2012年2月14日火曜日

漢字の魔力

佐々木睦『漢字の魔力―漢字の国のアリス』(講談社選書メチエ、2012年2月)

アリス、いや愛麗絲を狂言回しとして、
摩訶不思議な漢字の世界を探検。
福をさかさまにした倒福・招財進宝の合体文字からはじまり、
名前の秘密、漢字占い、外国企業や地名の漢字表記、
惜字運動、漢字遊戯(図形遊戯詩)などなど、
漢字の妖しい魅力にどっぷり浸れる。

192頁の図61には、漢字に擬態する英字を取り上げているが、
これは明らかに現代アーティストの徐冰の作品(新英文書法)。
徐冰も取り上げてくれるかと思いきや、出てこなかった。残念。
新英文書法のほかにも、天書とかいろんな文字作品があるのだけどなぁ。

でも、215~216頁で、香港の「九龍皇帝」曾灶財を
取り上げていてビックリ。九龍皇帝はある日突然、
香港は先祖に賦与された土地なので、
すべて私のものだ!と考え、あらゆる場所に
「皇帝家」の系譜と支配地名を筆書してまわり、
そしていつしか現代アートとして認知された人物。
上の写真は、家にあったオークションカタログの一部。
『漢字の魔力』は、彼について、香港を「漢字帝国として捉えた際に、まぎれもない象徴であり、皇帝にふさわしかったと言えよう」と評価している。納得。

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追記:2012年2月14日21時10分
2011年4月20日~5月31日に、
香港で「九龍皇帝的文字楽園」という展覧会が
開かれていたそうです。知らなかった……。
300点を超える作品とともに皇帝の生涯をたどったようです。
http://www.designerhk.com/date/5574