2010年4月13日火曜日

遼金における正統観をめぐって

川本芳昭「遼金における正統観をめぐって―北魏の場合との比較―」(『史淵』147、2010年3月)

遼・金において、中華意識・正統思想が出現していたことを指摘し、
従来の「征服王朝論」と齟齬する面があるとする。
特に、遼・金の徳運採択の実態を分析し、
金における徳運変更の議論が、北魏の徳運変更の過程と
類似していることを明らかにしている。
遼と宋が相互に北朝・南朝という自己意識を持っていたことは、
毛利英介「十一世紀後半における北宋の国際的地位について―宋麗通交再開と契丹の存在を手掛かりに―」(『『宋代中国』の相対化』汲古書院、2009年7月)で指摘されていたが、さらに正統思想・徳運から、遼金の自己意識に迫っていて、
興味深かった。

遣唐使船再現プロジェクト「春日大社シンポジウム」

遣唐使船再現プロジェクト「春日大社シンポジウム」開催概要
日程:2010年4月24日(土)・25日(日)
会場:春日大社(感謝・共生の館)
定員 24・25日(各日):300名(応募多数の場合は抽選)
申込み方法:遣唐使船再現プロジェクトの「応募フォーム」より申込み

4月24日(土)
10:30~10:40 開会式 祝辞/花山院弘匡(春日大社宮司)
10:40~11:00 角川歴彦「遣唐使船再現計画について」
11:00~12:00 鈴木靖民「遣唐使と古代の東アジア」
13:15~13:55 上野 誠「遣唐使と歌」
14:00~14:50 森 公章「遣唐留学者の役割」
15:40~16:30 榎本淳一「来日した唐人たち」

4月25日(日)
9:30~10:10 上田正昭「遣唐使と天平文化」
10:15~10:55 武内孝善「最澄・空海と霊仙」
11:05~11:55 王 巍「阿倍仲麻呂と玄宗・楊貴妃の長安」
13:00~13:25 西山明彦「鑑真和上と唐招提寺」
13:30~14:20 田中史生「最後の遣唐使と円仁の入唐求法」
15:10~16:00 河添房江「遣唐使と唐物への憧憬」


角川文化振興財団が企画する遣唐使船再現プロジェクト。
遣唐使船を再現し、大阪・呉・五島列島を経て、万博で沸き立つ上海へ。
実際に遣唐使船で中国にわたるわけではないようですが、
各港で行われるイベントの漕ぎ手ボランティアも募集しているようです。