西脇常記『中国古典社會における佛教の諸相』(知泉書館、2009年10月)
第一部:佛教史書について
第二部:佛教徒・佛教信者
第三部:中央アジア出土の漢語文献
現在、第一部読了。
一「宗鑑『釈門正統』以前―天台宗史とその成立(一)」
二「宗鑑『釈門正統』について―天台宗史とその成立(二)」
三「読『佛祖統紀』」
四「『佛祖統紀』の作者、志磐の考え」
五「『佛祖統紀』テキストの変遷」
六「宋代における佛教史書」
天台宗史、『佛祖統紀』を中心に宋代の仏教史書について論じている。
『佛祖統紀』以前の『釈門正統』などが、天台宗史に留まっているのに対し、
『佛祖統紀』には、天台宗史であると同時に、中国宗教史としての側面も見られるとする。
また、『佛祖統紀』の執筆・刊行には、宋朝の現実政治と結びつくことで、
仏教の拡大を図る意思表示が込められていたとする。
宋代の仏教史書については、これまであまり気にしてこなかったので、
大変興味深かった。
第二部は「佛教徒の遺言」と仏教信者である楊億について論じている。
第三部は世界各地のトルファン文書について論じている。
近いうちに全部読み終えたい。