金文京『水戸黄門「漫遊」考』(講談社学術文庫、2012年8月)
「この紋所が目に入らぬか!」でおなじみの水戸黄門。
彼には、日本・中国・朝鮮に仲間がいた。
中国の包拯に劉知遠、朝鮮の暗行御史、北条時頼……。
黄門さまの「漫遊」の起源をめぐって、
古代から現代、ギリシャ・インド・中国・朝鮮・日本、
王の巡幸・芸能者・スパイ、
神話学・民俗学・歴史学・文学、
講談・小説・映画・テレビと「漫遊」し、
その行き着いた果てに明かされる意外な印籠の起源。
お隣の中国では、今でも黄門の仲間たち(特に清の皇帝)は元気だが、
日本では、ついに2011年にテレビドラマ『水戸黄門』が終焉を迎えた。
善意の権力者が民衆を救うという物語が、
フィクションであっても成立しない時代が来たのかもしれない。
もうすぐ出版されるはずの冲方丁の『水戸光圀』は、
一体、どんな水戸黄門を描くのだろうか。
なお、先日まで、ファン・ヒューリックの狄(ディー)判事シリーズを読んでいたのだけど、本書には取り上げられていなかったが、彼も水戸黄門の仲間であることは間違いない。
原書は、金海南名義で1999年に新人物往来社から刊行。
う~ん、知らなかった。
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