
「伝えゆく典籍の至宝」を見に行ってきました。
漢籍以外、あまり興味ないので、すぐに見終わるかなぁ、
なんて思って行ったのだけど、想定外の面白さでした。
さすが五島美術館。
まず興味をひかれたのが、「金光明最勝王経」。
奈良時代の写本なのだけど、
平安時代のヲコト点(多分、博士家系統)がつけられている。
写本の作成年代と読まれた時期が違っているのが興味深い。
また、平安時代後期に作られた類書(『幼学指南鈔』)や、
『伊呂波字類抄』・『和妙類聚抄』などの古辞書の写本も面白かった。
もちろん、金沢文庫本『白氏文集』・『論語集解』・駿河版『群書治要』・
秀頼版『帝鑑図札』などなど、漢籍も非常に充実してました。
なかでも古典籍展観大入札会で手に取った直江版『文選』が、
ケースの中で鎮座しているのを見た時は妙に嬉しかったです。

藤原頼長の手跋のある『因明論疏』。
頼長は、政治家として、そして保元の乱の
中心人物として有名だけど、
ものすごい読書家としても名高い。
でも、彼の字はマジックペンで書いた
みたいで、お世辞にも名筆とはいえない。
なんだか親近感を覚えた。
解説には、悪筆をむしろ顕示していた、とある。
ますます、いいなぁ。
と、そんなこんなであっというまに時間が過ぎてしまい、
庭園を散歩する時間はおろか、
江戸期の写本・刊本をゆっくりみる時間もなくなってしまいました……。残念。
満足そうにぬくそうな顔をしている。
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