各種新聞で報道されていますが、
空海が唐から持参した文献で、その後亡佚したと思われていた
「三教不齊論」の江戸時代末期の写本が、
東京都立図書館所蔵諸橋轍次文庫で確認されたそうです。
「三教不齊論」は、儒・仏・道のうち、仏教が最も優れていると説いており、
渡唐前に空海が撰した『三教指帰』の裏付けとして持ち帰った可能性が
あるそうです。
発見者は藤井淳氏(高野山大学密教文化研究所委託研究員)。
毎日新聞の記事には、25日に高野山大学で開かれる研究会で発表する、
とあるのみで、具体的な研究会名は書かれていませんでした。
多分、この研究会ではないかと思います。
密教文化研究所第6回研究会
日時:2010年1月25日(月)15:00~17:00
場所:高野山大学本館2階第3会議室
藤井淳「『空海の思想的展開の研究』拾遺」
また、毎日新聞の記事には「当時の唐の官僚が書いた比較思想論」と
あるのみで、撰者の名前をあげていませんが、どうやら劉晏のようです。
どんなことが書いてあるのか、ちょっと気になります。
なにか佚書を引いていたら面白いのですが。
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2月11日2時50分追加
枕流亭ブログに、『三教不齊論』の著者に関する記事が掲載されていました。
撰者が気になったので、高野山大学密教文化研究所に問い合わせたら、
「前盧州参軍姚辨撰」と記されていた、という回答を得たそうです。
敦煌文書に劉晏述『三教不齊論』とあったので、
「劉晏のようです」と書いてしまいました。お恥ずかしい限りです。