2010年11月25日木曜日

『続「訓読」論』

中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉編『続「訓読」論―東アジア漢文世界の形成―』(勉誠出版、2010年11月)

2008年に出た『「訓読」論―東アジア漢文世界と日本語』の続編で、
これまたにんぷろの成果。
第Ⅰ部:東アジアにおける「知」の体内化と「訓読」
第Ⅱ部:近世の「知」の形成と「訓読」―経典・聖諭・土着―
第Ⅲ部:「訓読」と近代の「知」の回廊―文学・翻訳・教育―
合計16本の論文が並ぶ。前回と違って、日本だけでなく、
朝鮮半島や満洲語も取り上げられている。

特に印象深かったものは、
中村春作「琉球における「漢文」読み―思想史的読解の試み―」と
川島優子「白話小説はどう読まれたか―江戸時代の音読、和訳、訓読をめぐって―」。
中村論文は、琉球における多層的な言語状況と変遷についてまとめている。
川島論文は、江戸後期の金瓶梅読書会が残した史料を用いて、
当時、どのように白話小説を読んでいたかを明らかにしている。

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