岡村道雄『旧石器遺跡捏造事件』(山川出版社、2010年11月)
旧石器遺跡捏造事件の「第一次関係者」に
位置付けられてしまった著者が語る旧石器遺跡捏造事件。
各遺跡における捏造の状況などを紹介し、
25年間にわたって、捏造を見抜けなかった背景を説明している。
疑問ある石器でも、自説に近ければ問題視せず、
合理化を図っていた様子が描かれている。
一般向けということで、詳細な分析などは無いし、
先日読んだ『旧石器捏造事件の研究』の疑問が
解消されるわけではないけれど、これはこれで、一気に読んでしまった。
212頁~216頁には、2009年末に藤村新一氏に会った時のある意味衝撃的な様子が記されている。結局、捏造事件については何も語らなかったらしい。
当事者が語らない(語れない)以上、
これ以上、事件の真相を追うのは難しいだろうなぁ。
ただ、『旧石器捏造事件の研究』や本書でも指摘されているように、
考古学界の一部で、捏造事件の教訓が生かされてない状況にあるのが怖い。
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