2012年8月14日火曜日

水戸黄門「漫遊」考

金文京『水戸黄門「漫遊」考』(講談社学術文庫、2012年8月)

「この紋所が目に入らぬか!」でおなじみの水戸黄門。
彼には、日本・中国・朝鮮に仲間がいた。
中国の包拯に劉知遠、朝鮮の暗行御史、北条時頼……。
黄門さまの「漫遊」の起源をめぐって、
古代から現代、ギリシャ・インド・中国・朝鮮・日本、
王の巡幸・芸能者・スパイ、
神話学・民俗学・歴史学・文学、
講談・小説・映画・テレビと「漫遊」し、
その行き着いた果てに明かされる意外な印籠の起源。

お隣の中国では、今でも黄門の仲間たち(特に清の皇帝)は元気だが、
日本では、ついに2011年にテレビドラマ『水戸黄門』が終焉を迎えた。
善意の権力者が民衆を救うという物語が、
フィクションであっても成立しない時代が来たのかもしれない。

もうすぐ出版されるはずの冲方丁の『水戸光圀』は、
一体、どんな水戸黄門を描くのだろうか。

なお、先日まで、ファン・ヒューリックの狄(ディー)判事シリーズを読んでいたのだけど、本書には取り上げられていなかったが、彼も水戸黄門の仲間であることは間違いない。

原書は、金海南名義で1999年に新人物往来社から刊行。
う~ん、知らなかった。

2012年8月11日土曜日

北・東北アジア地域交流史

姫田光義編『北・東北アジア地域交流史』(有斐閣、2012年)

有斐閣の「新しい時代の大学テキストシリーズ」の有斐閣アルマの一冊。
「北・東北アジア地域」とは聞きなれない呼称だが、対象範囲は、環オホーツク海・環日本海圏、沿アムール圏、中央アジア圏と幅広い。「東アジア」・「東北アジア」といった呼称では、中華世界の「周辺地域」という印象を与えてしまいかねないため、「北・東北アジア地域」を用いるとする。

目次は以下の通り

序章「北・東北アジア地域の歴史と現代をどのように考えるか」(姫田光義)

第1部:シベリアの先住民族と環オホーツク海・環日本海交流圏
第1章「北・東北アジアの先住民族と環オホーツク海・環日本海交流圏」 (中村和之)
第2章「日本から見た環日本海交流圏」 (荒野泰典)

第2部:沿アムール河・ウスリー江交流圏の形成と現代
第3章「帝政期極東ロシア地域の諸民族の交流と生活」(サヴェリエフ イゴリ)
第4章「国境にまたがる民の20世紀―ロシア・ソ連朝鮮人のあゆみ」 (ユ ヒョヂョン)
第3部:モンゴルと中央アジアの交流圏の形成と現代
第5章「匈奴とモンゴルの交流圏 」(井上治)
第6章「モンゴル人にとって栄光の時代とは」 (今岡良子)
第7章「中央アジア交流圏が示すユーラシア像」 (梅村坦)

第4部:文化の移動と交流圏とをつなぐリンク
第8章「海の神様はどこまで広がったか」 (樋泉克夫)
第9章「間宮林蔵は北の大地で何を見たのか―清朝期の東北地域における「多民族的混交」の現実 」(王中忱)

東洋文庫ミュージアム企画展記念シンポジウム

東洋文庫ミュージアム企画展「ア!教科書で見たゾ」記念シンポジウム
日程:2012年8月18日(土)14時~17時
場所:東洋文庫2階講演室

講演
14時~14時30分:小川宏明「世界史は、ファンタジーワールドの物語か?!」
14時30分~15時:風間睦子「世界史教科書、図表のキャプションまで読み込め!」
15時10分~15時40分:岸本美緒「エ!これ見てないゾ?!世界史教科書の悩ましい図版選び」
15時40分~16時10分:桃木至朗「東南アジアと日本を「つなぐ」「くらべる」~新しい世界史の威力と魅力~」
16時20分~17時:パネルディスカッション

入場定員100名
事前申込制・抽選制(東洋文庫ミュージアム宛にはがきかメールにて申込み)
空席が出た場合、当日受付可。
参加費無料

国際学術シンポジウム「墓誌を通した魏晋南北朝史研究の新たな可能性」

国際学術シンポジウム「墓誌を通した魏晋南北朝史研究の新たな可能性」
日時:2012年9月16日(日)9:30~16:30
会場:日本女子大学目白キャンパス新泉山館大会議室
《午前の部》
9:40~10:30  佐川英治「南北朝新出墓誌の現地調査―南京・洛陽・西安・太原―」
10:30~11:30 王素「中國中古墓誌整理研究的新收穫―以大唐西市博物館新藏魏晉南北朝墓誌為中心―」(仮題)
11:30~11:50 質疑1

《午後の部》
13:00~14:00 張銘心「従墓誌的伝播所見漢文化的分流与合流―以魏晋南北朝為中心―」
14:00~15:00 李鴻賓「墓誌銘反映的關隴集団的摶成問題」(仮題)
15:00~15:20 質疑2
15:30~16:25 総合討論(司会:葭森健介、コメント:關尾史郎)

魏晋南北朝史研究会第12回大会

魏晉南北朝史研究会 第12回大会
日時:2012年9月15日(土)13時~
会場:日本女子大学目白キャンパス 新泉山館大会議室
 
   

研究報告
福原啓郎「西晉の張朗墓誌の総合的研究を目指して」
 コメンテーター 葭森健介
窪添慶文「北魏における弘農楊氏―楊播兄弟とその子息たち」
 コメンテーター 岡部毅史

学会報告
小尾孝夫「“第6届中国中古史青年学者聯誼会”参加報告」
阿部幸信「“第7回中国中古史青年学者国際会議”のご案内」

2012年7月26日木曜日

第45回中央アジア学フォーラム

第45回中央アジア学フォーラム
日時:2012年7月28日(土)13時半~18時
場所:大阪大学豊中キャンパス文法経本館2階大会議室

報告
眞島宣明「論著紹介:Rulers from the Steppe: State Formation on the Eurasian Periphery, Los Angeles: Southern California University, 1991 ―とくにDrompp論文を中心にして」
河上麻由子「梁職貢図に関する一考察 ―研究状況の紹介と今後の課題」
古川洋平「初期仏教における修行道の研究 ―「五蓋の除去」に注目して
中田裕子「「康子相墓誌」再考 ―趙振華著『洛陽古代銘刻文献研究』の紹介もかねて」

三国志学会第7回大会

三国志学会 第七回大会
日時:2012年9月8日(土)
会場:龍谷大学 大宮学舎東黌204教室
参加費:500円
報告 (10:10~15:45)
10:10~10:55 袴田郁一「吉川英治が見た「三国志」」
11:10~11:55 陳曦子「中国四大名著の日中マンガ比較研究 ─「三国演義」を中心に─」
―昼休み―
13:00~13:45 櫻木陽子「21世紀の京劇と三国志」
14:00~14:45 池田雅典「蔡邕の考えた"漢"」
15:00~15:45 竹内真彦「成就する桃園結義」
 講演 (16:00~17:30)
大上正美「司馬昭と竹林の七賢」

2012年7月24日火曜日

第5回中国石刻合同研究会

第5回 中国石刻合同研究会
日時: 2012年7月28日(土) 10時~18時
場所:明治大学リバティタワー 13階 1135教室

10:10~10:50 櫻井智美「モンゴル時代の岳瀆祭祀―石刻史料の検討より―」
10:50~11:30 橋本繁「六世紀新羅の石碑について」
11:30~12:10 福原啓郎「西晉の当利里社残碑の歴史的意義」
12:10~13:00 昼食・休憩
13:00~14:00 王其禕「2008-2012年新獲隋代墓誌銘整理報告―『隋代墓誌銘彙考』以後の新発見」
14:00~14:40 北村 一仁「北朝後期の河東地域に関する一考察―山西運城出土の造像碑記を利用して」
14:40~15:20 山下将司「北朝末・唐初間におけるソグド人軍府―ソグド人漢文墓誌より―」
15:20~15:40 休憩
15:40~16:20 松原朗「「姚合墓誌」と詩人姚合の伝記論的問題」
16:20~17:00 氣賀澤保規「「袮軍墓誌」と“日本”―新発見百済人祢氏墓誌の紹介」
17:00~17:50 集約と質疑応答:佐川 英治

2012年7月16日月曜日

史料からみる中国法史

石岡浩・川村康・七野敏光・中村正人『史料からみる中国法史』(法律文化社、2012年7月)

中国法史の入門書。教科書であることを意識しているので、前近代中国の法をわかりやすくまとめている。現代日本法との比較も興味深い。

「第1部 法と刑罰」では、律令体系と五刑の形成・変容をまとめていて、中国法史の全体像をつかむことができる。続く第2部から第4部は具体的事例をもとに個別の内容を解説している。
「第2部 法と裁判」では、裁判の構造、拷問、誤判への対処、法と道徳が抵触した場合にどのように対処したかなどを取り上げている。「第3部 刑事法」では、高齢者や年少者の扱い、自首、正当防衛など。「第4部 家族法」では、婚姻、離婚と再婚、家産の継承、養子。

いずれも身近なトピックで、現代日本法との違いや意外な共通点も示されていて、とても面白い。ヒューリックのディー(狄)判事シリーズを読んでいるところだったので、なおのこと楽しめた。法と道徳の問題や養子・家産の継承などは、中国史概説でも言及する箇所なので、とても参考になった。さっそく活かしていきたい。

2012年6月26日火曜日

東アジアの神仏と文学正典と『偽』なるものをめぐってPart.2

公開研究会「東アジアの神仏と文学正典と『偽』なるものをめぐって」Part.2
日時:2012年6月30日(土) 10時~
場所:奈良女子大学D120教室

午前の部 10:10~11:50
向村九音「卒河神社をめぐる諸言説の生成と変遷」
増尾伸一郎「朝鮮における仏典刊行と疑偽経典」

午後の部 13:30~16:20
谷口洋「中国近代にとって「偽書」とは何か―「擬古派」「釈古派」が見たもの、見なかったもの―」
山口真琴「偽書生成の源泉としての〈塔〉と〈虚空〉をめぐって」
小川豊生「海を渡る偽書―愛染法の生成と不空仮託書をめぐって―」