2011年1月26日水曜日

後漢洛陽城における皇帝・諸官の政治空間

渡邉将智「後漢洛陽城における皇帝・諸官の政治空間」(『史学雑誌』119-12、2010年12月)

両漢の皇帝支配体制について、政治空間面から検討。
皇帝の執務場所・生活空間と諸官の執務場所の位置関係を明らかにし、後漢の政治制度の基本的構造・形成過程に迫っている。
その結果、後漢は、前漢の政治制度を大幅に改編し、
新たな支配体制の構築を図っていたとする。
唐代長安や南朝の建康の政治空間については、
検討が進められているが、後漢洛陽城ではほぼ初の試み。
大変、興味深く、参考になった。

また、後漢和帝期以降の洛陽城の宮殿配置の概念図も示してあり、魏晋洛陽城との関係を検討する際に、大いに参考になるものと思われる。中国都城史の視点からみても、注目すべき研究なのではないだろうか。

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