2009年12月20日日曜日

手も足も

最近の寒さに手も足も出ません……。

なお、写真は秋に撮影したもの。猫はぬくぬくしてるはずです。
野良なのにこのフォルム。猫というより芋虫に近い気が……。

EurAsia3000年

もう、かなり今さらですが、まだ間に合うはず、
ということで紹介します。

「EurAsia3000年 海と陸のシルクロード」
会場:横浜ユーラシア文化館
会期:2009年9月19日~2010年1月11日
休館日:月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)
開館時間:9時30分~17時
入館料:一般500円 小中学生250円

展示構成:Ⅵ部構成で、陶磁器・青銅器・ガラス碗・地図などを展示。
Ⅰプロローグ(6世紀以前のシルクロード)、Ⅱ唐とイスラーム世界、
Ⅲモンゴル帝国の出現、Ⅳ大航海時代前夜 
Ⅴ大航海時代、Ⅵエピローグ(横浜を通過したシルクロード研究者)

2009年12月18日金曜日

オブジェの方へ―変貌する「本」の世界


先日、うらわ美術館で開催中の「オブジェの方へ―変貌する「本」の世界」展に行ってきました。
うらわ美術館は、「本」のアートをコレクションの柱にしている美術館で、
現在、1180点収蔵しているそうです。
今回は開館10周年記念ということで、コレクションの一部(67点)を展示中。

うらわ美術館は、シンプルでこじんまりとしていて、
客もあまり多くない感じ。今回の展覧会もちょっと地味目。
でも、国外・国内の様々な「本」に関する現代アートが並べてあって、
とても面白かった。


針で聖書を丹念にほぐした
イー・ジヒョン「007SE0711(聖書)」。

福田尚代の「佇む人たち」は、
小口を削った文庫本をずらりと並べて羅漢に見立てた作品。
まるで木製の彫刻みたい。

中村宏「機甲本 Ιχαρος(イカルス)」は、
稲垣足穂の短編小説を銅版にしたもの。総重量23kg。
外観と小説の内容が密接にリンクしている。
というか、単純にかっこいい。

西村陽平と遠藤利克は、焼いた本を展示。
西村作品は、鮮やかな白が奇妙に美しく、
遠藤作品は、2000冊の黒ずんだ本が重厚で圧巻。

柄澤齊の「書物標本Susanna」は、
まるで化石を見ているよう。


今回の展示で、ほぼ共通していることは、
本なのに、「読めない」(または極めて読みにくい)ということ。
焼いたり、塗りつぶしたり、重かったり、解体したり。
大体、物理的に読めないようになっている。
「本」とは何か、「読書」とは何かを考えさせられる。

でも、「本」があると、読みたくなるのが人情というもの。
ぜひ、「読む」という行為を含んだアートも展示してほしい。

「読めない」で思い出したけど、 うらわ美術館は
徐冰の作品を持っているのだろうか。
もし持ってたら、ぜひ展示してほしいなぁ。

徐冰「天書」(1987~1991年作成)











「オブジェの方へ―変貌する「本」の世界」
会場:うらわ美術館
会期:2009年11月14日~2010年1月24日
開館時間:10時~17時(土日のみ20時まで)
休館日:月曜日・年末年始(12月27日~1月4日)・1月12日
観覧料:一般500円、大高生300円

大阪市立東洋陶磁美術館

国際交流特別展「北宋汝窯青磁 - 考古発掘成果展」
会期:2009年12月5日(土)~2010年3月28日(日)
会場:大阪市立東洋陶磁美術館
休館日:月曜日(12月14日、21日、1月11日、3月22日は開館)、
 年末年始〈12月28日(月)~1月4日(月)〉、1月12日(火)、2月12日(金)、3月23日(火)
開館時間:午前9時30分~午後5時
 *12月12 日(土)~25日(金)は午後9時まで
主催:大阪市立東洋陶磁美術館、河南省文物管理局、読売新聞大阪本社
特別協力:河南省文物考古研究所
料金:一般900円(750円)、高大生600円(450円)
展示内容:近年、河南省文物考古研究所が進めてきた
 河南省宝豊県清凉寺の北宋汝窯青磁窯址の出土資料約80点を展示


講演会・シンポジウム
国際シンポジウム「北宋汝窯青磁の謎にせまる(仮題)」
日時:2010年3月13日(土)、14日(日)
場所:大阪歴史博物館・講堂
定員:250名(参加費無料・先着順)
内容:中国、台湾、韓国、日本の研究者が汝窯に関する最新の研究成果を発表
詳細については後日別途広報。大阪市立東洋陶磁美術館ホームページ参照。

2009年12月16日水曜日

講演会

研究会「中央アジア・ソグディアナにおける仏教遺跡と美術」
日時:2009年12月21日(月) 午後3:30〜5:00
場所:京都・国際日本文化研究センター第5共同研究室
http://www.nichibun.ac.jp/info/access.html
発表者:Abdullaev Kazim(ウズベキスタン考古研究所研究指導員)
参加費:無料

2009年12月13日日曜日

医学と芸術

現在、森美術館で開催中の「医学と芸術:生命と愛の未来を探る~ダ・ヴィンチ、応挙、デミアン・ハースト」に行ってきました。

今回の展覧会は、「医学と芸術」をテーマに、
イギリス最大の医療助成団体のウェルカム財団所蔵品を中心に、
第1部:身体の発見、第2部:病と死との戦い、第3部:永遠の生と愛に向かって
という三部構成で、医療用品・解剖図・日本画・現代アートなどなど、
約180点を展示している。

多分、目玉はダ・ヴィンチの解剖図なのですが、
そこにはあまり興味が湧きませんでした。
むしろ、実用的に作られた医療用品なのに
アートに見えてしまう展示品の数々に感動。
ポール・オムニスコープ社製レントゲン機や、特注の「鉄の肺」、
様々な義手・義足・義眼、鉄製関節模型などなど。

また、一つの展示品から、連想がひろがる面白さも味わいました。
たとえば、円山応挙の「波上白骨座禅図」(1780完成)を見た時には、
南宋・李嵩の「■[骨+古]髏幻戯図」を連想。 この絵は、傀儡の骸骨をあやつる芸人(これまた骸骨)とその妻と乳飲み子、
さらに芸人に近づく幼児と、それを止めようとする母親を描いている。
正直、李嵩のほうが、円山応挙よりも、ずっとずっと怖い。

現代アートでは、
死を目前にした人とその死亡直後の顔写真を並べた
ヴァルター・シェルス「ライフ・ビフォア・デス」や、
人の頭蓋骨を紙やすりで2週間削って作った
アルヴィン・ザフラ「どこからでもない議論」、
エドワルド・カッツが遺伝子工学によって生み出した光るウサギ「GFPバニー」に、
深く考えさせられました。
年老いたアメコミヒーローを並べたジル・バルビエの「老人ホーム」は、
単純に見ているだけでも面白かった。
解説は老人医学の面にしか触れてないけど、
“正義”のアメリカ自体を皮肉っているようにも見える。


と、ここまでものすごく満足したように書いてきましたが、
実のところ、面白かったけど物足りない、というのが正直な感想。
意外な組み合わせというのが少ない上に、西洋偏重なのも気にかかる。
申し訳程度にチベット・ペルシャ・インド・中国の展示品もあったけど、
物足りなすぎる。
鍼灸や本草学、江戸時代の医学用品ですら展示されていないし。
東洋医学の世界は、もっともっと奥深く、面白いものがたくさんあるのだけどなぁ。
それに呪詛とか祈祷といったものも広義の精神医学として、
取り上げる価値はあったのではなかろうか。例えばコレラ除けのお札とか。

どうも、グロテスクでインパクトのある解剖図や肉体図に
重点を置きすぎているように感じてしまった。
ま、アートっぽいものっていうと、どうしても西洋偏重になるのは仕方ないのだけど。
でも、そこをもう一歩踏み出してほしかったなぁ。

個人的には5月29日から8月30日まで
21_21DESIGN SIGHTで開催されていた「骨」展の方が
意外な組み合わせがあって面白かった。

なお、「医学と芸術展」は、2010年2月28日(日)まで開催中です。

2009年12月10日木曜日

東アジアの仏教儀礼と表象文化

国立歴史民俗博物館共同研究2008〜2010「中世における儀礼テクストの綜合的研究」による国際研究集会「東アジアの仏教儀礼と表象文化」
日時:12月23日(水・祝日)
会場:名古屋大学文系総合館 7F カンファレンス・ホール

午前の部:影像上映(10:00〜12:00)
民俗映像「薬師寺花会式―行法を支える人々」 解説 松尾恒一

午後の部
基調講演(13:00〜14:00):洪潤植「韓国の仏教儀礼と芸能」
シンポジウム(14:15〜18:00)「東アジアの仏教儀礼と表象文化」
金慶起「韓国霊山齋の儀礼 芸能の特質とその歴史」
小島裕子「舎利会における舎利の奉迎について」
荒見泰史「敦煌文献に見られる唱導資料」
コメンテーター:松尾恒一・殷勤
司会・総括:阿部泰郎

2009年12月8日火曜日

夜道にて


エサを探しているのだろうか。
そこには落ち葉しかないよ。

王朝滅亡の予言歌

串田久治『王朝滅亡の予言歌―古代中国の童謡』(大修館書店、2009年12月)

前漢・後漢代の童謡・予言歌の内容を解説。
政治と密接な関係にあったことを紹介している。
若干、気になったのは、正史に記された予言歌の流行時期を
そのまま採用しているように見えた点。
たとえば、桓帝の最期と次の霊帝の登場を予言した歌が、
桓帝即位当初に流行したという『続漢書』の記事をそのまま引用している。
予言はたいていの場合、後付けで作られるような気がするのだけど……。

中国では王朝交代や政治が乱れた際には、
必ずと言っていいほど、童謡が流行するので、
史料にもちょくちょく登場する。
清の杜文瀾撰『古謡諺』は、明代までの童謡を列挙していて、
参照するのに便利。

2009年12月6日日曜日

『老子』―〈道〉への回帰

神塚淑子『『老子』―〈道〉への回帰』(岩波書店、2009年11月)

岩波書店の書物誕生あたらしい古典入門シリーズの一冊。
第Ⅰ部では、『老子』の成立過程(馬王堆帛書・楚簡との比較)や、
各時代の注釈書、仏教や道教との関係をまとめている。
第Ⅱ部では『老子』の思想を以下の五つのテーマに分けて読み解いている。
「道」について、「道」への復帰、文明への警告、「聖人」の治、処世訓。
『老子』の概説書として、とてもわかりやすかった。
ただ、書物誕生シリーズの『孫子』・『論語』・『『史記』と『漢書』』を読んだときほどは、目から鱗が落ちなかった。