2010年4月25日日曜日

『水滸伝』の衝撃

稲田篤信編『アジア遊学131 『水滸伝』の衝撃―東アジアにおける言語接触と文化受容』(勉誠出版、2010年3月)

『アジア遊学』の最新号は水滸伝特集。
「中国における成立と展開」・「東アジア言語文化圏の中で」・
「水滸伝と日本人」の三部構成。
目次は以下の通り。

○中国における成立と展開
佐竹靖彦「水滸伝の時代―江湖無頼の英雄から中華の英雄へ」 
佐藤晴彦「『水滸傳』は何時ごろできたのか?―異体字の観点からの試論」 
小松謙「水滸雑劇の世界―『水滸伝』成立以前の梁山泊物語」 
笠井直美「誰が小衙内を殺したか―『水滸伝』における「宣言としての暴力」の馴致」 
周以量「明清の水滸伝」 
劉岸偉「李卓吾は何故『水滸伝』を批評したのか」 
岩崎菜子「現代中国の伝統文化復興と蘇る『水滸伝』もの」 

○東アジア言語文化圏の中で
竹越孝「『語録解』と『水滸伝』」 
岡田袈裟男「異言語接触と『水滸伝』注解書群」 
小田切文洋「水滸語彙への関心と水滸辞書の成立」 
奥村佳代子「岡島冠山の唐話資料と『忠義水滸伝』―「水滸伝」読解に与えた見えない影響」 
稲田篤信「平賀中南―「水滸抄訳序」注解」 
中村綾「『水滸伝』和刻本と通俗本―『忠義水滸伝解』凡例と金聖歎本をめぐって」

○水滸伝と日本人
渡邉さやか「『本朝水滸伝』と弘前の祭礼」 
田中則雄「水滸伝と白話小説家たち」 
小澤笑理子「上田秋成と『水滸伝』一考察―魯智深で読む「樊噲」」 
井上啓治「京伝『忠臣水滸伝』と『水滸伝』三種」 
藤沢毅「栗杖亭鬼卵作『浪華侠夫伝』―枠組みと反体制としての「水滸伝」」
鈴木圭一「建久酔故傳」 
神田正行「『水滸伝』の続書と馬琴」 
黄智暉「曲亭馬琴における「翻案」と「続編」の問題―『水滸伝』と『水滸後伝』の受容をめぐって」 
石川秀巳「〈江戸の水滸伝〉としての『南総里見八犬伝』」 
佐藤悟「『傾城水滸伝』の衝撃」 
安田孝「露伴の翻案・翻訳」

どちらかといえば日本における『水滸伝』受容がメイン。
竹越孝「『語録解』と『水滸伝』」は、
朝鮮で作られた水滸伝語彙辞典を取り上げている。

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