小南一郎『『詩経』―歌の原始』(岩波書店、2012年12月)
「書物誕生―あたらしい古典入門」シリーズの最新刊。シリーズ中唯一の五経。
第Ⅰ部:古代歌謡集の形成と伝承では、『詩経』の形成が小南流に論じられている。
第Ⅱ部:歌の力では、小序の理解をとらず、国風部分=民謡由来説にも違和感を示し、時代背景・歌い手の社会階層や時代の幅・歌の機能に注目しながら、詩を読解している。
目次は以下の通り。
第Ⅰ部:古代歌謡集の形成と伝承
第一章 詩経の形成
第二章 孔子と詩経
第三章 経典化した詩経とその注釈
第Ⅱ部:歌の力
第一章 宗廟歌謡の伝承―生民如何(民を生むこといかに)
第二章 農耕の日々―自古有年(古より年あり)
第三章 貴族と民衆たち―王事靡盬(王事 盬きことなし)
第四章 時代の混乱と言葉の力―天之方虐(天のまさに虐をなす)
第五章 孤独と悲しみ―我心匪石(わが心は石にあらず)
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