2010年8月15日日曜日

“これも自分と認めざるをえない”展



東京ミッドタウンにある21_21DESIGN SIGHTで開催中の
「“これも自分と認めざるをえない”」展に行ってきました。
企画者は佐藤雅彦。「属性」をキーワードに、
「自分らしさ」や「個性」を考えるアート展。


受付をすませると、
すぐに身長やら、体重やらを計測される(数字は出ません)。
「注文の多い展覧会である」とチラシにある通り、
確かに出だしから注文が多い。
飛ばそうかとも一瞬思ったけど、これがメイン会場で意味を持ってくる。


階段を下りると、早速展示がはじまる。
白いパネルの上に、群れをつくって泳ぎ回る微生物。
なんだろうと思って近づくと、それは指紋。
機械に読み取らせた指紋が泳ぎだす、
ユークリッド「指紋の池」


続いて、メイン会場に入るための「属性のゲート」。
男性or女性、30歳以上or29歳以下、笑顔or無表情
この3つのゲートが立ちふさがる。
オムロン社の開発した顔面識別装置によって、
認識されたゲートが開く仕組み。

例えば、カメラに顔を向けて、
笑顔だと判定されたら、笑顔のゲートが、
無表情だと判定されたら、無表情のゲートが開く。

さぁ、どんなもんだろ、と思って進むと、
なんと3つのうち、2つのゲートで誤判断された。
結構ショック。

コンセプトとしては、
「あなたの思っている属性と機械が認識する属性は一致してますか?
あなたの属性ってなんでしょうね?」といったとこなんでしょうが、
機械の顔面識別能力が、まだまだ低いだけな気がする。
見ていたら、「男性」と判断される「女性」がちょくちょくいて、
笑って動揺をごまかしていた。誰が見ても明らかに女性なのになぁ。


その後のメイン会場は、
虹彩、ふるまい、類似性、耳紋、視線、距離、鼓動などなど、
「属性」、「分類」、「個性」をめぐる参加型アートがずらり。
小型アミューズメントパークといったところで、なかなか楽しい。
それでいて「個性」とは何か、どこまでが「自分」なのか、
といったことを考えさせてくれる。
ただ、どれも参加型のため、時間がちょっとかかるのが難点。


一番大きな問題は、
長時間並んだものほどつまらない、ということ。
待てば待つほど、期待値が高まるのだけど、
結果的に「えっ、これで終わり?」てな感じ。

特に「座席番号G-19」はひどい。
30~40分並んだあげく、3分ほどつまらない画像を見せられ、
説明も何もない。


結構、考えさせられるし、それでいて楽しい展覧会のはずだったのだけど、
長時間並んだせいで、なんだかつまらなかったなぁ、という印象が強い。
もったいないなぁ。

見に行く際は、長蛇の列をなしている展示は、
すっとばした方がいいかと思います。


開催期間:2010年11月3日(水)まで。
開館時間:11:00~20:00
休館日:火曜日
入場料:一般1000円・大学生800円