2010年10月2日土曜日

漢字・七つの物語

松岡榮志『漢字・七つの物語―中国の文字改革一〇〇年―』(三省堂、2010年9月)

民国期から現在までの漢字改革運動(漢字廃止論・簡体字化)の流れを詳細に解説。第六章「漢字とコンピュータ」では、漢字のコード化について紹介。

簡体字化したことの一般的な意義はさておき、
学術論文や校注などでは、なるべく繁体字(旧字)を使ってほしいなぁ、
と思います。せめて、論文中の引用史料は繁体字にしてもらえないだろうか……。
まぁ、僕自身、引用史料には「原文になるべく近い繁体字を用いる」という
あいまいなルールでやっているので、人のこと言えませんが。

でも、簡体字しか使っちゃいけないとなると、
例えば、乾隆帝の避諱のため「暦」を「歴」に改めた、
という文章の意味が通じなくなってしまうんですよね(簡体字だと両方「历」)。
やっぱり、これはちょっとまずいような気がします。

日本の新字体・旧字体問題も含めて、
なかなか解答の見えない問題です。

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