2010年7月3日土曜日

歴史評論723

『歴史評論』723(校倉書房、2010年7月)は、「特集/60年安保から半世紀」。
目次は次の通り。
渡辺治「安保闘争の戦後保守政治への刻印」
岡田一郎「日本社会党と安保闘争」
三宅明正「「六〇年安保」と労働者の運動」」
谷川道雄「戦後歴史学と「国民」」

普段、『歴史評論』は買ってないし、
「安保闘争」にそこまで関心があるわけでもない(全くないわけでもないけど)。
ただ、今回は興味を引くタイトルがあったので購入。
だが、しかし……。


なお、特集外の【歴史のひろば】は次の通り。
髙橋亮介「日韓中西洋古代史学界の交流と動向」
金悳洙「韓国における西洋古代史研究」
次号には晏紹祥「中国における西洋古代史研究」が載るらしい。
韓国・中国の西洋古代史の研究状況を知る機会は、中々ないので興味深い。

2010年6月30日水曜日

地図帳中国地名カタカナ現地音表記の怪

明木茂夫『地図帳中国地名カタカナ現地音表記の怪―「大運河」が「ター運河」とはこれいかに』(一誠社、2010年5月)

地図帳における中国地名のカタカナ表記の奇妙さについて論じた小冊子。
中京大学の紀要などの連作論文のエッセンスを凝縮したものらしい。
確かに最近の地図帳にはカタカナ表記が多いなぁ、と思っていたけど、
まさか漢字を一切排除した地図帳がどんどん増加しているとは。
しかも、カタカナ表記のみで一部の公務員採用試験が行われたりしているらしい。

にしても、万里の長城を「ワンリー長城」って表記するのは無しでしょ。
笑ってよんでたけど、だんだん怖くなってきた。
やっぱり最低限、漢字も一緒に表記しないとだめだと思うのだけど。

汲古57号

古典研究会編『汲古』第57号(汲古書院、2010年6月)

目次は以下の通り。
小林芳規「日本のヲコト点の起源と古代韓国語の点吐との関係」
王宝平「康有為『日本書目志』出典考」
下田章平「完顔景賢撰・蘇宗仁編『三虞堂書画目』について」
志村和久「較新の漢字研究」
恩田裕正「『朱子語類』巻九十四訳注(九)」
平勢隆郎「正しからざる引用と批判の「形」―小沢賢二『中国天文学史研究』等を読む―」
田中大士「春日本万葉集の完全に残る例―付春日懐紙の総数再考―」
舟見一哉「伝足利義視筆『徒然草』の古筆切をめぐって」
岩本篤志「東条琴台旧蔵『君公御蔵目録』小考―高田藩榊原家の資料群の変遷に関連して―」

王論文と岩本論文からは、目録学の大変さと面白さが伝わってきた。
数千のデータを比較するなんて、気が遠くなりそう。まねできないなぁ。
あと、意外に舟見論文が読みやすかった。
これまで古筆切に関する文章は、専門的すぎてよくわからなかったけど、
舟見論文では、古筆切から室町時代の『徒然草』の受容状況に迫っていて、
興味深かった。

いろんな意味で今回の『汲古』は面白い。

2010年6月27日日曜日

落合多武展

一応、このブログでは現代アート鑑賞も特色の一つにしてるのですが、
なかなかアップできないでいます。前回アップしたのは四月上旬。
いまはもう六月末。時間がたつのは早いものです。

ちょっと前のことになりますが、ワタリウム美術館で開催中の
「落合多武展―スパイと失敗とその登場について―」に行ってきました。
ドローイング、映像、写真などなど。ノンジャンルな感じ。



とりあえず、全作品(21点)の三分の一近くに、
なんらかの形で猫が関わっている。
そういえば、ポスターも黒猫っぽいと言えなくもない。
猫好きなのかな。

「バランス」という反対語を羅列した作品(作者が考える反対語)では、
猫の反対語として名刺が選ばれていた。なんとなく納得。

「猫彫刻(スティーブン)」は、二つの穴があいた板の周りを、
猫がちらちらっと登場する映像作品。
最初は、全然猫が登場しないので、素通りしてしまった。

他に覚えているのは、「都会のリス」。
ギターを背負った街ゆくミュージシャンを撮った写真。
その後ろ姿は確かにリスっぽい。

「熱帯雨林のドローイング」は、コスタリカのジャングルで迷った経験を
もとに作ったドローイング。色鉛筆(緑)も紙もみないで描いたらしい。


と、まぁ、2階から4階までいろんな作品があるし、
ゆっくりみればそれなりに時間かかるのだけど……、
現代アート初級者の僕には、いまいちピンと来ず。
う~ん、でも、なんだろ、このもやもやした感じ。

例えば、「地球上で一番高い所にマンハッタンで行くビデオ」は、
10台のテレビに、ひたすら階段を登る映像が映されている。
10本で10時間らしい。
「ブロークン・カメラ」は、壊れたカメラの映像をただ延々と流している。
再生するたびに違ったエフェクトがかかってしまうらしい。
おもしろいかといえば、正直いってつまらない。
なんというか、没コミュニケーションという形のコミュニケーションみたい。
と、自分でそれっぽいこと言ってるけど、実はよくわかっていません。

そうそう、毎日五時よりスタッフによる展示解説があって、
アイリッシュコーヒー(コーヒー&ウィスキー)もふるまわれるみたいです。
それを聞けば(そして飲めば)、何か見えてくるのかも。

ワタリウム美術館で8月8日(日)まで開催。
開館時間:11時~19時(毎週水曜日は21時まで)。
入館料:大人1000円、学生(25歳以下)800円。

玄奘三蔵、シルクロードを行く

前田耕作『玄奘三蔵、シルクロードを行く』(岩波新書、2010年4月)

中国からガンダーラに至る玄奘の足取りを詳細に描いている。

内陸アジア出土古文献研究会7月例会

内陸アジア出土古文献研究会7月例会
日時:2010年7月24日(土)14:30〜17:30
場所:明治大学駿河台キャンパス研究棟4階 第2会議室
報告
落合俊典「“敦煌秘笈”における一,二の問題点」
土肥義和「唐代西州の均田制施行の一斑──新出龍朔二年(662)高昌県思恩寺僧籍及び神龍三年(707) 同県開覚寺手実について──」

2010年6月20日日曜日

木簡から古代がみえる

木簡学会編『木簡から古代がみえる』(岩波新書、2010年6月)

2009年に30周年を迎えた木簡学会が、一般向けにまとめた概説書。
木簡から何がわかるかを様々な角度から平易にまとめていて読みやすい。

目次は以下の通り。
一:木簡は語る―研究の足跡―  和田萃
 トピック1飛鳥池木簡 木簡から『日本書紀』を読み直す  市大樹
 トピック2荷札木簡 荷札が語る古代の税制 馬場基
二:奈良のみやこを再現する―宮都の木簡から― 舘野和己
 トピック3長屋王家木簡 上流貴族の暮らしぶり 森公章
 トピック4歌木簡 「地下の万葉集」は何を語るか 栄原永遠男
三:見えてきた古代の「列島」―地方に生きた人々― 平川南
 トピック5長登銅山木簡 官営鉱山と大仏造立 佐藤信
 トピック6袴狭木簡 雪国の地方官衙 吉川真司
四:東アジアの木簡文化―伝播の過程を読み解く― 李成市
 トピック7中国の木簡 秦漢帝国では 角谷常子
 トピック8沖縄のフーフダ 今も生きる呪符木簡 山里純一
五:木簡の出土から保存・公開まで 渡辺晃宏
 トピック9胡桃館木簡 三七年目の復活 山本崇
 トピック10木簡の再利用 木簡はお尻ぬぐいに使われた 井上和人

2010年6月19日土曜日

千年帝都洛陽

塩沢裕仁『千年帝都 洛陽―その遺跡と人文・自然環境―』(雄山閣、2010年1月)

洛陽の基礎的研究として、洛陽周辺の自然環境や
県城・街道・水系などを詳細に取り上げている。
また、遺跡・博物館の詳しい情報も掲載されている。
洛陽調査の際の必読文献。

2010年6月18日金曜日

『史学雑誌』119-5

「2009年の歴史学界―回顧と展望」『史学雑誌』119-5(史学会、2010年5月)

毎度のごとく、総説、歴史理論、日本古代、東アジアからアフリカまでは熟読。
その他の日本史は斜め読み。ヨーロッパ、アメリカは飛ばし読み。

論文リストになりつつあるという批判もあるし、
自分自身多少そう思っていたのだけど、
今回の西アジア・北アフリカの近現代を見て、
やっぱりそんなに面白くなくてもいいから、従来通りでいいかもと思ってしまった。

今回の西アジア・北アフリカの近現代は、
「「周縁」とされる存在を扱う研究」のみを取り上げていて、
従来の回顧と展望なら絶対取り上げられたであろう著作・論文を
全くと言い程取り上げていない(と思われる)。
確かにテーマを絞った分、一つ一つの著作・論文は
丁寧に取り上げられていて、単なる論文紹介にはなっていないけど……。

まぁ、何にせよ「回顧と展望」は、いろいろ勉強になるし、
自分もがんばろっ、という気持ちにさせてくれるからありがたい。

2010年6月17日木曜日

内陸アジア出土古文献研究会6月例会

内陸アジア出土古文献研究会6月例会
日時:2010年6月19日(土) 14:30〜17:30
会場:明治大学駿河台キャンパス研究棟4階 第一会議室
報告
岩本篤志「敦煌秘笈「雑字一本」小考」
池田温「第54回杏雨書屋特別展示会を見て」