2010年10月2日土曜日

漢字・七つの物語

松岡榮志『漢字・七つの物語―中国の文字改革一〇〇年―』(三省堂、2010年9月)

民国期から現在までの漢字改革運動(漢字廃止論・簡体字化)の流れを詳細に解説。第六章「漢字とコンピュータ」では、漢字のコード化について紹介。

簡体字化したことの一般的な意義はさておき、
学術論文や校注などでは、なるべく繁体字(旧字)を使ってほしいなぁ、
と思います。せめて、論文中の引用史料は繁体字にしてもらえないだろうか……。
まぁ、僕自身、引用史料には「原文になるべく近い繁体字を用いる」という
あいまいなルールでやっているので、人のこと言えませんが。

でも、簡体字しか使っちゃいけないとなると、
例えば、乾隆帝の避諱のため「暦」を「歴」に改めた、
という文章の意味が通じなくなってしまうんですよね(簡体字だと両方「历」)。
やっぱり、これはちょっとまずいような気がします。

日本の新字体・旧字体問題も含めて、
なかなか解答の見えない問題です。

第61回日本道教学会大会

第61回日本道教学会大会
日時:2010年11月13日(土)
会場:関西大学千里山キャンパス第一校舎5号館6階E601~603

報告
[午前の部] 10:00~11:50
二ノ宮聡「旧北京の碧霞元君信仰―妙峰山娘娘廟会を中心に―」
王晧月「道教の斎法儀礼における命魔の観念」
鈴木健郎「白玉蟾と道教聖地」
[午後の部] 13:00~14:10
田村俊郎「両晋南北朝時代における観音の偽経とその展開―『高王観世音経』を中心に―」
坂出祥伸「江戸時代中期の山口貫道著『養神延命録』について」

国際シンポジウム「道教研究の新側面―周縁からのアプローチ―」14:30~17:00
増尾伸一郎「日本からの視点」
鄭在書「韓国からの視点」
大西和彦「ベトナムからの視点」