出版、2009年9月)


『異人と市』に続く境界もの。
宿屋・茶館・橋といった境界領域、
無頼・侠女・用心棒といった異人(境界的人間)を取り上げる。
特に宿屋と無頼が印象深い。というより恐ろしい。
境界って何が起きても不思議じゃないんだなぁ。

2009年10月6日火曜日

中国の猫


中国河南省安陽県にて撮影

地方都市の猫はなんだか貧相。

2009年10月4日日曜日

論語

橋本秀美『『論語』―心の鏡』(岩波書店、2009年9月)

後漢の鄭玄・曹魏の何晏・梁の皇侃・南宋の朱熹など、
様々な時代の『論語』解釈を通じて読む『論語』。
『論語』の真意を特定することの困難さを述べ、
各時代でどのように読まれたかが重要であるとする。
おおいに参考になり、大変おもしろかった。
『論語』などの古典を諸史料の語句の出典として示す際には、
注意しなければいけないと自戒。

宜しくお願いします


これから、ちょくちょく更新していきたいと思います。