2009年12月23日水曜日

感染症の中国史

飯島渉『感染症の中国史―公衆衛生と東アジア―』(中公新書、2009年12月)

『ペストと近代中国』や『マラリアの帝国』の著者のはじめての新書。
新書とか出ないかなぁ、と思っていた研究者の一人。
専門書のエッセンスが凝縮されている感じ。

19世紀末、ペスト・コレラなどの感染症の流行を契機に、
公衆衛生の確立を迫られた中国の苦闘を描く。
中国と帝国日本(植民地)の公衆衛生の関係も指摘。
列強諸国・帝国日本が植民地に行った公衆衛生事業について、
単なる「善政」ととらえるのではなく、植民地化の過程としてとらえる必要性を述べる。