2013年2月4日月曜日

東方学125

『東方学』125(東方学会、2013年1月)
目次は以下の通り。

[論文]
藤井省三「魯迅恋愛小説における空白の意匠 ―「愛と死(原題:傷逝)」と森鷗外「舞姫」との比較研究―」
島田悠「西晋における礼・法と政局の関係」
武井紀子「古代日本における贓贖物の特徴」
彭浩「18世紀日清貿易における中国商人の組織化 ―額商の成立と貿易独占を中心に―」
田中智行「 『金瓶梅』張竹坡批評の態度―金聖歎の継承と展開―」
喬玉鈺「清代女性詩人の非業の死に見る才女の内面世界と社会背景 ―上海の李媞を中心に―」
川島優子「江戸時代における「資料」としての『金瓶梅』 ―高階正巽の読みを通して―」

[翻訳]
牛来穎著、江川式部訳「唐宋の贓贖銭物と国家地方財政―『天聖令』を中心に―」

[内外東方学界消息]
東野治之「日本国号の研究動向と課題」
丸山裕美子「2011年北京、三つの研究会レポート―天聖令・古文書・大唐西市墓誌―」
小川英世「第15回国際サンスクリット学会報告」
妹尾達彦「ケンブリッジ中国学の昨今」

平成24年度第31回東方学会賞発表
平成24年度秋季学術大会講演・研究発表要旨

[座談会]
「先学を語る―島田虔司先生―」 〔出席〕小野和子、狭間直樹 (司会)、三浦國雄、森紀子、吉川忠夫

[追悼文]
藪司郎「恩師西田龍雄先生を偲ぶ―先生のチベット=ビルマ語研究―」
庄垣内正弘「哀惜 西田龍雄先生」


盛りだくさんの内容。珍しく『金瓶梅』関係の論文が二つもある。
武井論文は、牛論文のもとになった報告に基づいていて、相互に参照することができる。
東野論文は、日本国号について、一時期話題になった「禰軍墓誌」に言及。墓誌の読解に関しては、いくつか疑問もあるが、墓誌中の「日本」が「日本国号」ではない、という結論は定着しそうな印象。

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