鈴木勉『「漢委奴国王」金印・誕生時空論―金石文学入門Ⅰ 金属印章篇―』(雄山閣、2010年5月)
タイトルに「誕生時空論」なんて入っているので、
一瞬、トンデモ本じゃないかと思うかもしれませんが、さにあらず。
国宝の「漢委奴国王」金印について、 印面の彫り方に主に着目し、
漢~晋期の出土品・伝世品の印章や、
さらには江戸時代の印章とも詳細に比較検討している。
三浦佑之『金印偽造事件―「漢委奴國王」のまぼろし―』(幻冬舎新書、2006年11月)では、
金印偽造説の根拠として、鈴木勉氏の研究を引用していたが、
今回の本は、三浦氏の新書がきっかけになってまとめたとのこと。
はっきりとした結論は、あえて出していないが、
少なくとも、中国で出土した金印・印章と異なる技術が使用されており、
むしろ、江戸時代の印章に技術的共通性がいくつか見られるとする。
0 件のコメント:
コメントを投稿