2010年6月5日土曜日

東アジアを結ぶモノ・場

『アジア遊学132 東アジアを結ぶモノ・場』(勉誠出版、2005年5月)

今回は、日本と中国を行き来したモノを中心に、
東アジア海域世界の多様性・多義性を浮かび上がらせようとしている。

目次は以下の通り。
久保智康「海を渡った密教法具」
佐々木守俊「入唐僧と檀印」
瀧朝子「仏像とともに海を渡った鏡―清凉寺釈迦如来像―」
吉村稔子「平安時代中期の天台浄土教とその美術」
荒木浩「モノの極北―ツクモ・心・コトバ―」
山内晋次「『香要抄』の宋海商史料をめぐって」
高橋昌明「宋銭の流通と平家の対応について」
横内裕人「久米田寺の唐人―宋人書生と真言律宗―」
蓑輪顕量「麈尾と戒尺」
西山美香「浄智寺の奇瑞―福州版大蔵経焼失と舎利現出―」
水越知「「忠臣」、海を渡る―日中における文天祥崇拝―」
西谷功「楊貴妃観音像の〈誕生〉」
荒木和憲「中世対馬宗氏領国の海域交流保護政策」
橋本雄「大内氏の唐物贈与と遣明船」
伊藤幸司「硫黄使節考―日明貿易と硫黄―」
藤田明良「明清交替期の普陀山と日本―大蔵経日本渡来事件を中心に―」
松島仁「〈中華〉の肖像、あるいは徳川日本のセルフイメージ」
澤田和人「慶長小袖の時代性―中国・韓国の染織品と比較して―」
松尾晋一「港町長崎の危機管理―転換点としてのフェートン号事件」

ほとんどが中世以降。全体的に仏教関係が多い。
日中交流中心で、朝鮮半島や琉球はあまり取り上げられていない。
個人的には、山内晋次氏・水越知氏・橋本雄氏・伊藤幸司氏・
藤田明良氏・松島仁氏の論稿が興味深かった。

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