現在、東京都現代美術館で開催中の
トランスフォーメーション展に行ってきました。
テーマは「変身―変容」。
文化人類学者の中沢新一が共同プロデュースしてます。
この展覧会、前から知ってたのですが、
どうにも食指が動きませんでした。原因はポスター。
著名なアーティストであるマシュー・バーニーの作品が
ポスターになっているのですが、なんとなく苦手な雰囲気。
迷いに迷って、今回やっと見に行くことに。
参加アーティストは15カ国21組。
三階・一階・地下一階と展示スペースがかなり広く、
しかも映像作品が多いので、全部見るのに結構時間がかかります。
結果的に2時間半くらい滞在しました。
印象に残った作品は以下の通り。
マーカス・コーツ《ローカル・バード》:人間に鳥の鳴真似をさせて、
映像の速度を上げることで本物の鳴き声っぽくみせる作品。
スプツニ子!の作品:生理の疑似体験マシーンや
カラスとのコミュニケーションなど。
変容人類研究室(名前はうろ覚え):正式な出展作品ではなく、
アーカイヴコーナーなのだけど、古今東西(旧石器時代から現在まで)の
様々な「変身―変容」の事例をパネル形式で紹介している。
映画・マンガ・浮世絵・祭祀・民族文化・壁画・ロボットなどなど。
今回の展示で一番面白かったです。
個人的な感想をいうと、作品はいろいろあるのだけど、
どうにも全体的にグロテスクで雰囲気が暗い。
なんだかユーモアが足りないような気がしてしまった。
確かに、人間と何か(動植物・無機物)の融合、
人間から何かへの変容というテーマは、
昔から重たいもの、暗いものだと相場が決まっている。
そのことは、変容人類研究室の紹介を見てもよくわかる。
……ということは、今回の展示も昔ながらの枠組みを
超えてないということになりやしないだろうか。
それだったら、SF小説の方がぶっ飛んだ「変身―変容」たくさんあるし。
例えば、コードウェイナー・スミスの人類補完機構シリーズとか、
日本では神林長平・北野勇作・大原まり子などなど。
ポスター見たときの直感に従っておけばよかったと反省。
ただ、同時開催の「オランダのアート&デザイン新・言語」が、
予想以上におもしろかったので、まぁ、行ってよかったです。
こちらの感想は後日。
トランスフォーメーション
会期:2010年10月29日~2011年1月30日
休館日:月曜日・12月29日~1月1日
開館時間:10時~18時
観覧料:一般1300円・学生1000円
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