先日、三井記念美術館で開催中の
「茶会への招待―三井家の茶道具」
に行ってきました。
一月に引き続き、茶器関連の展覧会に
いってきたわけですが、別に茶器にはまったわけではありません。
今回のお目当ては、併設されている
「初公開―新町三井家の新寄贈品から」。
なんと金沢文庫本『白氏文集』巻23・巻38が
展示されているのです。
この両巻は、戦前に存在が確認されていたが、
戦後、所在不明になっていたもの。
今回、三井家より寄贈されたことによって、
世にでてきたというわけです。
ということで、『白氏文集』目当てでいってきました。
とはいえ、行ってみたら、やっぱり茶器も面白い。
展示室一の「茶の湯の名品」、展示室四の「茶事の取合せ」、
展示室五の「名碗抄」と、見応えたっぷり。
さすが三井家所蔵品。見た目も由来も楽しめるものばかり。
で、最後の展示室七にお目当ての『白氏文集』が。
展示ケースいっぱいつかって、なが~く展示している。
巻23は親族宛の手紙や祭文、巻38は官僚の任命書など。
博士家のヲコト点や校訂、反切・注釈などなど、
歴史を超えてきた知の重みを感じる。
白氏文集は旧抄本研究の蓄積が分厚いし、今後の研究が楽しみ。
白居易の長恨歌などの文学作品には、
旧抄本と刊本とで、文字の異同(意図的な改変もある)が、
結構あることが知られているが、
手紙や祭文、公的文書ではどうなのだろうか。
そして、もう一つ気になるのが、
今回三井記念美術館に何が寄贈されたのかということ。
展示パネルには、古典籍類とある。
もしかしたら、白氏文集以外にも旧抄本が
寄贈されているかも……。
今後の展開が気になります。
会期:2012年2月8日(水)~4月8日(日)
休館日:月曜日・2月26日(日)
開館時間:10時~17時
入館料:一般1000円、学生500円