2010年10月1日金曜日

猫率の低下

称猫庵を名乗っているにも関わらず、
猫率の低下が甚だしい……。
秋になったことだし、これから猫との遭遇率もあがるはず。
ということで、特に意味は無いけど猫写真。

2010年9月30日木曜日

泥縄

まことにもって泥縄ですが、高橋智『書誌学のすすめ』を読んだ後になって、
漢籍版本の基礎知識を確認したいと思い、積読状態だった
陳国慶著・沢谷昭次訳『漢籍版本入門』(研文出版、1984年1月)を読みました。

原著は陳国慶『古籍版本浅説』(遼寧人民出版社、1957年)なので、
情報が古いところも多いのだけど、
沢谷氏の訳注と参考文献案内がそれを補ってくれます。

次は魏隠儒・王金雨著、波多野太郎・矢嶋美都子訳『漢籍版本のてびき』(東方書店、1987年5月)を読むつもり。とはいえ、これも20年以上前の訳書なのだけど。
ついでに米山寅太郎『図説中国印刷史』(汲古書院、2005年)も
見直してみようと思って、蔵書を探したのですが、
奥の下の方にあるようなので、今回はパス。

そういえば結構前に、長澤規矩也『古書のはなし―書誌学入門―』(冨山房、再訂1977年5月)も読んだのだけど、版本の基礎知識というのは、なかなか頭に残らない……。やはり読んだだけじゃ、知識が定着しないということなのだろうか(より根本的な記憶力の問題は置いときます)。

マニ教「宇宙図」

9月27日(月)の毎日新聞に、
「マニ教「宇宙図」国内に現存」
という記事とカラー図版が掲載されていました。

以下は、記事を一部引用。
「マニ教の宇宙観を描いたとみられる絵画が国内に存在することが
26日までに、京都大の吉田豊教授(文献言語学)らの調査で分かった。
「10層の天と8層の大地からなる」というマニ教の宇宙観の全体像が、
ほぼ完全な形で確認されたのは世界で初めて」

大きさは、縦137.1㎝、横56.6㎝。絹布に彩色。個人蔵。
元代頃に、江南地方の絵師が制作したらしいです。

森安孝夫「日本に現存するマニ教絵画の発見とその歴史的背景」(『内陸アジア史研究』25、2010年3月)には、日本国内で最近確認されたマニ教関係絵画が紹介されていますが、個人蔵や寺院蔵のものなど、まだまだ面白いものがたくさん眠っているんでしょうね。

書誌学のすすめ

高橋智『書誌学のすすめ―中国の愛書文化に学ぶ―』(東方書店、2010年9月)

第Ⅰ部「書誌学のすすめ」、第Ⅱ部「書物の生涯」、第Ⅲ部「書誌学の未来」。
第Ⅰ部・第Ⅱ部は、『東方』の連載記事(2003年1月~2004年12月、2006年6月~2008年1月)をまとめたもの。第Ⅲ部は書き下ろし。

体系的な書誌学の概説書というわけではなく、
書誌学に関する具体的な逸話を集積するなかで、
書誌学の魅力に迫っている。図版も多くて、よみやすい。
書誌学というと、型式論・年代比定のイメージが特に強かったけれど、
「書物」自体の流転の歴史を明らかにする学問でもあると実感。

なお、副題に「中国の愛書文化」とあるように、あくまで宋元以降の版本・写本がメインで、唐写本の流れをくむ日本の古写本(旧抄本)については、あまり触れていない。

2010年9月29日水曜日

東方学会第60回全国会員総会

東方学会第60回全国会員総会
日時:2010年11月6日(土)12:30~19:30
会場:芝蘭会館別館2階研修室1

講演会
12:40~13:40 根立研介「運慶と中国美術の受容」
13:50~14:50 池田雄一「中国古代における律令の形成と習俗」
研究発表
15:10~15:40 岩尾一史「古代チベット帝国の兵士とキャ制」
15:45~16:45 白井順「『小学』注再考―その思想研究の可能性を求めて―」
16:20~16:50 守川知子「シャー・イスマーイールとサファヴィー朝初期のシーア派信仰」
16:55~17:25 吉田ゆか子「バリ島仮面舞踊劇を担う者たちの現在―知識の習得過程を中心に―」

参加費:1000円、懇親会費:3000円

2010年9月27日月曜日

戦後日本人の中国像

馬場公彦『戦後日本人の中国像―日本敗戦から文化大革命・日中復交まで―』(新曜社、2010年9月)

日本敗戦から1972年の日中復交までに刊行された総合雑誌・論壇誌における
中国関係の記事をすべて抽出し(約2500本)、
戦後日本の知識人における中国像・叙述の変遷を丹念に分析している。

出てきた結果は、あまり新鮮味があるとはいえないが、
いままで漠然と認識していた戦後日本の中国叙述の変化について、
しっかりと肉付けしてくれて参考になる。

また、証言編として、総合雑誌などで積極的に
発言してきた人物のインタビューも載せている。
竹内実・野村浩一・岡部達味・本多勝一・小島麗逸・
中嶋嶺雄・加々美光行・津村喬などなど、立場は様々。
自伝的要素あり、自己批判あり、当時の日中関係の裏側ありで面白かった
個人的には、収録されなかった安藤彦太郎氏のインタビューが気になった。

2010年9月26日日曜日

斯道文庫開設50周年記念 書誌学展

斯道文庫開設50年記念事業『書誌学展』
日程:2010年11月29日(月)~12月4日(土)9時半~16時半
場所:慶應義塾大学三田キャンパス 図書館旧館2F大会議室
入場無料。

斯道文庫の蔵書から日本・中国・朝鮮・ヴェトナムの古典籍およそ100点を展示。
[主な展示品]
四分律:天平12年(740)頃写本
物初賸語:南宋(13世紀)刊本
広韻:宋末元初(13世紀)刊本
南華経:明・万暦33年(1605)刊本
直齋書録解題:清・乾隆39年(1774)刊本

展示構成は第Ⅰ部「書物との対話」と第Ⅱ部「斯道文庫の五十年」。
展示会場には、動画による展示解説もあるらしい。
開催期間は短いけれど、時間があったら見に行きたい。


さらに、書誌学展最終日に記念講演とシンポジウムを開催。
「古典籍の探究-書誌学の世界-」
日時:2010年12月4日(土)13:00~15:30
場所:慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール
[基調講演]13:00~
塩村耕「岩瀬文庫に教わったこと」
[シンポジウム]14:00~
井上進・大木康・真柳誠

2010年9月24日金曜日

これから出る本

あちこちの出版社から、来月・再来月あたりに
個人的に興味ある本が続々と出版されるようです。
忘れないようにメモしておかなきゃ。
なお、データ・内容紹介は出版社のHPや新聞などから抜粋しました。

湯沢質幸『増補改訂 古代日本人と外国語 東アジア異文化交流と言語世界』
出版社:勉誠出版  刊行日:2010年9月(予定)、
予価:2940円  頁数:304頁
[内容紹介]
古代日本人は、東アジアの人々と どのような言語で交流していたのか?
漢字・漢語との出会い、中国語をめぐる日本の学問のあり方新羅・渤海など周辺諸国との交流、円仁ら入唐僧の語学力など古代日本における異国言語との格闘の歴史を明らかにする。
『言語』から考える東アジア文化交流史

中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉編『続「訓読」論 東アジア 漢文世界の形成』
出版社:勉誠出版  刊行日: 2010年10月(予定)
予価:6300円  頁数:464頁
[内容紹介]
東アジアの「知」の成立を「訓読」から探る
東アジア漢文世界において漢文テキストは実際にどのような〈てだて〉で「読まれ」、そこでいったい何が生じたのか、そこから何が形成されたのか
「知」の伝播と体内化の過程を「訓読」論の視角から読み解くことで
東アジア漢文世界の成立を検証する。

新編森克己著作集編集委員会編『新編森克己著作集4 増補日宋文化交流の諸問題』
出版社:勉誠出版  刊行日:2010年10月(予定)
予価: 10500円  頁数:450頁

榎本渉『選書日本中世史4 僧侶と海商たちの東シナ海』
出版社:講談社(選書メチエ)  刊行日:2010年10月7日
予価:1680円

渡邉義浩『儒教と中国 「二千年の正統思想」の起源』
出版社:講談社(選書メチエ)  刊行日:2010年10月7日
予価:1680円

妹尾達彦『農業と遊牧の交わる都―北京の都市社会誌―』
出版社:刀水書房  刊行日:2010年中
予価1600円 

氣賀澤保規編『遣隋使がみた風景―東アジアからの新視点―』
出版社:八木書店  刊行日:2010年11月(予定) 
予価:3,990円  頁数:304頁(予定)
[内容紹介]
1400年前の遣隋使を徹底検証!
統一王朝・隋に派遣した古代日本・朝鮮半島の事情とは?
国際環境や政治から風俗まで、図版を収録し紹介


さらに汲古書院からは、「寧波プロジェクト」(にんぷろ)成果の集大成として、
『東アジア海域叢書』全20巻が刊行されるらしい。
第一弾は、山本英史編『近世の海域世界と地方統治』(10月刊)、
第二弾は、井上徹編『海域交流と政治権力の対応』(12月刊)。
平均350頁で、予価は各7350円。各巻のタイトル・内容が知りたい。
全部買うつもりはないけど、なんだか面白そう。

ホームレス博士

水月昭道『ホームレス博士―派遣村・ブラック企業化する大学院―』(光文社新書、2010年9月)

『高学歴ワーキングプアー』(光文社新書、2007年)、
『アカデミア・サバイバル』(中公新書ラクレ、2009年)に続く新書第三弾。
本屋で立ち読み、45分ほどで読了しました。

『高学歴ワーキングプアー』と論調はほぼ同じ。
近年の動向(昨年の仕分け事業など)や、様々なエピソードを追加した感じ。
全国のポスドク・院生が一斉ストライキを起こしたら、
大学教育・研究は大変なことになるぞ、とあったが確かにそうかも。

やっぱり、『高学歴ワーキングプアー』の問題提起のインパクトに比べると、
第二弾・第三弾は正直言って微妙な感じ。

2010年9月15日水曜日

東アジア世界史研究センター研究会

平成22年度東アジア世界史研究センター研究会
日時:2010年9月25日14時~17時
場所:専修大学神田校舎1号館7階7A会議室

講演
中村裕一「贈尚衣奉御井真成を巡る二・三の問題―唐代の外国使節の授官と関連して―」

申し込み
電子メールで9月16日(木)まで。
詳細は東アジア世界史研究センターのHPをご参照ください。

一時期、流行った井真成。
最近はめっきり出番が減ってる模様。
久しぶりにお目にかかった気がします。