梅原郁・中田實編『西嶋文庫蔵書目録』(就実女子大学図書館、2001年3月)
故西嶋定生氏の蔵書目録。最近、ひょんなことから手に入れました。
西嶋氏の蔵書が、最後につとめた就実女子大学に
一括して寄贈されていたこと自体、この目録で始めて知りました。
しかも、研究書のみならず、趣味の本までまるまる全部。
総計15000冊。
就実女子大学に設置された西嶋文庫では、
西嶋氏が愛用していた机・椅子・文房具・書棚なども寄贈され、
生前の書斎を模した造りになっているらしい。
この目録も通常の分類と異なり、
西嶋文庫の書棚の配置情況を反映した分類。
そのため、検索の便はあまり芳しくない。
でも、その欠点を補ってあまりある面白さ。
いわゆる稀覯本は殆どないし、
研究書もそこまでおもしろいわけでもない。
では、何が面白いかといえば、やっぱり趣味の本。
友達の家に行って、本棚をチェックした時の感覚に頗る近い。
こんな本持ってんだ~、とか、
こんな小説読んでたんだ~、とか、そんな感じ。
解題に、病気療養中に釣りにはまっていたので、
釣りの本が多いと書いてあったけど、
確かに100冊近くある。やっぱり研究者って凝り性なんだなぁ。
小説コーナーをチェックしていたら、
井伏鱒二、司馬遼太郎、立原正秋、陳舜臣などにまじって、
筒井康隆『文学部唯野教授』が!!
しかも単行本(岩波書店、1990年)と
同時代ライブラリー(岩波書店、1992年)の両バージョンがそろってる。
もしかして、お気に入りだったのだろうか?
大学&文学理論ドタバタ小説と西嶋定生。
う~ん、結びつかない。
そして、もうひとつびっくりしたのが、
それほど多いとはいえない欧米小説の中に、
スタニワフ・レム著、沼野充義ほか訳『完全な真空』(図書刊行会、1989年)があったこと。『完全な真空』は、ポーランドのSF作家レムが書いた架空の書籍に対する書評集。まさか、こんな本を持っていたとは。
寄贈されただけなのか、それとも買って読んだのか。かなり気になる。
西嶋文庫には、寄贈された抜刷も保管されている。
最も多かったのは越智重明氏で、なんと94種。
次点が池田温氏の62種。
全部綺麗にとっておいた西嶋氏もすごいけど、
94種も贈った越智氏もすごい。
漢籍目録とかとはまた違った面白さ。
研究者の私生活・趣味の読書が見えてくる目録って
他にもないだろうか。
2010年9月14日火曜日
2010年度秋期東洋学講座
2010年度秋期東洋学講座「東洋文庫とアジア―その4―」
主催:財団法人東洋文庫
会場:三菱商事ビルディング3階会議室
10月18日(月)18時~20時
佐藤次高「日本人のイスラーム理解―5つのキーワード―」
11月8日(月)18時~20時
瀧下彩子「マンガ家たちの中国近代史―東洋文庫所蔵の漫画資料を読む―」
11月22日(月)18時~20時
平野健一郎「戦後日米間のなかの中国研究と東洋文庫」
聴講無料
申し込み方法:東洋文庫の東洋学講座のメールアドレス
またはファックスに事前申し込み。
(東洋文庫のHPをご参照ください)
今回の東洋学講座はなかなか面白そう。
東洋文庫所蔵の漫画資料ってどんなものなのだろうか。
11月22日の講演では、1960年代に大騒ぎになった
A・F財団問題にも触れるのだろうか。
主催:財団法人東洋文庫
会場:三菱商事ビルディング3階会議室
10月18日(月)18時~20時
佐藤次高「日本人のイスラーム理解―5つのキーワード―」
11月8日(月)18時~20時
瀧下彩子「マンガ家たちの中国近代史―東洋文庫所蔵の漫画資料を読む―」
11月22日(月)18時~20時
平野健一郎「戦後日米間のなかの中国研究と東洋文庫」
聴講無料
申し込み方法:東洋文庫の東洋学講座のメールアドレス
またはファックスに事前申し込み。
(東洋文庫のHPをご参照ください)
今回の東洋学講座はなかなか面白そう。
東洋文庫所蔵の漫画資料ってどんなものなのだろうか。
11月22日の講演では、1960年代に大騒ぎになった
A・F財団問題にも触れるのだろうか。
2010年9月13日月曜日
平成22年度古典籍展観大入札会
平成22年度古典籍展観大入札会
日程:2010年11月12日(金)10時~18時、13日(土)10時~16時30分
会場:東京古書会館
去年初めて見に行った古典籍展観大入札会、
今年も見に行くつもりです。
現時点での目玉商品は以下の通り(東京古典会のHPより漢籍関係のみ抜粋)。
白氏文集断簡(興福寺切) 鎌倉中期頃写 伝後京極良経筆:一巻
大雲輪請雨経巻下 平安後期写 紺紙銀界金泥書写:一巻
和漢朗詠集 烏丸光広筆 宗達模様料紙:二冊
奈良絵巻 長恨歌 寛文延宝頃写 極彩色:三巻
五山版 五百家註音辯昌黎先生文集 唐・韓愈撰 南北朝時代刊:一五冊
五山版 韻府群玉 南北朝頃刊:一〇冊
大般若波羅蜜多経 巻第四百八十四 建中二年徐浩敬書写:一巻
宋槧本 弘明集 梁・僧祐遍 存巻一・十二・十四:三帖
韻府群玉 明・正統二年刊 田安徳川家旧蔵:二〇冊
鉅宋 広韻 南宋麻沙鎮劉仕隆刊本 初印本:五冊
資治通鑑綱目 宋・朱熹 明・成化九年序刊経廠本:三〇冊
日程:2010年11月12日(金)10時~18時、13日(土)10時~16時30分
会場:東京古書会館
去年初めて見に行った古典籍展観大入札会、
今年も見に行くつもりです。
現時点での目玉商品は以下の通り(東京古典会のHPより漢籍関係のみ抜粋)。
白氏文集断簡(興福寺切) 鎌倉中期頃写 伝後京極良経筆:一巻
大雲輪請雨経巻下 平安後期写 紺紙銀界金泥書写:一巻
和漢朗詠集 烏丸光広筆 宗達模様料紙:二冊
奈良絵巻 長恨歌 寛文延宝頃写 極彩色:三巻
五山版 五百家註音辯昌黎先生文集 唐・韓愈撰 南北朝時代刊:一五冊
五山版 韻府群玉 南北朝頃刊:一〇冊
大般若波羅蜜多経 巻第四百八十四 建中二年徐浩敬書写:一巻
宋槧本 弘明集 梁・僧祐遍 存巻一・十二・十四:三帖
韻府群玉 明・正統二年刊 田安徳川家旧蔵:二〇冊
鉅宋 広韻 南宋麻沙鎮劉仕隆刊本 初印本:五冊
資治通鑑綱目 宋・朱熹 明・成化九年序刊経廠本:三〇冊
2010年9月11日土曜日
『芸術界』総129期
迂闊にも中国でこんな雑誌が出ているとは知らなかった。

『芸術界』総129期 2010年8月号(芸術界雑誌社、2010年8月)。
英文タイトルは『LEAP』。
中国当代芸術双語双月刊、
すなわち、中国現代アートのバイリンガル雑誌(隔月刊)。
中国語と英語で中国現代アートをところせましと紹介している。
総頁数は216頁(フルカラー)で、読みごたえたっぷり。
展覧会の広告も多いけど、それもまたいい感じ。
張曉剛や徐震といった著名なアーティストから、
近年、売り出し中の若手アーティストまで網羅。
記事内容もインタビューや作品紹介、市場、展覧会レビューと盛りだくさん。
(目次の一部)
なにより誌面がかっこいい。

以前、日本でもアジア太平洋地域の現代アートを紹介していた
バイリンガル雑誌(日本語・英語)の『ARTiT』があったけど、
今はウェブに移行してしまい、雑誌自体は出ていない。
それにしても129期ということは、ずいぶん前からあったはず。
なんで気付かなかったのだろうか。
それとも現代アート専門になったのは近年のことなのだろうか。
そう思って百度で検索してみたら、
2010年2月に現在の形になったとのこと。
ある意味できたてほやほや。
これから、バックナンバーを探してみよう。
2010年9月5日日曜日
三菱が夢見た美術館
現在、三菱一号館美術館で開催されている
「三菱一号館美術館開館記念展〈Ⅱ〉三菱が夢見た美術館―岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」を見に行ってきました。
岸田劉生《童女像(麗子花持てる)》がトップを飾る
現在配られているチラシを見る限り、全くもって興味わかないのだけど、

以前、配られていたらしいチラシを見ると、
途端に興味がわいてくる。

展覧会の構成は次の通り
序章「「丸の内美術館」計画:三菱による丸の内の近代化と文化」
第1章「三菱のコレクション:日本近代美術館」
第2章「岩崎家と文化:静嘉堂」
第3章「岩崎家と文化:東洋文庫」
第4章「人の中へ街の中へ:日本郵船と麒麟麦酒のデザイン」
第5章「三菱のコレクション:西洋近代絵画」
終章「世紀を超えて:三菱が夢見た美術館」
正直言って、目当ては第2章・第3章のみ。
静嘉堂、そして東洋文庫の名品を見ることができる。
三菱一号館美術館は、今年の四月に開館したばかり。
明治時代の三菱一号館を復元させた作り。
レンガ造りで見た目はものすごく歴史ありそう。
内部に入ってみると、美術館とは思えない狭さ。
でも、この狭さが鑑賞に心地よい。
最初は、序章・第1章は素通りしようかと思っていたのだけど、
見たら見たで結構いい感じ。図録のカバーデザインにもなっている
黒田清輝の《春の名残》がなかなかよかった。
で、いよいよ第2章。
岩崎彌之助・小彌太が収集した古典籍・美術品をおさめた静嘉堂。
その逸品が並んでいる。
まずはじめは、南宋前期刊『周礼』と南宋初期刊『李太白文集』。
陸心源の旧蔵書に由来する南宋版。もちろん両方とも重要文化財。
素人から見ても、かっこいい刷り上がり。
蔵書印も見てると面白い。パスパ文字(多分)のものや、
肖像画を描いた蔵書印(陸心源?)もある。
お次は、曜変天目(国宝)。
茶器には全くと言っていいほど興味ないのだけど、
この茶器は本当にすごかった。
12~13世紀の建窯産だけど、現代陶磁器も真っ青のデザイン。
黒茶碗の内側に青光りする斑点。偶然なのかもしれないけど、
時代を越えたデザインってこういうのを言うのではなかろうか。
あと、松永久秀が持っていた付藻茄子(九十九茄子)も展示してある。
参観中は、九十九茄子は松永久秀自害の時に壊されたはずだから別物だろう、
と勘違いして、じっくり見なかったのだけど、
よくよく思いだしたら、道連れに壊されたのは平蜘蛛だった。
図録の解説を見たら、久秀から信長にわたり、本能寺の変にも巻き込まれたが、
なんとか救われ、秀吉のもとへ。そして今度は大阪夏の陣に罹災。
損壊してしまったが、惜しんだ家康が焼け跡から破片を回収させて、
修復させたという。
いや~、激動の茶器だわ。
う~ん、こんな調子で紹介してたら、先に進まないですね。
では第3章「岩崎家と文化 東洋文庫」に。
もうここは、書名だけでも十分かもしれませんね。
国宝『毛詩』、国宝『文選集注』、
重要文化財『楽善録』、重要文化財『論語集解』。
『毛詩』と『論語集解』には、ヲコト点や半切・訓点が
書き込まれていて見ていて飽きない。
しかも『論語集解』は、ちょうど学而篇の冒頭
「子曰学而時習之不亦悦乎」が展示されているし。
うろ覚えのヲコト点の知識でも楽しめる。
今思ったのだけど、ヲコト点図をもっていけばさらに楽しめたかも。
持っていけばよかったなぁ……。
『ターヘル・アナトミア』と杉田玄白訳『解体新書』が
隣り合わせにおかれているのもなかなかの演出。
坂本龍馬熱にあやかって、海援隊が出版した和英対照発音ハンドブックの
『和英通韻以呂波便覧』も展示してある。
乾隆帝期の『平定準■[口+葛]爾方略(満文)』は、
満文が縦書きで左から右に表記するため、左開きになっている。
縦書き=右開きに慣れているので、違和感たっぷり。
あと16~18世紀の日本・アジア地図五点も見ていて飽きない。
他にも日本の古活字本や朝鮮本などなど、いろんなものがあります。
東洋文庫の名品をまとめてみる機会は、
そうそうないので、ほんっとに眼福でした。
第4章~終章は省略します。
最後の最後に三菱が丸の内を購入したころの風景画、
郡司卯之助「三菱ヶ原」が飾ってあります。
まるで野原。100年の月日の重さを感じます。
今回の展覧会の会期は、11月3日(水・祝)までで、休館日は月曜日です。
開館時間は、水・木・金は10時~20時、火・土・日は10時~18時。
当日券は、一般1300円、学生1000円です。
また、何回か展示替えがあります。
残念ながら曜変天目は今日(9月5日)までだそうです。
----------------------------------------------
追記:9月14日(火)21:20
『論語集解』を紹介する時に、学而篇の冒頭を掲げましたが、
ふと「なんか違うなぁ」と思って、よくよく見てみると、
「不亦説乎」とあるべき箇所が「不亦悦乎」となってました。
修正しなきゃ、と思ったのですが、念のため図録を見返すと、
やっぱり「不亦悦乎」となってます。
残念ながら、図録では左傍に書かれた注記まではよめず。
その場で気づけばよかった……。
旧抄本ゆえのことなのか、別の原因があるのか、
調べてないのでわかりませんが、とりあえずそのままにしておきます。
「三菱一号館美術館開館記念展〈Ⅱ〉三菱が夢見た美術館―岩崎家と三菱ゆかりのコレクション」を見に行ってきました。
岸田劉生《童女像(麗子花持てる)》がトップを飾る
現在配られているチラシを見る限り、全くもって興味わかないのだけど、

以前、配られていたらしいチラシを見ると、
途端に興味がわいてくる。

展覧会の構成は次の通り
序章「「丸の内美術館」計画:三菱による丸の内の近代化と文化」
第1章「三菱のコレクション:日本近代美術館」
第2章「岩崎家と文化:静嘉堂」
第3章「岩崎家と文化:東洋文庫」
第4章「人の中へ街の中へ:日本郵船と麒麟麦酒のデザイン」
第5章「三菱のコレクション:西洋近代絵画」
終章「世紀を超えて:三菱が夢見た美術館」
正直言って、目当ては第2章・第3章のみ。
静嘉堂、そして東洋文庫の名品を見ることができる。
三菱一号館美術館は、今年の四月に開館したばかり。
明治時代の三菱一号館を復元させた作り。
レンガ造りで見た目はものすごく歴史ありそう。
内部に入ってみると、美術館とは思えない狭さ。
でも、この狭さが鑑賞に心地よい。
最初は、序章・第1章は素通りしようかと思っていたのだけど、
見たら見たで結構いい感じ。図録のカバーデザインにもなっている
黒田清輝の《春の名残》がなかなかよかった。
で、いよいよ第2章。
岩崎彌之助・小彌太が収集した古典籍・美術品をおさめた静嘉堂。
その逸品が並んでいる。
まずはじめは、南宋前期刊『周礼』と南宋初期刊『李太白文集』。
陸心源の旧蔵書に由来する南宋版。もちろん両方とも重要文化財。
素人から見ても、かっこいい刷り上がり。
蔵書印も見てると面白い。パスパ文字(多分)のものや、
肖像画を描いた蔵書印(陸心源?)もある。
お次は、曜変天目(国宝)。
茶器には全くと言っていいほど興味ないのだけど、
この茶器は本当にすごかった。
12~13世紀の建窯産だけど、現代陶磁器も真っ青のデザイン。
黒茶碗の内側に青光りする斑点。偶然なのかもしれないけど、
時代を越えたデザインってこういうのを言うのではなかろうか。
あと、松永久秀が持っていた付藻茄子(九十九茄子)も展示してある。
参観中は、九十九茄子は松永久秀自害の時に壊されたはずだから別物だろう、
と勘違いして、じっくり見なかったのだけど、
よくよく思いだしたら、道連れに壊されたのは平蜘蛛だった。
図録の解説を見たら、久秀から信長にわたり、本能寺の変にも巻き込まれたが、
なんとか救われ、秀吉のもとへ。そして今度は大阪夏の陣に罹災。
損壊してしまったが、惜しんだ家康が焼け跡から破片を回収させて、
修復させたという。
いや~、激動の茶器だわ。
う~ん、こんな調子で紹介してたら、先に進まないですね。
では第3章「岩崎家と文化 東洋文庫」に。
もうここは、書名だけでも十分かもしれませんね。
国宝『毛詩』、国宝『文選集注』、
重要文化財『楽善録』、重要文化財『論語集解』。
『毛詩』と『論語集解』には、ヲコト点や半切・訓点が
書き込まれていて見ていて飽きない。
しかも『論語集解』は、ちょうど学而篇の冒頭
「子曰学而時習之不亦悦乎」が展示されているし。
うろ覚えのヲコト点の知識でも楽しめる。
今思ったのだけど、ヲコト点図をもっていけばさらに楽しめたかも。
持っていけばよかったなぁ……。
『ターヘル・アナトミア』と杉田玄白訳『解体新書』が
隣り合わせにおかれているのもなかなかの演出。
坂本龍馬熱にあやかって、海援隊が出版した和英対照発音ハンドブックの
『和英通韻以呂波便覧』も展示してある。
乾隆帝期の『平定準■[口+葛]爾方略(満文)』は、
満文が縦書きで左から右に表記するため、左開きになっている。
縦書き=右開きに慣れているので、違和感たっぷり。
あと16~18世紀の日本・アジア地図五点も見ていて飽きない。
他にも日本の古活字本や朝鮮本などなど、いろんなものがあります。
東洋文庫の名品をまとめてみる機会は、
そうそうないので、ほんっとに眼福でした。
第4章~終章は省略します。
最後の最後に三菱が丸の内を購入したころの風景画、
郡司卯之助「三菱ヶ原」が飾ってあります。
まるで野原。100年の月日の重さを感じます。
今回の展覧会の会期は、11月3日(水・祝)までで、休館日は月曜日です。
開館時間は、水・木・金は10時~20時、火・土・日は10時~18時。
当日券は、一般1300円、学生1000円です。
また、何回か展示替えがあります。
残念ながら曜変天目は今日(9月5日)までだそうです。
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追記:9月14日(火)21:20
『論語集解』を紹介する時に、学而篇の冒頭を掲げましたが、
ふと「なんか違うなぁ」と思って、よくよく見てみると、
「不亦説乎」とあるべき箇所が「不亦悦乎」となってました。
修正しなきゃ、と思ったのですが、念のため図録を見返すと、
やっぱり「不亦悦乎」となってます。
残念ながら、図録では左傍に書かれた注記まではよめず。
その場で気づけばよかった……。
旧抄本ゆえのことなのか、別の原因があるのか、
調べてないのでわかりませんが、とりあえずそのままにしておきます。
2010年9月2日木曜日
第21回中唐文学会大会
第21回中唐文学会大会
日時:2010年10月8日(金)14:00~
会場:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟5階研修室A・B
報告
14:00~ 種村由季子「駱賓王における交遊の地縁性」
15:00~ 太田亨「静嘉堂文庫所蔵『唐柳先生文集』(宋版)の残巻について」
16:00~ 内田誠一「唐代詩人の影を追って―河南登封・山西永済・江西九江旧蹟調査報告―」
17:00~ 総会
日時:2010年10月8日(金)14:00~
会場:広島市まちづくり市民交流プラザ北棟5階研修室A・B
報告
14:00~ 種村由季子「駱賓王における交遊の地縁性」
15:00~ 太田亨「静嘉堂文庫所蔵『唐柳先生文集』(宋版)の残巻について」
16:00~ 内田誠一「唐代詩人の影を追って―河南登封・山西永済・江西九江旧蹟調査報告―」
17:00~ 総会
第61回仏教史学会学術大会
第61回仏教史学会学術大会
日時:2010年10月23日(土)
会場:佛教大学
午前の部
[東洋部会] 研究発表(10:00~12:00)
福島重「元代華北における曹洞宗の展開」
山口周子「「雲馬王譚」の変容―Jatakaから『今昔物語』まで―」
山中行雄氏「タイ北部ランナー王国(1296-1558)で成立したパーリ語注釈書の重要性について―Vessantaradiipaniiを例として―」
[日本部会] 研究発表(10:00~12:00)
関山麻衣子「古代における神仏習合思想の形成―古代朝鮮仏教を手がかりに―」
松金直美氏「門主達如の下向・参向―近世東本願寺教団の社会的位置をめぐって―」
斎藤信行「真宗教団の体制内化―覚如・存覚を中心に―」
午後の部
[合同部会] 研究発表(13:00~15:00)
坂口太郎「知られざる僧伝研究者 島田乾三郎―その業績と蔵書をめぐって―」
小山貴子「中世後期の在地修験の動向」
池田昌広「「古記」所引『漢書』師古注について」
[記念講演](15:10~)
竺沙雅章「宋元版大蔵経再説―とくに契丹大蔵経をめぐって―」
日時:2010年10月23日(土)
会場:佛教大学
午前の部
[東洋部会] 研究発表(10:00~12:00)
福島重「元代華北における曹洞宗の展開」
山口周子「「雲馬王譚」の変容―Jatakaから『今昔物語』まで―」
山中行雄氏「タイ北部ランナー王国(1296-1558)で成立したパーリ語注釈書の重要性について―Vessantaradiipaniiを例として―」
[日本部会] 研究発表(10:00~12:00)
関山麻衣子「古代における神仏習合思想の形成―古代朝鮮仏教を手がかりに―」
松金直美氏「門主達如の下向・参向―近世東本願寺教団の社会的位置をめぐって―」
斎藤信行「真宗教団の体制内化―覚如・存覚を中心に―」
午後の部
[合同部会] 研究発表(13:00~15:00)
坂口太郎「知られざる僧伝研究者 島田乾三郎―その業績と蔵書をめぐって―」
小山貴子「中世後期の在地修験の動向」
池田昌広「「古記」所引『漢書』師古注について」
[記念講演](15:10~)
竺沙雅章「宋元版大蔵経再説―とくに契丹大蔵経をめぐって―」
2010年8月31日火曜日
博物学と書物の東アジア
高津孝『博物学と書物の東アジア―薩摩・琉球と海域交流―』(榕樹書林、2010年8月)
琉球弧叢書23。琉球と薩摩の博物学(本草学・鳥学)、
琉球の書物・文化、薩摩の文化の三つのテーマで、
東アジア社会(江戸・清・琉球)の文化交流・連動性を描いている。
第一部「博物学の海域交流」の「一、『琉球産物志』から『質問本草』」や
「二、中国伝統医学と琉球」、第二部「書物と文化の海域交流」の
「一、琉球の出版文化」、「二、近世琉球の書物文化」などが特に興味深かった。
付録の「がじゅまる通信」No.64も面白い。
榮野川敦「一九九三年の琉球関係漢籍調査と琉球版『論語集註』の確定」は、
高津孝氏との漢籍調査のいきさつや思い出を語っている。
また、武石和実「博物学・本草学の本」は、古書市などに出回った
琉球関係の博物学の和本について紹介している。
琉球弧叢書23。琉球と薩摩の博物学(本草学・鳥学)、
琉球の書物・文化、薩摩の文化の三つのテーマで、
東アジア社会(江戸・清・琉球)の文化交流・連動性を描いている。
第一部「博物学の海域交流」の「一、『琉球産物志』から『質問本草』」や
「二、中国伝統医学と琉球」、第二部「書物と文化の海域交流」の
「一、琉球の出版文化」、「二、近世琉球の書物文化」などが特に興味深かった。
付録の「がじゅまる通信」No.64も面白い。
榮野川敦「一九九三年の琉球関係漢籍調査と琉球版『論語集註』の確定」は、
高津孝氏との漢籍調査のいきさつや思い出を語っている。
また、武石和実「博物学・本草学の本」は、古書市などに出回った
琉球関係の博物学の和本について紹介している。
2010年8月28日土曜日
漢文と東アジア
金文京『漢文と東アジア―訓読の文化圏』(岩波新書、2010年8月)
日本のみならず、朝鮮や中国周辺諸民族の訓読現象について紹介し、
東アジアを、「漢字」文化圏ではなく、「漢文」文化圏として
捉えなおすことを提唱している。
第一章では、日本の訓読について通史的に述べ、
漢訳仏典が訓読のヒントになった可能性を指摘している。
第二章では、朝鮮半島の訓読について、かなり詳細に紹介し、
近年明らかになってきた朝鮮訓読と日本訓読の関係性を論じている。
また、契丹やウイグル、ヴェトナムの訓読現象を紹介し、
さらには現代中国語における訓読現象にも言及している。
第三章は変体漢文を取り上げている。
日本以外の地域の訓読現象を詳細に紹介していて興味深い。
契丹語まじりの漢詩は、はじめて見た。
また、新羅の変体漢文に言及する際に、
「中国南北朝時代の北朝系の漢文」との類似性を指摘している(198頁)。
蛇足ながら、注に引かれている小川環樹「稲荷山古墳の鉄剣銘と太安万侶の墓誌の漢文におけるKoreanismについて」(『小川環樹著作集』第五巻、筑摩書房、1997年)は、北朝の墓誌などにみえる変体漢文(鮮卑語の影響)について論じていて、もう少し注目されていい論文だと思う。
日本のみならず、朝鮮や中国周辺諸民族の訓読現象について紹介し、
東アジアを、「漢字」文化圏ではなく、「漢文」文化圏として
捉えなおすことを提唱している。
第一章では、日本の訓読について通史的に述べ、
漢訳仏典が訓読のヒントになった可能性を指摘している。
第二章では、朝鮮半島の訓読について、かなり詳細に紹介し、
近年明らかになってきた朝鮮訓読と日本訓読の関係性を論じている。
また、契丹やウイグル、ヴェトナムの訓読現象を紹介し、
さらには現代中国語における訓読現象にも言及している。
第三章は変体漢文を取り上げている。
日本以外の地域の訓読現象を詳細に紹介していて興味深い。
契丹語まじりの漢詩は、はじめて見た。
また、新羅の変体漢文に言及する際に、
「中国南北朝時代の北朝系の漢文」との類似性を指摘している(198頁)。
蛇足ながら、注に引かれている小川環樹「稲荷山古墳の鉄剣銘と太安万侶の墓誌の漢文におけるKoreanismについて」(『小川環樹著作集』第五巻、筑摩書房、1997年)は、北朝の墓誌などにみえる変体漢文(鮮卑語の影響)について論じていて、もう少し注目されていい論文だと思う。
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