2010年2月15日月曜日

後頭部


猫の後頭部。
なんかちょっとあほっぽいのがいい感じ。

2010年2月11日木曜日

泉太郎個展


ちょっと前のことになりますが、
泉太郎の個展「くじらのはらわた袋に隠れろ、ネズミ」に行ってきました。
横浜の「日常/場違い」展で、泉太郎の作品が気になったので、
調べてみたら、ちょうど個展が開催されていることが判明。
ついつい見に行ってしまいました。


場所は浅草。アサヒアートスクエア4階・5階。
会場に入った途端、おもちゃ箱をひっくりかえしたような風景が広がっている。


何だろうと思ってみてみると……、すごろく?


大画面の映像を見てみると、
どうやら、マス目に書かれたことを実際にやるというすごろくらしい。
フトルに止まれば、腹に布を詰め込んで太る。


双六の中身をくまなくチェックしたり、大画面の映像を見たり、
その他のちょっとした映像作品(巻尺を褒める・けなす作品など)を
見たりしているうちに、ちょっと不気味なうさぎが登場し、
実際にすごろくがはじまった。


イロに止まれば、イロを塗り、
ヌルヌルに止まれば、スライムを塗り、
ドロに止まれば、ドロを塗る。


テープを巻いたり、泣いたり、耳を切ってパスしたり、
檻に入ってライオンのまねしたり。
最終的には、こんな感じ。もう、何が何だか。



面白いといえば、相当面白かったのだけど、
なんだかざわざわする感じ。
画面でみると、かなりユーモラスなのに、
実際見ると、生々しくて、ちょっとグロテスクな感じがしてしまった。
たまたま、止まったマスがわるかったのかも。
でも、その生々しさ・不気味さも含めて、アートなんだろうなぁ。
今度、どこかの展示で、スゴロクやってる映像をみてみたいです。

楊福東「将軍的微笑」


原美術館で開催されているヤン・フードン(楊福東)の
個展「将軍的微笑」に行ってきました。

ヤン・フードンは、中国の映像アートの中で高評価を受けている人物。
2005年の「フォロー・ミー!新しい世紀の中国現代美術」(森美術館)や、
2008年の「アヴァンギャルド・チャイナ」(国立新美術館)にも出展していた。
でも、個人的には、これまであまりピンとこなかった。
今回、個展が開かれるということで、再チャレンジしてみることに。


展示作品は全部で6点。全て映像作品で、最短は7分ほど、最長は53分。
「将軍的微笑」は、長机がそのまま画面になっていて、
パーティーの食事風景が映し出されている。
その周りには、たくさんの若い女性の姿や、老人(将軍)の独白、
ピアノをひく老人などが、ところせましと映し出されている。
部屋に入った瞬間のインパクトがかっこいい。老人の奏でるピアノとも合ってるし。

「青麒麟」は、真っ白の部屋の中に、10画面程の石の採掘場の風景と、
5画面のまるで英雄の肖像画のように微動だにしない直立不動の労働者が、
映しだされている。これまた部屋に入った瞬間のインパクトがすごい。

魏晋時代の竹林の七賢にインスピレーションを得て作られた
「竹林の七賢人 パート3」(53分)は、1930年代風の服装の若者7人が、
山村の棚田で寝起きし、農作を行ったり、牛の世話をしたり、
恋愛っぽいことしたりするアンニュイでシュールな雰囲気の映像。
ストーリはあるようなないような(多分、大まかにはあるのだろうけど)。


映像を大体全部みたので、かなり見応えあった。合計2時間以上滞在してたし。
確かにかっこいいし、映像も綺麗だし、評価が高いのもうなづける。
でも、やっぱり、面白いとは思えなかった。う~ん、残念。
多分、楊福東の問題でも、原美術館の展示の問題でもなく、
僕個人の好みの問題なのだと思う。

暗喩や象徴が込められていると思うのだけど、
それを読み解くコードがよくわからないもどかしさ。
無声・白黒といった音色の情報量の少なさと、
時間軸の入れ替えや似た映像の繰り返し。
手法としては有りだと思うけど、ちょっとついていけなかった。
単純に映像美を楽しめばいいのだろうけど、
それにしては思わせぶりすぎる。

映像作品は、もっとシンプルでユーモラスなのがいいなぁ。

ただ、これはあくまで個人的感想であって、
多分、ものすごくいいと感じる人も多いはず。
実際、かっこいいとは思ったし。


2010年3月28日(日)まで原美術館で開催中。
開館時間:11時~17時(水曜のみ20時まで)
休館日:月曜日・3月23日

2010年2月8日月曜日

遼に関する講演会

山形大学で遼に関する講演会が開かれます。
日時:2010年2月15日(月)14:40~16:10
会場:山形大学人文学部101教室(1号館)

董新林「遼代の祖陵(耶律阿保機陵)および上京城址の発見と研究」
通訳:佐川正敏

2010年2月6日土曜日

知識は東アジアの海を渡った

学習院大学東洋文化研究所編『知識は東アジアの海を渡った―学習院大学コレクションの世界―』(丸善プラネット株式会社、2010年1月)

丸善丸の内本店ギャラリーで開催されていた
展覧会「知識は東アジアの海を渡った」に行こうと思っていたのに、
ふと気づいたらもう終わってました。残念。
図録が新刊書店に出てたので、せっかくだから買いました。
全編フルカラーで、85点の漢籍・資料の解題とコラム、
学習院大学内の文庫や在籍していた東洋学関係者の紹介などが載っている。
さすが学習院。華族からの寄贈がすごい。

2010年2月5日金曜日

史林の書評

丸橋充拓「David A.Graff Medieval Chinese Warfare,300-900」(『史林』93-1、2010年1月)

2002年出版のデイビット・A・グラフ著『中世中国の戦争300~900』の書評。
この本は日本・中国で研究があまり多くない南北朝隋唐期の軍事史の研究書。
政治過程や制度的背景については、新知見はあまりないようだが、
戦争の経緯や軍事的諸要素の分析に興味深い点が多いようだ。
書評を読む限り、かなり面白そう。ぜひ日本語訳がでてほしいなぁ。

『金瓶梅』第三十九回の構成

田中智行「『金瓶梅』第三十九回の構成」(『東方学』119、2010年1月)

『金瓶梅』は読んだことないので、さっと見るだけにしようかと思ったら、
面白くてしっかり読んでしまいました。
『金瓶梅』では九のつく回に重要事件が起きる、という先行研究の指摘を踏まえ、
一見、大した事件が起きたようには見えない第三十九回の内容を検討し、
どのような意味が隠されているのか明らかにしている。
『西遊記』にしろ、『紅楼夢』にしろ、明清の長編小説には、
緻密な計算が施されているものが多くて、その謎解きも面白い。
この論文の影響で、日下翠『金瓶梅―天下第一の奇書―』(中公新書、1996年7月)をついつい古本屋で買ってしまいました。

2010年2月3日水曜日

歴代名画記

宇佐美文理『歴代名画記―〈気〉の芸術論―』(岩波書店、2010年1月)

岩波書店の「書物誕生 あたらしい古典入門」シリーズの一つ。
このシリーズに『歴代名画記』が入っていること自体が面白い。
唐代までの絵画史(実態は画家史)の集大成であり、
北宋以降の画論と異なっている(一部先取りしているが)ことを指摘。

気分

一月下旬は、私生活でも研究でもないことのせいで、こんな気分でしたが、

今はちょっとのんびりしてます。

倭寇とはだれか

村井章介「倭寇とはだれか―十四~十五世紀の朝鮮半島を中心に―」(『東方学』119、2010年1月)

「倭寇は日本人か朝鮮人か」という議論の不毛さを指摘し、
「倭寇」は「境界人」であるという自説を再確認。
村井氏の説は、ずいぶん前から展開されている。
ただ、今回の論文では、韓国・中国における日本の倭寇研究(特に村井説)に
対する批判が引用されていて、とても興味深い。
今、話題になっている「日中歴史共同研究」での中国側コメントも
一部載っている。
韓国側・中国側の「公式見解」(個人見解があるのかどうかはわからないけど)も、
ある程度理解できるし、それに対する村井氏のコメントもわかる。
現在と「国家」概念の異なる前近代史研究の難しさを実感した。