2010年9月30日木曜日

書誌学のすすめ

高橋智『書誌学のすすめ―中国の愛書文化に学ぶ―』(東方書店、2010年9月)

第Ⅰ部「書誌学のすすめ」、第Ⅱ部「書物の生涯」、第Ⅲ部「書誌学の未来」。
第Ⅰ部・第Ⅱ部は、『東方』の連載記事(2003年1月~2004年12月、2006年6月~2008年1月)をまとめたもの。第Ⅲ部は書き下ろし。

体系的な書誌学の概説書というわけではなく、
書誌学に関する具体的な逸話を集積するなかで、
書誌学の魅力に迫っている。図版も多くて、よみやすい。
書誌学というと、型式論・年代比定のイメージが特に強かったけれど、
「書物」自体の流転の歴史を明らかにする学問でもあると実感。

なお、副題に「中国の愛書文化」とあるように、あくまで宋元以降の版本・写本がメインで、唐写本の流れをくむ日本の古写本(旧抄本)については、あまり触れていない。

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