2010年4月8日木曜日
巧術
表参道のスパイラルガーデンで開催されていた
「巧術」展にいってきました。
ポスターに、
「ねえ、池内さん、人間の手技には限界がないんですよ」
とある通り、職人的な作品が展示してある。
全部で24点しかないため、30~40分程度で見終わるが、
驚嘆する作品がずらり。
受付わきの壁にそっと置かれている
須田悦弘の木彫りの「椿」。
グラスやガラス皿などを写真に撮って、
マンダラのように組み合わせた桑島秀樹「Horizontal」。
満田晴穂の金属製の昆虫。
女郎蜘蛛(「自在女郎蜘蛛」)と
累々と重ねられたスズメバチの死骸(「累累」)。
関節・針・蜘蛛の糸、全てが本物そっくり。
そして、本物よりもかっこいい。
そして、何といっても圧巻が、
高田安規子・政子「Mt.Fuji」。
富士山周辺の4枚の地図を線部分と文字のみ残して切り抜いた作品(約167×127㎝)。
簡単にいえば、等高線・道路・境界線のみで形成された地図。
作業工程を考えると気が遠くなる。
平面作品なのに、富士山の高さが浮かんでくるようだ。
それでいて、富士山とは全然別物のように感じてしまう。
真上から見ると、ガラスに銃弾を撃ち込んだようにも見えてくる。
会場にあった作品写真をおさめたファイルも面白い。
切り抜いた地図(ロンドン・ニューヨーク)のほかに、
角砂糖の椅子、木製の洗濯バサミのはしご、
足ふきマットに作ったミステリーサークルなどなど。
日ごろ目にするものが、見立ての効果で、
意外なものに変容する面白さ。
作品数は少なくても、十分楽しめました。
何といっても、これだけの技を集めて、
無料なのがすごい。
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