2010年3月19日金曜日

チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展


江戸東京博物館で開催中の
「チンギス・ハーンとモンゴルの至宝展」に行ってきました。

図録には、
後援:中国大使館
協力:中国・内モンゴル博物院、日本航空
企画制作:東映
とあります。


内モンゴル博物院所蔵の文物が中心。
チンギスハーンと銘打っているものの、
東胡(戦国時代)、匈奴(漢代)、鮮卑(魏晋南北朝)、
突厥(唐)、契丹(遼)の文物が、全体の約4割と充実している。
匈奴・鮮卑の金製・銅製の動物をモチーフにした装飾品や、
晋が鮮卑にあたえた金印・銀印、
遼の陳国公主墓出土の黄金のマスクなどなど。

一方、チンギス・ハーン時代や元代の文物は、全体の25%程度。
伝チンギス・ハーンの鞍とか、監国公主の印鑑とか、
至元通行宝鈔紙幣とか、景教徒の墓誌などが面白かった。
ただし、あくまで内モンゴル博物院所蔵文物が中心なので、
元朝の陶磁器などは、殆ど出ていない。

残りは、あまり紹介されることのない、明清時代のモンゴルの文物。
印鑑とか服飾とか日用品とか。
駒が動物ばかりの、清代のモンゴル将棋(シャタル)が気になった。
ルールは、チェスと中国将棋の特徴を兼ね備えているらしい。


解説文が中文を日文に直訳したような感じで、どうもしっくりこなかった。
会場に掲げてあったモンゴル帝国の地図も、地名が全て簡体字表記になってるし。
文物はまあまあのものが来てるのに、ちょっとなんだかなぁ。