2011年11月8日火曜日

古代アジア世界の対外交渉と仏教

河上麻由子『古代アジア世界の対外交渉と仏教』(山川出版社、2011年11月)

「遣隋使と仏教」(『日本歴史』717、2008年)などで、中国を中心とするアジア世界における仏教と対外交渉について研究を重ねてきた河上氏の著書がでた。
目次は次の通り。

第一部:遣隋使と仏教
第一章:南北朝~隋代における仏教と対中国交渉
第二章:中国南朝の対外関係において仏教が果たした役割について―南海諸国の上表文の検討を中心に
第三章:隋代仏教の系譜―菩薩戒を中心として
第四章:遣隋使と仏教

第二部:唐の皇帝と天皇の受菩薩戒
第一章:唐の皇帝の受菩薩戒―第一期を中心に
第二章:唐の皇帝の受菩薩戒―第二期を中心に
第三章:唐の皇帝の受菩薩戒―第三期を中心に
第四章:唐代における仏教と対中国交渉
第五章:聖武・孝謙・称徳朝における仏教の政治的意義―鑑真の招請と天皇への受戒からみた

南北朝~唐代における仏教的朝貢の流行・皇帝の受菩薩戒の政治的意味を明らかにし、日本の対中国交渉の意義について再検討している。

2011年11月5日土曜日

日本道教学会第62回大会

日本道教学会第62回大会

日程:2011年11月12日(土)
会場:筑波大学春日キャンパス メディアユニオン・メディアホール

研究発表 10:10~
馮暁暁「『道法会元』データベースの作成と計量的分析」
水野杏紀「江戸時代中期以降の明清の術数書受容の特徴―『元経』・『八宅明鏡』救貧竈掛を中心として」
江波戸亙「『悟真篇注疏』の外丹理論について」
三田村圭子「唐末五代における宗教活動―『広成集』所収の青詞を中心に」
武田時昌「道教文化研究の術数学的アプローチ」

特別表演 14:30~ 春日キャンパス7B205教室
陳儷瓊「台湾・道法二門の小普」

総会 16:00~

東洋文庫ミュージアム&東京人

先日、東洋文庫ミュージアムに行ってきました。
展示内容は既にブログで紹介したので省略しますが、
ものすごく楽しめる内容でした。
東洋文庫のすごさを改めて体感しました。

入場料(一般880円・大学生680円)を
高いとみるかどうかは微妙なところですが、
あっというまに時間がすぎてしまうし、
写真OK(一部除く)なことを考えると、
まあまあなんじゃないでしょうか。
国宝『史記』も、モリソン文庫の威容も撮り放題です。


東洋文庫とミュージアムの魅力は、
このブログの拙い文章よりも、
『東京人』2011年12月号通巻303(都市出版、2011年12月)を読むと伝わってきます。

『東京人』12月号は、特集「東洋文庫の世界」。
目次は以下の通り。
ドナルド・キーン「初めて触れた、江戸期の『百合若大臣野守鏡』に興奮しました」
張競「文字と書物の旅をめぐる綺想」
堀江敏幸「あやしうこそ、ものぐるほしけれ―東洋文庫の午後」
樺山紘一・亀山郁夫・池内恵・斯波義信・牧野元紀「座談会 「アジアの世紀」の今だから、「東洋の知恵」を見直そう。」
ウッドハウス暎子「G・E・モリソンの実像」
森まゆみ「岩崎久彌が見た夢」
槇原稔「日本人のアイデンティティーを、東洋文庫で育ててほしい」
野嶋剛「内藤湖南をめぐる中国美術品流入のネットワーク」
研究者に聞く「この一冊からはじまった」
森本公誠「『アラビア語文献目録補遺』 時宜を得たアラビア語文献蒐集に感謝」
石澤良昭「『インドシナとインドネシアのインド化した国々』 セデスの不朽の名著」
坪井善明「越南『欽定大南会典事例』の礼部 「邦交」や「柔遠」に入れ込んだ日々」
木奥恵三「非日常の空間へ誘うミュージアム 建築も、すごい」

他にも『史記』・『東方見聞録』・『諸国瀧廻り』・『アヘン戦争図』などの鮮明な写真も掲載しています。

日本中国考古学会2011年度大会(第22回大会)

日本中国考古学会2011年度大会(第22回大会)

日中関東部会

日程:2011年12月3日(土)・4日(日)

会場:大会・総会:東京大学本郷キャンパス 法文2号館一番大教室

12月3日(土)
一般研究発表(13:10~15:50)
13:10~13:40 松本圭太「中央ユーラシアにおける青銅器様式の展開―長城地帯とミヌシンスクの青銅器製作技法の比較を通じて」
13:40~14:10 佐々木正治 「出土鉄器からみる河南省の鉄器生産について―漢代~魏晋南北朝を中心に」
14:10~14:40 ラプチェフ・セルゲイ「中国南部と東南アジアの青銅器における水牛像とその役割」
14:50~15:20 江介也「東アジアの鋏―用途・表象・ジェンダー副葬」
15:20~15:50 丹羽崇史 「窯道具から見た唐三彩窯成立過程」
16:00~17:00 ポスターセッション
17:00~17:30 総会

12月4日(日)
シンポジウム「モノの拡散」(9:20~15:50)
9:30~10:10 久保田慎二「新石器時代における空三足器からみたモノの拡散」
10:10~10:50 長尾宗史「二里頭文化期の中央と辺縁―青銅器・玉器・精製土器を中心に」
11:00~11:40 角道亮介「西周青銅器銘文の広がり」
11:40~12:20 田畑潤「西周時代後期における青銅礼器葬制の変化と拡散」
12:20~13:20 昼食・ポスターセッション
13:20~14:00 田中裕子「新疆ウイグル自治区における青銅容器の展開」
14:00~14:40 中村亜希子 「瓦の東方伝播―楽浪瓦を考える」
14:50~15:50 討論
15:50~16:00 閉会式

ポスターセッション
掲示:12月3日(土)12:30~、12月4日(日)16:00
質疑応答:12月3日(土)16:00~17:00、12月4日(日)12:20~13:20

久慈大介「二里頭遺跡出土土器の製作技術研究」
茶谷満「後漢皇帝陵再考」
鈴木舞「笄類から見た殷周時代―鳥形笄を中心に」
岸本泰緒子「秦漢期嶺南地区における銅鏡の地方生産」
小林青樹・李新全・宮本一夫・春成秀爾・宮里修・石川岳彦・金想民 「近年の遼寧地域における青銅器・鉄器研究の現状」

2011年10月28日金曜日

2011年度公開講演会「資料学の方法を探る」

愛媛大学「資料学」研究会主催2011年度公開講演会「資料学の方法を探る」
日時:2011年11月26日(土)10時~17時30分

会場:愛媛大学城北キャンパス,法文学部8階大会議室

プログラム
10時~12時
藤田勝久「漢代エチナ河流域の交通と肩水金関」
畑野吉則「居延漢簡にみえる郵書記録と文書逓伝」

14時~17時30分
侯旭東氏「後漢《乙暎碑》の卒吏増員にみえる君臣関係」
關尾史郎「『最後の簡牘群』考―長沙呉簡を例として―」
 コメント:金秉駿氏(韓国・ソウル大学校人文大学)
西尾和美「『伊予国神社仏閣等免田注進状写』を読む」

第3回日・韓訓読シンポジウム

第3回日・韓訓読シンポジウム
日時:2011年10月29日(土)13:00~18:00
会場:麗澤大学廣池千九郎記念講堂2階大会議室

基調講演
南豊鉉「韓国の借字表記の発達と日本訓点の起源について」

講演
金文京「日韓訓読史の比較―その共通点と相違点」
庄垣内正弘「ウイグル漢字音と漢文訓読」
鄭光「朝鮮吏文の形成と吏読―口訣の起源を模索しながら」
小林芳規「日本所在の八・九世紀の『華厳経』とその注釈書の加点」

参加費無料 定員100名
申込方法:FAXまたはメールで申し込み
詳細はHP参照。

2011年10月21日金曜日

古代東アジアの国際情勢と人流

古代東アジアの国際情勢と人流

日時: 2011年11月19日(土)13:00~17: 00、11月20日(日)10:00~17:30
場所: 専修大学神田校舎1号館3階303教室
定員: 300名( 聴講無料・申込者多数の場合抽選)

講演 11月19日(土)
13:15~14:15 高兵兵「菅原道真と九世紀の日本外交」
14:30~15:30 浜田久美子「日本と渤海の文化交流― 承和年間の『白氏文集』の受容を中心に―」

講演 11月20日(日)
10:00~11:00 山内晋次「9~12世紀の日本とアジア― ヒトの移動の視点から―」
11:10~12:10 矢野建一「遣唐使と来日『唐人』― 皇甫東朝を中心として― 」
13:30~13:50 窪田藍「『古代東アジア世界史年表』の活用― 『白村江の戦い』を事例として」
14:00~15:00 鈴木靖民「東アジア世界史と東部ユーラシア世界史」
15:20~17:30 討論 司会・進行:飯尾秀幸
 討論に先立って 荒木敏夫「古代東アジア世界史と留学生―五年間の取り組みと課題―」

申し込み・お問い合わせは、往復はがきまたはメールにて。
詳細は専修大学社会知性開発研究センターのHP
参照してください。

2011年10月14日金曜日

東洋文庫ミュージアム

東洋文庫ミュージアムが10月20日に開館します。
そこで、牧野元紀「東洋文庫ミュージアムぐるり探訪―時空をこえる本の旅」(『東方』368、2011年10月)および東洋文庫ミュージアムのチラシ・HPをもとにその概要を紹介したいと思います。

まず、基本情報です。
名称:東洋文庫ミュージアム
アクセス:JR・東京メトロ南北線「駒込駅」から徒歩8分または都営地下鉄三田線「千石駅」から徒歩7分
休館日:毎週火曜日(ただし、火曜日が祝日の場合は開館し、水曜日が休館)年末年始、その他、臨時に開館・休館することもある。
開館時間:10:00〜20:00(入館は19:30まで)
ショップ:マルコ・ポーロ 10:00~20:00
レストラン:オリエント・カフェ11:30~21:30(ラストオーダーは20:30まで)
入場料:一般880円、65歳以上、780円、大学生680円中・高校生580円、小学生280円

フロアは五つ。
オリエントホール:東洋文庫の歴史を紹介
モリソン書庫:24000点のモリソン文庫を展示
ディスカバリー・ルーム:東西の出会い・発見を軸とした企画展示
回顧の路:時空を超える旅のゾーン(百万塔陀羅尼・甲骨文字など)
国宝の間:国宝を毎月展示替え&『東方見聞録』コレクション


開館記念展示は、時空をこえる本の旅。
東洋文庫の名品100点が勢ぞろい。
モリソン書庫では、『ラフカディオ・ハーン書簡集』・チベット経典・嵯峨本など。
ディスカバリー・ルームでは、
企画1「キリスト教と東アジア」として、キリシタン版『サクラメンタ提要』(展示期間:10月20日~12月18日)、マリー・アントワネット旧蔵『イエズス会士書簡集』、『ドチリーナ・キリシタン』(展示期間12月20日~2月26日)など。
企画2「激動の近代東アジア」として、孫文自筆書軸、『アヘン戦争図』、『ペリー久里浜上陸図』など。
国宝の間では、国宝『史記』(夏本紀:10月20日~11月21日、秦本紀:11月23日~12月26日)、国宝『文選集注』(巻48残巻:12月28日~1月23日、巻59:1月25日~2月26日)など。
そのほか浮世絵コレクション(葛飾北斎『諸国瀧廻り』)も出す模様。

まさに、すごいの一言。
年に何回も通うことになりそうです。

2011年10月13日木曜日

関羽と諸葛亮

偶然(?)にも三国蜀漢政権に関わる概説書が二冊刊行された。

宮川尚志『諸葛孔明―「三国志」とその時代―』(講談社学術文庫、2011年10月)
渡邉義浩『関羽―神になった「三国志」の英雄―』(筑摩選書、2011年10月)

『諸葛孔明』は言わずと知れた名著。1940年に刊行された後、複数の出版社から復刊された。今回の底本は光風社版(1984年)。解説は渡邉義浩氏。
『関羽』は、8章構成。前半4章では正史と演義を比較し、関羽像の違いを示す。後半4章では関羽が神となった過程と背景をまとめている。

諸葛亮については、何冊も日本人研究者による伝記がでており、今回関羽も刊行された。でも、なぜだか日本人研究者による劉備の伝記は出ていない。軍師とあがめられた諸葛亮と神になった関羽のせいで、なんだか割を食ってる気がしないでもない。おもしろいと思うのだけどなぁ。

2011年10月11日火曜日

内陸アジア史学会2011年度大会

内陸アジア史学会2011年度大会

日程:2011年11月12日(土)
会場:富山大学人文学部(五福キャンパス)

公開講演(13:00~14:00)人文学部 第四講義室
小谷仲男「遊牧民族の右臂を断つ理論―中国正史西域伝の訳注序説― 」

研究発表(14:15~17:10) 同会場
三船温尚「アジアの高錫青銅器―鋳造・鍛造・熱処理技術について―」
岩尾一史「古代チベット支配下敦煌における写経事業とその経費処理」 
清水由里子「『東トルキスタン史』の叙述傾向と史料的価値について」