以前、紹介した『中国学のパースペクティブ』を読み終えました。
正直、ジェンダー関係の論文は、ぱっとしなかったように感じました。
面白かったのは、いずれも出版・史書関係の論文。
クリスチャン・ラムルー「宋代宮廷の風景―歴史著作と政治空間の創出(1022-1040)」
ヒルデ・デ・ヴィールドト「南宋科挙の学術史」
ヒルデ・デ・ヴィールドト「帝政中国の情報秩序における未開拓の側面―政府文書の普及と商業出版」
ピータ・ボル「地域史の勃興―南宋・元代の婺州における歴史、地理学と文化」
ルシア・チル「中国の出版と書物文化における大変貌―初期スペイン領フィリピンにおける中国の書物と出版」
ヒルデ・デ・ヴィールドト論文の「情報秩序」という
耳慣れない概念に違和感があったけれど、
論文の中身自体は、宮廷編纂の公文書集や歴史書がどのように
流通したかを論じていて、面白かった。
なんだか「情報秩序」という概念が、上滑りしているような気がしたけど、
それは僕の理解力の問題なのだろう。