バレンデ・テル・ハール著、丸山宏訳「書物を読み利用する歴史―新しい史料から―」(『東方学』120、2010年7月)
宗教書をもとに、明清期の非エリートの書物に対する
態度の一端を明らかにしようとしている。
取り上げられた宗教書は、龍華会(無為教)で作られた『七支因果』と
民衆叛乱の際に利用された『五公経』の二つ。
このうち、『五公経』については、
中国の古書サイト孔夫子を利用して、『五公経』の写本を検索し、
ヒットした古書店の地理的分布や数ページ分のスキャン画像をもとに、
『五公経』の写本が清・民国期広く流布していたとする。
斬新な手法で、なかなかまねできない。
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