小南一郎『『詩経』―歌の原始』(岩波書店、2012年12月)
「書物誕生―あたらしい古典入門」シリーズの最新刊。シリーズ中唯一の五経。
第Ⅰ部:古代歌謡集の形成と伝承では、『詩経』の形成が小南流に論じられている。
第Ⅱ部:歌の力では、小序の理解をとらず、国風部分=民謡由来説にも違和感を示し、時代背景・歌い手の社会階層や時代の幅・歌の機能に注目しながら、詩を読解している。
目次は以下の通り。
第Ⅰ部:古代歌謡集の形成と伝承
第一章 詩経の形成
第二章 孔子と詩経
第三章 経典化した詩経とその注釈
第Ⅱ部:歌の力
第一章 宗廟歌謡の伝承―生民如何(民を生むこといかに)
第二章 農耕の日々―自古有年(古より年あり)
第三章 貴族と民衆たち―王事靡盬(王事 盬きことなし)
第四章 時代の混乱と言葉の力―天之方虐(天のまさに虐をなす)
第五章 孤独と悲しみ―我心匪石(わが心は石にあらず)
2012年12月31日月曜日
2012年12月26日水曜日
内陸アジア出土古文献研究会1月例会
内陸アジア出土古文献研究会1月例会
日時:2013年1月19日(土)午後1:30~5:00
会場:財団法人東洋文庫7階第1・2会議室
報告
吉田章人・岡田文弘「サンクトペテルブルク東洋学研究所蔵ウイグル・ソグド系仏経写本について」
1.阿含経系写本を中心として
2.西州交河縣龍朔二年(662)寫「妙法蓮華経巻第十」の性格をめぐって
林 韻柔「中国中世における僧侶出家の原因」
日時:2013年1月19日(土)午後1:30~5:00
会場:財団法人東洋文庫7階第1・2会議室
報告
吉田章人・岡田文弘「サンクトペテルブルク東洋学研究所蔵ウイグル・ソグド系仏経写本について」
1.阿含経系写本を中心として
2.西州交河縣龍朔二年(662)寫「妙法蓮華経巻第十」の性格をめぐって
林 韻柔「中国中世における僧侶出家の原因」
2012年12月23日日曜日
敦煌の民族と東西交流
栄新江著、高田時雄監訳、西村陽子訳『敦煌の民族と東西交流』(東方書店、2012年12月)
敦煌の歴史を東西交流・民族に軸を据えてフルカラーで紹介。概説書で扱われることが少ない吐蕃・帰義軍・ウイグル時代の敦煌統治・敦煌仏教や于闐との関係についても詳しい。敦煌が中国史の枠だけでとらえられない場所であることがよくわかる。
目次は以下の通り。
一、月氏 古代敦煌の白人種
二、玉門関と懸泉置 漢代の関城と宿駅
三、仏教東漸 敦煌の仏教都市空間
四、ソグド商胡と敦煌の胡人聚落
五、吐蕃の敦煌統治とチベット文化の貢献
六、帰義軍時期のシルクロード
七、ウイグルと敦煌
八、于闐と沙州
ちなみに、本書のなかには、監訳者あとがき等はなく、翻訳の経緯は不明。一見すると日本オリジナルに見えるが、東方書店のHPを見ると、柴剣紅主編の敦煌歴史文化絵巻シリーズの第一弾で、「中国における敦煌学の第一人者が多数のカラー図版とともに一般読者に向けて書き下ろし、高い評価を受けた「走近敦煌叢書」の日本語版。日中共同出版。シリーズ全3巻予定。」とあり、原書は『華戎交匯―敦煌民族与中西交通/走近敦煌叢書』(甘粛教育出版社、2008)だそうだ。本の中に刊行経緯や原書の記載が一切ないのはなぜなのだろうか。
敦煌の歴史を東西交流・民族に軸を据えてフルカラーで紹介。概説書で扱われることが少ない吐蕃・帰義軍・ウイグル時代の敦煌統治・敦煌仏教や于闐との関係についても詳しい。敦煌が中国史の枠だけでとらえられない場所であることがよくわかる。
目次は以下の通り。
一、月氏 古代敦煌の白人種
二、玉門関と懸泉置 漢代の関城と宿駅
三、仏教東漸 敦煌の仏教都市空間
四、ソグド商胡と敦煌の胡人聚落
五、吐蕃の敦煌統治とチベット文化の貢献
六、帰義軍時期のシルクロード
七、ウイグルと敦煌
八、于闐と沙州
ちなみに、本書のなかには、監訳者あとがき等はなく、翻訳の経緯は不明。一見すると日本オリジナルに見えるが、東方書店のHPを見ると、柴剣紅主編の敦煌歴史文化絵巻シリーズの第一弾で、「中国における敦煌学の第一人者が多数のカラー図版とともに一般読者に向けて書き下ろし、高い評価を受けた「走近敦煌叢書」の日本語版。日中共同出版。シリーズ全3巻予定。」とあり、原書は『華戎交匯―敦煌民族与中西交通/走近敦煌叢書』(甘粛教育出版社、2008)だそうだ。本の中に刊行経緯や原書の記載が一切ないのはなぜなのだろうか。
2012年12月15日土曜日
白氏文集は〈もんじゅう〉か〈ぶんしゅう〉か
神鷹徳治『白氏文集は〈もんじゅう〉か〈ぶんしゅう〉か』(游学社、2012年11月)
題名の通り、白氏文集の読み方(「もんじゅう」or「ぶんしゅう」)をめぐる本。全103頁なのですぐに読めます。結論からいえば、明治20年代までは「ぶんしゅう」と読まれており、「もんじゅう」という読みは、明治30年代に誕生した新しい読み方にすぎない、というもの。なぜ、「もんじゅう」という読み方が誕生したのかも説明している。これを契機に「もんじゅう」なる読みが一掃されればよいのだが。
題名の通り、白氏文集の読み方(「もんじゅう」or「ぶんしゅう」)をめぐる本。全103頁なのですぐに読めます。結論からいえば、明治20年代までは「ぶんしゅう」と読まれており、「もんじゅう」という読みは、明治30年代に誕生した新しい読み方にすぎない、というもの。なぜ、「もんじゅう」という読み方が誕生したのかも説明している。これを契機に「もんじゅう」なる読みが一掃されればよいのだが。
2012年12月6日木曜日
もうすぐ出る気になる本
備忘録代わりに、もうすぐ出るはずの気になる本を列挙。
なぜ年末年始にこれだけ次々に出るのだろうか。
小南一郎『詩経―歌の原始―』(岩波書店、2012年12月19日刊行予定)
栄新江著、高田時雄監訳、西村陽子訳『敦煌の民族と東西交流』(東方書店、2012年12月中旬刊行予定)
小島毅監修、 羽田正編『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』(東京大学出版会、2012年12月下旬刊行予定)
小島毅監修、早坂俊廣編『東アジア海域に漕ぎだす2 文化都市 寧波』(東京大学出版会、2013年1月下旬刊行予定)
荒川慎太郎・澤本光弘・高井康典行・渡辺健哉編『契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア』(勉誠出版、2013年1月刊行予定)
趣味の領域に近いものでは、
渡辺守邦『表紙裏の書誌学』(笠間書院、2012年下旬刊行予定)
がもっとも気になる。
古本屋や古典会とかで和書に触れると、
表紙裏に文字が見えることがよくある。
気になっても、解体して調べるわけにもいかず、
もやもやしたままで終わっていたのだけど、
その和書の表紙裏に利用された反古紙を対象にした本。
目次は以下の通り。
第一章 表紙裏反古の諸問題
第二章 ワークショップ報告「表紙裏から反古が出た」
第三章 表紙裏反古の保存法について 国立公文書館蔵の嵯峨本『史記』を中心に
第四章 表紙裏反古の諸問題・続考 東京大学附属図書館蔵『鴉鷺物語』の場合
追録 小山正文「寛永二十年版『黒谷上人語燈録』の表紙裏より抽出された宗存版」
なぜ年末年始にこれだけ次々に出るのだろうか。
小南一郎『詩経―歌の原始―』(岩波書店、2012年12月19日刊行予定)
栄新江著、高田時雄監訳、西村陽子訳『敦煌の民族と東西交流』(東方書店、2012年12月中旬刊行予定)
小島毅監修、 羽田正編『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』(東京大学出版会、2012年12月下旬刊行予定)
小島毅監修、早坂俊廣編『東アジア海域に漕ぎだす2 文化都市 寧波』(東京大学出版会、2013年1月下旬刊行予定)
荒川慎太郎・澤本光弘・高井康典行・渡辺健哉編『契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア』(勉誠出版、2013年1月刊行予定)
趣味の領域に近いものでは、
渡辺守邦『表紙裏の書誌学』(笠間書院、2012年下旬刊行予定)
がもっとも気になる。
古本屋や古典会とかで和書に触れると、
表紙裏に文字が見えることがよくある。
気になっても、解体して調べるわけにもいかず、
もやもやしたままで終わっていたのだけど、
その和書の表紙裏に利用された反古紙を対象にした本。
目次は以下の通り。
第一章 表紙裏反古の諸問題
第二章 ワークショップ報告「表紙裏から反古が出た」
第三章 表紙裏反古の保存法について 国立公文書館蔵の嵯峨本『史記』を中心に
第四章 表紙裏反古の諸問題・続考 東京大学附属図書館蔵『鴉鷺物語』の場合
追録 小山正文「寛永二十年版『黒谷上人語燈録』の表紙裏より抽出された宗存版」
2012年12月2日日曜日
第46回中央アジア学フォーラム
第46回中央アジア学フォーラム
日時:2012年12月22日(土)13:30~18:00頃
場所:大阪大学・豊中キャンパス・文学部本館2階・大会議室
報告内容:
大田黒綾奈「魏晋南北朝時代における「玉」と士人意識 ―玉石豚と随葬衣物疏を中心に―」
旗手瞳「吐蕃支配下の吐谷渾国(アシャ国)」
尾白悠紀「ミールザー・ハイダル Mīrzā Muḥammad Ḥaydar Dughlāt 著 『ターリーヒ・ラシーディー』 Tārīkh-i Rashīdī に見られるチベットに関する記述について」
鈴木宏節「南モンゴルにおける突厥関連遺跡の現状」
日時:2012年12月22日(土)13:30~18:00頃
場所:大阪大学・豊中キャンパス・文学部本館2階・大会議室
報告内容:
大田黒綾奈「魏晋南北朝時代における「玉」と士人意識 ―玉石豚と随葬衣物疏を中心に―」
旗手瞳「吐蕃支配下の吐谷渾国(アシャ国)」
尾白悠紀「ミールザー・ハイダル Mīrzā Muḥammad Ḥaydar Dughlāt 著 『ターリーヒ・ラシーディー』 Tārīkh-i Rashīdī に見られるチベットに関する記述について」
鈴木宏節「南モンゴルにおける突厥関連遺跡の現状」
「漢委奴國王」金印研究の現在
公開研究会「漢委奴國王」金印研究の現在
日程:2012年12月15日(土)13:00~17:30
場所:明治大学駿河台キャンパス 12号館10階 2103教室
報告者
石川日出志「金印と弥生時代研究―問題提起にかえて―」
鈴木勉「「漢委奴國王」金印誕生時空論」
高倉洋彰「型式学と漢の印制からみた金印」
大塚紀宜「金印の詳細観察と中国古代印章との比較―特に駝鈕印について―」
なんといっても『「漢委奴国王」金印・誕生時空論』の著者である鈴木勉氏の報告が気になる。公開研究会全体では、金印について、どのような見解が示されるのだろうか。
日程:2012年12月15日(土)13:00~17:30
場所:明治大学駿河台キャンパス 12号館10階 2103教室
報告者
石川日出志「金印と弥生時代研究―問題提起にかえて―」
鈴木勉「「漢委奴國王」金印誕生時空論」
高倉洋彰「型式学と漢の印制からみた金印」
大塚紀宜「金印の詳細観察と中国古代印章との比較―特に駝鈕印について―」
なんといっても『「漢委奴国王」金印・誕生時空論』の著者である鈴木勉氏の報告が気になる。公開研究会全体では、金印について、どのような見解が示されるのだろうか。
2012年11月29日木曜日
董啓章氏講演会「未来の考古学」
董啓章氏講演会 「未来の考古学」
日時:12月8日(土) 15:00~17:30
会場:東大文学部法文二号館2大教室
入場無料
司会:中島京子/コメンテーター:野崎歓
15:00~16:30 董啓章「未来の考古学―21世紀初の香港エクリチュール」
16:30~17:00 コメント野崎歓
17:00~17:20 参加者との質疑応答
17:30 閉会
今年、『地図集』が日本で出版された香港の作家、
董啓章氏の講演会。
『地図集』面白かったから、
気になるなぁ。
日時:12月8日(土) 15:00~17:30
会場:東大文学部法文二号館2大教室
入場無料
司会:中島京子/コメンテーター:野崎歓
15:00~16:30 董啓章「未来の考古学―21世紀初の香港エクリチュール」
16:30~17:00 コメント野崎歓
17:00~17:20 参加者との質疑応答
17:30 閉会
今年、『地図集』が日本で出版された香港の作家、
董啓章氏の講演会。
『地図集』面白かったから、
気になるなぁ。
2012年11月28日水曜日
茶経 全訳注
布目潮渢『茶経 全訳注』(講談社学術文庫、2012年10月)
2001年8月に淡交社から出た『茶経詳解』の文庫化。新たに付された解説などはないため、淡交社版を持っている人には、買う意味がなさそう。
僕は淡交社版を持ってなかったので購入。『茶経詳解』は定価5000円強だし、そもそも絶版で手に入りにくく、古本価格も結構な値段なので、文庫で手に入るのは本当にありがたい。
語釈が詳細で、なにより多数挿入された図版がいい。イメージしにくい植物や茶器も、『中国高等植物図鑑』や実物写真などで具体的な形がわかる。
ちょうど、同じ月に熊倉功夫・程啓坤編『陸羽『茶経』の研究』(宮帯出版社、2012年10月)が出ている。偶然とはいえ面白い。ちなみに目次は以下の通り。
姚国坤「陸羽の人物と業績」
関剣平「『茶経』に関する発生学的研究」
沈冬梅「陸羽『茶経』の歴史的影響と意義」
余 悦「唐代陸羽『茶経』の経典化の過程について」
高橋忠彦「『茶経』の用字に関して」
程啓坤「唐代における茶葉の種類およびその加工に関する研究」
中村羊一郎「陸羽の『茶経』に見える地方の茶と現代東アジアの茶生産」
中村修也「古代日本における『茶経』の影響」
熊倉功夫「陸羽の『茶経』と岡倉天心の『茶の本』」
高橋忠彦 『茶経』原文と訓読
2001年8月に淡交社から出た『茶経詳解』の文庫化。新たに付された解説などはないため、淡交社版を持っている人には、買う意味がなさそう。
僕は淡交社版を持ってなかったので購入。『茶経詳解』は定価5000円強だし、そもそも絶版で手に入りにくく、古本価格も結構な値段なので、文庫で手に入るのは本当にありがたい。
語釈が詳細で、なにより多数挿入された図版がいい。イメージしにくい植物や茶器も、『中国高等植物図鑑』や実物写真などで具体的な形がわかる。
ちょうど、同じ月に熊倉功夫・程啓坤編『陸羽『茶経』の研究』(宮帯出版社、2012年10月)が出ている。偶然とはいえ面白い。ちなみに目次は以下の通り。
姚国坤「陸羽の人物と業績」
関剣平「『茶経』に関する発生学的研究」
沈冬梅「陸羽『茶経』の歴史的影響と意義」
余 悦「唐代陸羽『茶経』の経典化の過程について」
高橋忠彦「『茶経』の用字に関して」
程啓坤「唐代における茶葉の種類およびその加工に関する研究」
中村羊一郎「陸羽の『茶経』に見える地方の茶と現代東アジアの茶生産」
中村修也「古代日本における『茶経』の影響」
熊倉功夫「陸羽の『茶経』と岡倉天心の『茶の本』」
高橋忠彦 『茶経』原文と訓読
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