2011年8月20日土曜日

唐代史研究会夏期シンポジウム

2011年唐代史研究会夏期シンポジウム
日程:2011年8月22日(月)・23日(火)
場所:文部科学省共済組合箱根宿泊所 四季の湯強羅静雲荘

シンポジウム「「隋唐帝国」論―形成・影響・本質」
8月22日(月)
14:00~15:30 川合安「南朝史からみた隋唐帝国の形成」
15:30~17:00 前島佳孝「西魏・北周・隋初時期における領域統治体制について」
8月23日(火)
10:00~12:00 堀井裕之「唐朝政権の形成と太宗の氏族政策」
13:30~15:00 赤羽目匡由「新羅真徳王五(651)年中央官制改革の意義(仮)」
15:00~16:30 榎本淳一「隋唐朝の朝貢体制の構造と展開(仮)」

居酒屋の世界史

やっと涼しくなり、調子ももどりそう。
遅れた分をなんとか取り戻したい……。
けど、ここで無理するとよくないという気もする。
まぁ、ぼちぼちやっていきます。

下田淳『居酒屋の世界史』(講談社現代新書、2011年8月)

西欧を中心としながらも、非西欧圏(イスラム・中国・日本)の居酒屋も取り上げ、居酒屋を通じた比較文化論を展開。西欧中世~近現代の居酒屋については、「居酒屋の多機能性」(銀行・裁判・集会所・演芸場・売春など)が徐々に専業化していく過程(「棲み分け」)が描かれていて参考になった。
しかし、中国の居酒屋を述べた際に、農村部には居酒屋が存在せず、その原因を「中国農村が現物経済から貨幣経済に移行しはじめたのは、一九世紀になってからであった」とするのは理解できなかった。同様の記述は、イスラム圏や日本の箇所でもみられる。

2011年8月13日土曜日

2011年度魏晋南北朝史研究会大会

2011年度魏晋南北朝史研究会大会
日時:2011年9月17日(土)午後1時~
会場:日本女子大学目白キャンパス,新泉山館大会議室
プログラム
友田真理「墓誌の誕生前夜―漢末魏晋期における葬俗の転換と薄葬令」
 コメンテーター 安部聡一郎
松下憲一「北魏墓誌の研究」
 コメンテーター 東賢司
阿部幸信「学会報告 「第5届中国中古史青年学者聯誼会」参加報告」

2011年8月1日月曜日

ふたつの故宮博物院

野嶋剛『ふたつの故宮博物院』(新潮選書、2011年6月)

北京と台北に存在するふたつの故宮。
清末の文物流失、抗日戦争による文物移動、
そして国共内戦を経て、二つの故宮が成立し、
現在に至る過程を描く。

前近代中国史に関する凡ミス(例:曹操を宦官の息子とする)がけっこうあるし、第2章~第4章(故宮の歴史的経緯)が先行書籍をまとめただけで、物足りなかったけれど、現代の故宮をめぐる諸問題を扱った第1章・第6章・第7章はかなりおもしろかった。

一番よみごたえがあったのは、
陳水扁期の故宮改革とその挫折を述べた第1章。
院長などへのインタビューを通じて、
生々しく故宮改革の様子について描いている。

2011年7月31日日曜日

外邦図

小林茂『外邦図―帝国日本のアジア地図』(中公新書、2011年7月)

第二次世界大戦終結まで、日本がアジア・太平洋地域について作成した「外邦図」の歴史についてまとめたもの。陸軍が中心となって、戦争・植民地支配のために、朝鮮・台湾・中国・東南アジアで作成されていく様子がえかがれている。

外邦図は、未だ積極的に活用されているとはいえないそうだが、環境史にとって意義ある資料であるとする。確かに口絵にのっている中国安徽省の空中写真をみると、ずいぶん景観が変化していることがわかる。また、広開土王碑との関係で有名な酒匂景信の手描き地図(洞溝周辺)にも言及している。前近代の遺構・遺跡を研究する際にも活用できそう。

韋昭研究

高橋康浩『韋昭研究』(汲古書院、2011年7月)

三国時代の呉に仕えた韋昭の専門書。
第一篇「学者としての韋昭」(4章構成)では、
『国語解』(『国語』の注釈)と『漢書音義』を中心に、
韋昭の学問の特徴を述べる。
鄭玄の学問との関係が興味深い。
後漢から三国期の学問状況がうかがえる。

第二篇「孫呉人士としての韋昭」(3章構成)では、
「博奕論」・「呉鼓吹曲」・『呉書』を取り上げ、
韋昭と呉政権、特に孫呉正統論との関係を述べている。
第二篇はやや特定の先行研究に
よりかかっているように感じてしまった。

2011年7月27日水曜日

これから出る(出回る?)本2

東洋文庫から2011年3月に
 東洋文庫中国古代地域史研究班編『水経注疏訳注(渭水編 下)』が出た模様。
書店にもそろそろ出回るのではなかろうか。
(もしかしたら、既に出回ってるかも)  
『水経注』渭水編の訳注だけでなく、
『水経注疏』関係の檔案を調査しているのもおもしろそう。


目次は以下の通り
序言  東洋文庫中国古代地域史研究班(太田幸男)
窪添慶文「魏晋南北朝時期の長安」
池田雄一「『水経注疏』関係檔案と同書稿本」 
池田雄一・多田狷介・石黒ひさ子・山元貴尚「傳斯年図書館所蔵『水経注疏』関係の檔案」
太田幸男「陳橋駅先生との会見記 附:陳橋駅先生『水経注』研究著作目録」
多田狷介「西安考古訪問記」
『水経注疏』訳注凡例 
『水経注疏』巻十九 渭水下 
『水経注疏』影印 
索引       

これから出る本

8月に勉誠出版から刊行されるアジア遊学 144は、
田村義也・松居竜五編「南方熊楠とアジア」。
これはおもしろそう。

巨人熊楠における古典・西欧近代学問・近代東アジアとの
関係・まなざしを解き明かしてくれそう。
目次を読むだけでわくわくしてくる。

目次は以下の通り
◆緒言
田村義也「南方熊楠の現在―資料刊行の進行と南方像の変遷」
◆座談会 
飯倉照平、小峯和明、奥山直司、田村義也(司会)「南方熊楠とアジア」
◆東アジア的「知」と学問
小峯和明「南方熊楠・東アジアへのまなざし」
武内善信「「都会っ子」としての南方熊楠 ―東アジア的「知」との邂逅」
飯倉照平「南方熊楠と中国書」
コラム 池田 宏「南方熊楠と漢籍―南方熊楠邸での漢籍調査に従事して」
高陽「南方熊楠の比較説話をめぐる書き込み―『太平広記』、『夷堅志』と『今昔物語集』とのかかわりを中心に」
 平川恵実子「『沙石集』と南方熊楠」
◆西欧近代学問との邂逅
小山騰「南方熊楠と英国の日本学」
田村義也「『ネイチャー』誌論考の中のアジア―南方熊楠の最初期英文論考」
志村真幸「『ノーツ・アンド・クエリーズ』誌掲載論文の中のアジア」
松居竜五「図書館の中のユーラシア大陸――南方熊楠「ロンドン抜書」における旅行書」
神田英昭「南方熊楠・土宜法龍とチベット―一八九三年~一八九四年における往復書簡を中心に」
奥山直司「南方熊楠と十九世紀ヨーロッパのインド学」
唐澤太輔「南方熊楠の夢の世界」
杉田英明「知識の泉としての『アラビアン・ナイト』― バートン版と南方熊楠」
増尾伸一郎「南方熊楠の比較説話研究とW・A・クラウストン―”Popular Tales and Fictions”の受容をめぐって」
◆近代東アジアへのまなざし
ブリジ・タンカ「アジアにおける普遍性―南方熊楠とベノイ・サルカル」
武上真理子「南方熊楠と孫文―交錯するアジアへのまなざし」
橋爪博幸「南方熊楠の朝鮮半島へのまなざし」
岸本昌也「在英日本人表誠金献納始末―日清戦争と南方熊楠」
千本英史「新聞「日本」と南方熊楠 附・全集未収録論考「神前女子不脱帽一件」」
◆熊楠の思想と生活
コラム 辻 晶子「南方熊楠の稚児論」
コラム 広川英一郎「南方熊楠とその門弟」
コラム 安田忠典「南方熊楠と温泉」
◆博物館紹介
田村義也「南方熊楠記念館/南方熊楠顕彰館―一次資料を所蔵・展示する二施設」
◆書籍紹介
松居竜五「新しい『南方熊楠大事典』から始まる新しい南方熊楠研究」

2011年7月23日土曜日

古代東アジアの道路と交通

鈴木靖民・荒井秀規編『古代東アジアの道路と交通』(勉誠出版、2011年7月)

2010年6月に國學院大学で開催された古代交通研究会大会のシンポジウムがもとになった論文集。四部構成で、日本・中国・東アジア諸国の古代の道路が検討されている。

鈴木靖民「序言 古代東アジアの道路と交通」 
第Ⅰ部 古代の直線道路・東アジアの視角
木下良「東アジアの古代道路―世界的視圏から」
武部健一「中国古代道路史概観」
張在明「中国陝西省富県における秦の直道遺跡の発掘」
小鹿野亮「入唐求道巡礼行記―山越えの軍用道・始皇帝の直道を歩く」
早川泉「秦の「直道」と道路構造」
 
第Ⅱ部 中国唐代の道路・交通
中大輔「北宋天聖令からみる唐の駅伝制」
永田英明「唐日伝馬制小考」   
塩沢裕仁「洛陽から四方に通じる大道とその遺跡」
河野保博「長安と洛陽を結ぶ二つの道―「臨泉駅」銘石刻を中心に」
荒川正晴「唐代の交通と商人の交易活動」
桜田真理絵「唐代の通行証―標準型・簡易型による区別」
 
第Ⅲ部 諸国の交流と道
小嶋芳孝「渤海の交通路」
山本孝文「古代韓半島の道路と国家」
澤本光弘「契丹(遼)の交通路と往来する人」
田中史生「海上のクロスロード―舟山群島と東アジア」
河内春人「古代国際交通における送使」
 
第Ⅳ部 古代日本の道と制度

中国語の歴史

大島正二『中国語の歴史―ことばの変遷・探究の歩み』(大修館書店、2011年7月)

あじあブックス072。
漢字があらわす形・音・義、
そして中国語文法の変遷とともに、
どのように研究されてきたかも紹介している。

第一章「漢字の〈形〉のはなし」では、
漢字の変遷・字書編纂、
第二章「漢字の〈音〉のはなし」では、
音韻学・韻書・中古音、
第三章「漢字の〈義〉のはなし」では、
義書(『爾雅』・『方言』・『釈名』)・語彙、
第四章「中国語の〈文法〉のはなし」では、
文法研究について取り上げている。