2012年2月4日土曜日

東方学123

『東方学』123(東方学会、2012年1月)

目次は以下の通り。
[論文]
三浦國雄「 『朱子語類』の読まれ方―新発田藩の一儒者の書き入れをめぐって」
新見まどか「唐代後半期における「華北東部藩鎮連合体」 」
山崎藍「死者を悼んで旋回する―元禛「夢井」における「遶井」の意味」
伊藤一馬「南宋成立期の中央政府と陝西地域―「宋西北辺境軍政文書」所見の赦書をめぐって」
伴俊典「江戸期における『水滸伝』全訳の成立」
蕭涵珍「笠亭仙果の『七つ組入子枕』にみる李漁の『十二楼』―「合影楼」を中心として」
福嶋亮太「進化の形成物としての白話―胡適の言語観およびコミュニケーション観の再検討」
青野道彦「僧残罪を犯した比丘尼の謹慎処分―パーリ律註釈文献を中心に」

[内外学会消息]
高田時雄「ロシア科学アカデミー東洋写本研究所と『東洋の文献遺産』誌など」
金子修一「中国留学と二つの学会」

[座談会]
「学問の思い出―池田温先生を囲んで」
〔出席〕 池田温、任大煕、大津透、金子修一、窪添慶文、小口彦太、坂上康俊、土肥義和

[追悼文]
小野山 節「有光教一先生の御功績と学恩を顧みて」
土田健次郎「楠山春樹先生を偲ぶ」


三浦論文では、「辺縁に生きた一儒者」のなまの思考の断片に触れられる。三浦氏が提唱する「書き入れ学」も大変面白そう。
山崎論文では、死者を悼んで墓・棺の周囲を廻る習俗に言及している。盆などのお墓参りの際に墓をぐるぐるまわるという友人の故郷の習俗を思い出した。
座談会も読みごたえあり。