大津透編『律令制研究入門』(名著刊行会、2011年12月)
2010年8月に東方学会の英文紀要“Acta Asiatica”99号の
特集「律令制の比較研究」に掲載された5本の論文の日本語版に、
新たに若手研究者の論文3本、大津氏の論文2本を加えたもの。
目次は以下の通り。
第一部 律令制の意義
榎本淳一「「東アジア世界」における日本律令制」
坂上康俊「日唐律令官僚制の比較研究」
丸山裕美子「律令法の継受と文明化」
大隅清陽「律令と礼制の受容」
第二部 律令制分析の視角
武井紀子「律令と古代財政史研究」
吉永匡史「軍防令研究の新視点」
大高広和「律令継受の時代性 ―辺境防衛体制からみた―」
第三部 律令制研究史
大津透「律令制研究の流れと近年の律令制比較研究」
大津透「律令制研究の成果と展望」
大津透「北宋天聖令の公刊とその意義 ―日唐律令制比較研究の新段階―」
第一部は外国人研究者向けに、
日本の日唐律令研究の動向をまとめたもので、
概説的であるがゆえにわかりやすい。
第三部も律令制比較研究の研究史や
天聖令発見の意義をまとめていて参考になる。
第二部は若手研究者による最新の論考。